声とことばマーク=声とことばマーク運営委員会提供

失語症や吃音に理解を広げたい 「声とことばマーク」が完成

毎日新聞
2026/6/28 09:06(最終更新 6/28 09:07)
声とことばマーク=声とことばマーク運営委員会提供
声とことばマーク=声とことばマーク運営委員会提供
 とっさに言葉が出ない、ゆっくり話してもらえると分かりやすい、言い終わるまで待ってほしい――。吃音(きつおん)や失語症など、声と言葉に関する疾患や困難を抱える人たちへの理解を広げようと、当事者や関係者でつくる委員会が、共通のシンボルマーク「声とことばマーク」をお披露目した。

 横顔のイラストに吹き出しと、助けの必要性を伝える十字のマークを組み合わせたデザイン。2025年秋から公募し、223作品の中から山田倖太朗さん(氏名のみ公表)の提案が選ばれ、25日に発表した。

 作成のきっかけは、慶応大病院耳鼻咽喉(いんこう)科の医師で、言葉が滑らかに出ない吃音の当事者でもある富里周太さん(40)が中心となり、23年から開く「声とことばの交流会」だった。発話に困難を抱える人や支援者が、疾患名や特性を問わず参加できる場で、これまでに横浜、東京、大阪で計4回実施した。

 交流会では、吃音のほか、脳卒中や事故による後遺症で読み書きや対話が難しくなる失語症、特定の場所や状況でうまく話せなくなる「場面緘黙(かんもく)」、自分の意思と関係なく声が出たり、体が動いたりする「トゥレット症」、唇などがうまくくっつかずに生まれる先天性疾患「口唇口蓋(こうがい)裂」などの当事者が悩みや生活上の工夫を打ち明けた。

 「電話対応がすごく苦手だと分かってほしい」「ゆっくり話してもらえると分かりやすい」「声がかすれたり、どもったりしても、内容に集中して聞いてほしい」。疾患や障害は違えど、周囲に対して抱える不安や、望む配慮の内容には共通点が多かった。社会の理解を広めるマークの先行例として、聴覚障害や聞こえに不自由がある人への配慮を表す「耳マーク」も参考にして、準備を進めた。

 困難があっても外見で分かりにくく、医療や福祉につながっていなかったり、からかいなどで精神的な傷を抱えていたりする当事者もいる。富里さんは「マークが誰もが安心して社会とつながるきっかけになればと願っている」と話す。


記事のポイント! 

吃音や失語症、場面緘黙、トゥレット症、口唇口蓋裂など、声やことばに困難を抱える人は、外見からは困りごとが分かりにくい場合があります。今回発表された「声とことばマーク」は、「ゆっくり話してほしい」「言い終わるまで待ってほしい」「話し方ではなく内容に集中して聞いてほしい」といった共通する配慮を社会に伝えるためのシンボルです。聴覚障害や聞こえに不自由がある人への配慮を示す「耳マーク」も参考にしながら、誰もが安心して社会とつながるきっかけを目指しています。

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原文掲載元はこちら 

 https://mainichi.jp/articles/20260628/k00/00m/100/059000c

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