2026/04/21 19:05
古川浩司
「伝えたいのに伝わらない」「相手の言いたいことが分からない」-。そんな悩みを持つ聴覚障害者や外国人の助けになればと、小城市で活動するCSO(市民社会組織)の有志が、指さしで気持ちを伝えられるコミュニケーションボードを制作した。簡単な言葉と分かりやすいイラストを使い、日常会話のほか、災害や受診時のやりとりも想定。言葉や障害による不安や壁を取り払い、気持ちを伝える“架け橋”になればと期待する。
市内で劇団を運営する岩崎香代子さん(51)、手話サークルの下村かほるさん(65)、日本語教室の秋吉優子さん(60)が、CSOの集まりでそれぞれの現場で感じていた課題を共有し、制作を思い立った。

聴覚障害者や外国人のコミュニケーションを支援する「Iリンクボード」を作った岩崎香代子さん(右)、秋吉優子さん(中央)、下村かほるさん
どのような表現にすれば使いやすいか、実際に当事者への聞き取りも行いながら、約5カ月かけて完成。秋吉さんは「CSOの団体がつながったことで別の視点が得られ、お互いの得意分野を生かすことができた」と振り返る。
「Iリンクボード」と名付けたボードは、A4サイズ両面印刷の2種類。日本語と英語を併記し、分かりやすいイラストも添えた。名詞や動き、気持ち、状態、場所などを指さし、簡単にコミュニケーションできるよう工夫している。

分かりやすい言葉やイラストを使ってコミュニケーションを支援する「Iリンクボード」
「医療・身体」「災害・避難」のページも設け、いつから具合が悪いかや、何に困っているかなども伝えられるようにした。下村さんは、災害時に聴覚障害者が得られる情報量が少なく、東日本大震災で多くの犠牲者が出たことに触れ、「いざという時に(ボードを)差し出してもらえれば、聞こえない人の道が開ける」と強調する。
当事者だけでなく、健常者が日頃から持ち運ぶことも意識して制作した。岩崎さんは「すべてを網羅することはできないが、コミュニケーションのきっかけとして気軽に使ってもらえれば」と話す。ゆめぷらっと小城2階の市民活動センター「おぎぽーと」や「Iリンクボード研究会」のホームページから入手できる。(古川浩司)
記事のポイント!
聴覚障害者や外国人が「伝えたいのに伝わらない」と感じる場面を減らすために、地域の有志が実際の声を聞きながら約5カ月かけて制作した点が魅力です。日常会話だけでなく、医療や災害時の意思疎通まで想定されており、指さしで使えるわかりやすさが安心感につながります。支援される側だけでなく、周囲の人も持ち歩けるようにした発想にも温かさがあります。
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