「『ハーフ』というテーマは自分ごと。いよいよマンガで描くときが来たかな、と…」マンガ家・藤見よいこさんが『半分姉弟』に込めた思い

「『ハーフ』というテーマは自分ごと。いよいよマンガで描くときが来たかな、と…」マンガ家・藤見よいこさんが『半分姉弟』に込めた思い

粟生こずえ

 夜な夜なマンガに夢中になる大人が急増する中、2022年に誕生した「CREA夜ふかしマンガ大賞」。眠りにつく前の自分だけのひとときに、ページをめくりながら癒され、息を呑み、泣いて笑って――。第4回となる今年も、日常のあれこれを忘れさせ、新しい世界に連れ出してくれる名作が揃いました!

 選考委員の圧倒的な支持を受けて1位に輝いたのは、さまざまなルーツを持つ人たちの葛藤を描いた『半分姉弟』(藤見よいこ著、リイド社)。大賞受賞を記念して、藤見先生に話を聞きました。

『半分姉弟』(藤見よいこ著、リイド社)

『半分姉弟』(藤見よいこ著、リイド社)

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――このたびはおめでとうございます。「CREA夜ふかしマンガ大賞」1位の連絡を受けたときはどんなお気持ちでしたか?

藤見 とにかくびっくりしました! 推薦者の、業界のトップランナーのような漫画編集者の方々にとてもありがたいコメントをいただいて恐縮です。編集さんとずっと「手汗がやばいね」って言い合っていましたね(笑)。


――「ハーフ」と呼ばれる人々が直面する現実を初めて知り、とても衝撃を受けました。また、示唆に富む内容でありつつマンガとしてもめちゃくちゃおもしろい! そんな本作を描くに至った経緯は?

藤見 何年か前から、日本のマンガだけではなく海外の映画などでも、今まであまりフォーカスされてこなかったマイノリティの人たちに光を当てるような潮流が来ていると感じていました。「ハーフ」というテーマは自分ごとでもあるので、いよいよこれをマンガで描くときが来たかなと思いました。

藤見よいこさん。「CREA夜ふかしマンガ大賞2025」授賞式の様子 ©文藝春秋(撮影:平松市聖)

藤見よいこさん。「CREA夜ふかしマンガ大賞2025」授賞式の様子 ©文藝春秋(撮影:平松市聖)


――企画段階では必ずしもポジティブな反応ばかりではなかったそうですね。

藤見  最初は別の編集部に提案したのですが、「テーマが重すぎる、楽しく読めない」という反応でした。媒体によってカラーがありますから、そこの求めるものに合わなかったということなんですけど。なので、「楽しく読めること」は特に意識しています。問題提起という面で評価していただけるのもうれしいけど、ストレートに「マンガとしておもしろい」と言ってもらえるのはすごくうれしいです。


担当編集者の「もっとさらけ出せるでしょ?」


――シリアスなストーリーテリングとコミカルなパートの両方を堪能しています。だからこそ広く読まれて話題になっているのですよね。「トーチweb」は水が合ったということでしょうか。

藤見 はい。最初の担当さんはネームの第1稿を読んで「主人公がおとなしすぎる。もっと気持ちをさらけ出せるでしょ?」とおっしゃったんです。「もっとやれ」と言われたのがすごくうれしくて、絶対にトーチで描きたいと思いました。

©藤見よいこ/リイド社

©藤見よいこ/リイド社


――ご自身の体験や視点を活かして描くのであれば、コミックエッセイとして描くという選択肢もあったと思うのですが、それは考えませんでしたか?

藤見 まったく考えなかったですね。エッセイマンガは読むのは好きなのですが、自分で描くならやっぱりストーリーマンガだと思いました。


――しかし冒頭から「ハーフ」について自分がいかに偏った思いこみにとらわれていたか、いろいろなことに気づかされます。第1話の主人公の〈米山和美マンダンダ〉はフランス人と日本人のハーフ。父はアフリカ系フランス人なので、濃い色の肌を持っています。

藤見 「ハーフ」というと白人系のハーフを思い浮かべる人が多いのかなと思います。そうじゃなくていろんな人がいるということをいろんな角度で描きたいと。


きょうだい間の対比を描きたかった

――この第1話は、〈米山和美マンダンダ〉の弟が、改名して自分の名前から〈マンダンダ〉を削除したと告白する場面から始まります。きょうだいや親子でさえ、考え方にこうした相違があるということもカルチャーショックでした。

藤見 第1話では、まずきょうだい間の対比を描きたかったんです。

©藤見よいこ/リイド社

©藤見よいこ/リイド社


――姉は自ら「アフリカ系女子」とキャラ付けし、ライターとして活躍しています。一方、弟はこれまで周囲から見た目をいじられてきた苦しみから、できるだけ目立たずに生きたいと思っている。とはいえ、明るく楽しくやっているように見える和美も実際は苦しみを抱えています。

藤見 自分で自分を抑圧してきた人が爆発するところを描きたかったんです。主人公は一番の親友で仕事の相棒でもあるシバタの言葉に傷ついて爆発しますが……とはいえ、シバタが一方的に悪いようには描いていません。和美も自暴自棄になっていて、大事なことを伝えてこなかったのだと。この辺りの描き方もバランスも難しかったですね。こういうことをマンガで描いている例があまりないので。

 ここ数年、日本でもLGBTQ+の描写については「この認識は古いし偏見を招くから、こういう描き方はしない方がいい」という指針が明確になりつつあります。批評の方もすごくアップデートされている体感がある。でもエスニシティについてはまだ前例が少ないので、どういう描き方がベターなのかよくわからず手探り状態なんです。


ルーツが違う親子の複雑な関係


――近年「多様性」という言葉が広まりましたが、その本質はまったく理解できていないと自覚しました。単なる言葉狩りになってしまっては何にもならない。すべてケース・バイ・ケースなんですよね。『半分姉弟』はまさにそれを描き、安易なハッピーエンドではなく「わかり合おうとする」人々を描くマンガなのだと思いました。

藤見 希望を描きたいなとは思うんですけど、あまりにすべてが解消されると大嘘になってしまうから、手が届くくらいの希望が描きたいなと思って。社会が大きく変わるというより、身近な人との関係が少し変化する「一歩」を描くということなのかなと。人と人の間に発生することが描きたいなと思っています。それを積み重ねていくことで社会も変わっていく気がしています。

©藤見よいこ/リイド社

©藤見よいこ/リイド社


――第2話の主人公・紗瑛子は日本人と中国人のハーフです。見た目でハーフとわかりにくければ悩みがないかというと、そういうわけではありません。

藤見 日本で暮らしているハーフって、じつは中国とか台湾、韓国とか東アジア系が一番多いんですけど、メディアなどでは見た目の違いで苦労する話が前に出てきやすいので、こういう話が描きたいと思っていました。


――親子の間でもこうした隔絶があるとは想像できませんでした。

藤見 そもそもハーフの人って親とも複雑な関係になっている人が少なくない気がします。親と子で見えている世界が違うわけですから。この親子の話はリアリティというよりはある種の願いとして描いています。外国出身の親も日本という異国で暮らすマイノリティだから、単にひどい親みたいな描き方は少なくとも現状はできないなと。当事者の方が読んだら「ヌルい」と思うかもしれませんが。マンガというメディアは良くも悪くもとても敷居が低いので、差別や偏見を煽るような描写は極力避けたい。そういうバランスにもいつも悩んでいます。


――第2話で紗瑛子のルーツを知らずに中国人の悪口を言ってしまった女性・まりなが第3話では主人公になります。ハーフではない日本人が主人公の回を作ることは最初から構想にあったのでしょうか。

藤見 第2話を描いたあと、ひどいことを言ってしまった人を自然災害みたいな描き方をしてしまったなという反省があって。ただ加害して通り過ぎていく台風みたいにすませてはいけないなと。この話はすごく時間がかかりました。ネーム段階でセルフボツを重ねて。最初はまりなをもう少し傲慢で嫌な感じの人にしようと思ってたんですけど、結局「自分が人を傷つけていた」とあとで知ったらショックも受けるような、ふつうにいい人として描こうと。

©藤見よいこ/リイド社

©藤見よいこ/リイド社


――読む側としてはとても共感度が高いです。自分もこういうことを口走ってしまうかも、とドキッとします。

藤見 この話は感想を一番たくさんもらっているかもしれません。


「コーダ」の読者から共感の声が


――これに関連して違うマイノリティの話題が差し込まれていることで、より理解度が高まると思いました。感想の中で印象的だったことは?

藤見 コーダの方が「すごく共感した」と言ってくれたことです。「コーダ(CODA)」とは、「聞こえない/聞こえにくい親」のもとに生まれた「聞こえる子ども」です。その方も親の「通訳」を務めながら育っていて……ですが、親とは違う世界に住んでいる。この構造はハーフと似ているんですね。

 『私だけ聴こえる』というコーダの若者たちを追ったドキュメンタリー映画があります。その中では、ろう者の世界にも、聴者の世界にも居場所を感じられない彼らの揺らぎが描かれていて、特に「自分はろう者でも聴者でもなくコーダなんだ」という台詞には、立場は違えど強く共感しました。

 あとはアルビノや、クィアの方からも「共感した」と言ってもらえる機会がありました。マイノリティたちが同じ体験をしていると言うよりは、「普通」という強固な規範があって、その周縁にいる人たちには何か重なる部分があるのかもしれません。


――描きながら新たに知ることも多いのでしょうね。

藤見 そうなんです。時間をかけるほど考え方が変わったりふくらんだりして……。あとから読むと「もっとこうすればよかった」「これも描けばよかった」みたいな気持ちが無限にわいてくるから、早く続きを描かないとですね(笑)。


手応えを感じた第4話

――「これを描きたかったんだ」という手応えを感じたのは?

藤見 第4話の日本人とフィリピン人のハーフの瑠詩愛(るしあ)の話ですね。これを描いている頃、移民の人への風当たりが強くなるのではないかと懸念される法律の改正案が通ってしまったりして、私も私と同じコミュニティの人たちも暗い気持ちになっていて。

©藤見よいこ/リイド社

©藤見よいこ/リイド社


 そのときにネット上で善意の人たちが「外国人は生産性があって日本を支えてくれる」という擁護の仕方をしていることにモヤモヤしたんです。「役に立つ」じゃなくて「ただ幸せになる」みたいなことが描きたいと思ったんですよね。「だって私移民のガキじゃん そんなん人の100倍図々しくハッピーにならねえとじゃん」という瑠詩愛のセリフを当事者の方にすごく「よかった」と言ってもらうことは多いんです。みんなで絶対に幸せになろう、という気持ちでいます。


――作中にはハーフの仲間同士で本音を言い合う会のことも描かれています。藤見先生もこういう会をやっていますか?

藤見 そうですね。たまにこういうくだを巻く会をやってます(笑)。当事者同士だと話が早いこともあるけど、やっぱり個々に違うなと思うこともありますよ。


――取材をすることもありますか?

藤見 はい。身近な友達のほかに、SNSで知り合った人などにも。第5話は日本語を勉強する移民1.5世(外国で生まれ、幼少期に移住した人)の子どもたちの話ですが、実際に移民の子に日本語を教える教室に取材に行っています。先日は大阪の中学校にも行ってきました。そこは昔から中国出身の子を多く受け入れている学校で、常設の日本語教室があるんです。近隣の小学生も通ってくるからいろんな年齢の子がいて、親御さんも参加していたり。

 ここの先生がカリスマみたいな方で……この人といっしょに活動したくてわざわざ他県から来ている先生もいるそうなんです。ハーフがテーマですけど、その周りの「関わりたい」という強い気持ちを持つ人のことも描きたくなるから、取材は本当にいい体験になります。担当さんも含めてですが、そういう人の気持ちに触れられるのはすごくありがたいです。取材させていただいて人の人生観に触れると、ちょっとした言葉の中にすごく本質的なことを発見できて、うれしい驚きがありますね。


学校図書館が「このマンガを置きたい!」

――第5話の子どもたちのその後が気になります! 日本語がわからない子どもへの支援は昨今よく話題にのぼるようになりました。

藤見 社会にコミットしたいと思って描いているので、現実社会に少しでも良い影響があるといいなと思います。

編集 学校図書館から「このマンガを置きたい」という申し出をいただくことがけっこうありまして。この反応はうれしいです。


――なるほど! 本作は子どもにも理解しやすいですよね。キャラクターの表情から、繊細なことがスッと伝わってきますし。

藤見 知人の社会学者でハーフの研究をしている人がいるんですが、当事者やその親御さんから「論文を読ませてほしい」という問い合わせがあるそうなんです。アカデミアじゃない人が論文を読むってけっこうハードルが高いと思うんですが、それだけ情報が求められているんだなと実感します。


本作で描きたい3つのテーマ


――1巻のカバー絵はとてもインパクトが強くて書店でも目立っています。この表情にはどういう思いを込めていますか?

藤見 第1話の扉絵みたいなイメージです。最初は街の中に立っている絵も考えていたのですが、感情が出ている方がいいという話になったんです。デザイナーさんも熱い気持ちで取り組んでくださってうれしかったですね。「やっぱ怒りの顔じゃないですか。笑顔とかじゃないよね、このマンガは」という結論になりました。タイトルロゴが半分になってるのもすごく気に入ってます。

第1巻のカバーは、タイトルロゴも半分になっている

第1巻のカバーは、タイトルロゴも半分になっている


――訴えかける力が強い表紙です。ここまで怒りを前面に出したものは珍しいのではないでしょうか。

藤見 そういえば……友達のマンガ家さんが、漫画を描く上でテーマになるキーワードを3つ決めると言ってたんですよ。


――「友情、努力、勝利」みたいな?

藤見 そういうのです。で、私も考えてみて。『半分姉弟』で描きたいのは「ユーモア、怒り、愛」だなと。それは今後も掲げていきたいです。


――カッコいい!

藤見 自分でもカッコいいこと思いついたなって(笑)。

――ネガティブな怒りではなく、勇気や希望がわいてくるようなポジティブな怒りですよね。みんなが幸せである社会に自分も関わるんだという気持ちがわいてくるような。夜に一人で自分と向き合う時間にぴったりの作品だと思います。

藤見 ありがとうございます!


日本の移民文学にも興味が

――本作のこの先の構想を、可能な範囲でご紹介いただけますか?

藤見 3巻くらいでまとめる感じかなぁと。最後は弟の話になるんじゃないかと思っています。『半分姉弟』はまだあまり描かれていない人のことをわかってほしいという気持ちが強く出ているマンガなんですけど、もうちょっと自分の実感に近いことも描きたいなという気持ちが最近ちょっとわいていて。自分と親との関係とかも話の中に落としこんでいけたらいいかなと。


――そう思うきっかけが何かあったのでしょうか。

藤見 この作品を描き始めてから日本の移民文学にも興味が出てきて。いわゆる「在日朝鮮人文学」の蓄積ももっと学びたいと思ってます。最近の作家さんでは温又柔さん、グレゴリー・ケズナジャットさんとか。広義的にはミックスルーツの安堂ホセさん、伊藤亜和さんの著作などもとても面白く読んでいます。このような純文学の領域ではパーソナルな感情について深く掘り下げるような書き方をやっていらして。そういうことにもチャレンジしてみたいと思うようになったんです。


――描きながらどんどん視野が広がっているのですね。

藤見 最近は終戦後すぐに生まれたハーフの方々の講演にけっこう行ってるんです。米兵と日本人女性の間に生まれた人たちは想像を絶するような苦労をしてきている。終戦後って反米の感情がものすごく強いですからね。あまりに過酷な体験をしすぎて語りたくない人も多かったようで、あまり証言が残っていないのが現状です。でも、お話を聞けるうちにきちんと取材をして描きたい、ちゃんと残しておきたいなと思います。


お気に入りのマンガ作品は?


――扱う世代もより幅広くなって、さらにすごい作品になりそうで楽しみです。では最後に、藤見先生の最近のお気に入りのマンガを教えていただけますか?

藤見 たくさんあって困るんですけど、一番は『バルバロ!』かな。岩浪れんじ先生が大好きなんです。前作の『コーポ・ア・コーポ』から夢中です。岩浪先生は100年に一人の天才ですよ! 前作からずっとどうにもならない人間たちの姿を描ききっていて、情緒の緩急の付け方やコマ割りにも惚れ惚れしてしまいます。『バルバロ!』はより楽しく読んでもらうことを意識して描いているとおっしゃっていて、その気合いも感じます。ギャグセンスも最高です。

 『バルバロ!』は単行本のすきまページに登場キャラの女の子が使ってるコスメ情報とかが細かく書かれているのもまたいいんです。綿密に裏打ちされた人物描写がたまりません。岩浪先生の鋭い観察眼と、周囲の人々への愛情を感じます。岩浪先生は同業者であるマンガ家のファンが多いように感じていて、一番かっこいいタイプの作家さんだと思います。

藤見さんイチオシの『バルバロ!』(岩浪れいじ著/双葉社)

藤見さんイチオシの『バルバロ!』(岩浪れいじ著/双葉社)


――岩浪先生とお会いになったことは?

藤見 あります。ふつうにいちファンとしてトークイベントを見に行って、最後のサイン会のときに名前を言ったら「マンガ読んでます」って言われて。うれしくて舞い上がってテンパってしまって、どうでもいい話しかできなかったんですよ。もっとマンガのことをちゃんと聞けばよかったって後悔してます(笑)。

 岩浪先生、トークもすごく興味深かったです。フランス文学やラテンアメリカ文学、イタリア貴族小説なども読んでいらっしゃるそうで。マンガもおそらく相当の量を読んでいて。膨大なインプットに支えられた筆力なんだなと。かっこよすぎます。目配りしている作品の層がかなり厚くて、こんな作家さんがいるんだと……憧れの存在です。『バルバロ!』の更新をめちゃめちゃ楽しみにしてます。


――マンガは電子で読むことが多いですか?

藤見 単行本は紙派です! でも、お気に入りのマンガはやっぱり更新されたら即読みたいですから。リアタイでSNSで流れてくる感想を読むのも楽しいですし。

 更新が楽しみといえば『花四段といっしょ』もです。増村十七先生は一度トークイベントをいっしょにやらせてもらったんですけど、ご本人も増村ワールドにいそうなおもしろい方で。増村先生は、キャラクターのペルソナの多面性を描くのが抜群に上手いなと思います。「このキャラはこのキャラといるとこういう顔をするんだな」という引き出しがすごく多い。『花四段といっしょ』はコメディパートはひたすら面白いんですが、ドラマチックな場面はビシッとキメるところも憧れます。

『バクちゃん』もおすすめです。『バクちゃん』は移民をテーマにした作品として「以前/以降」に分かれるような作品だと思います。私自身も『半分姉弟』を描く上でもちろん影響は受けました。一方で、増村先生がトークイベントで「『バクちゃん』のあとにもっとこういうテーマの作品が増えると思っていたのに……」と仰っていたことも印象に残っていて。『バクちゃん』は2021年に完結した作品なのですが、移民やそのルーツの人を主人公として描いた作品は依然少ないですよね。前述した通り、まだまだ企画自体が通りにくいのが現状だとも思います。『半分姉弟』を描き続けることで、私もちょっとでも良い流れを作っていけたら本望です。

半分姉弟 1

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