片耳分で10万円超…補聴器購入の助成、自治体で対応割れる「住む街で格差おかしい」

片耳分で10万円超…補聴器購入の助成、自治体で対応割れる「住む街で格差おかしい」

2024年8月28日 5:45
中塩路良平

 耳が聞こえづらくなった高齢者の補聴器購入への助成をめぐって、京都や滋賀の自治体の対応が割れている。難聴と認知症の関係が注目される中、全国で公費助成の導入が増えており、京都は3市町、滋賀は8市町が取り入れた。ただ京都市をはじめ未実施の自治体も多く、京都の市民団体は「住む街で格差が生じるのはおかしい」と支援の拡充を求めている。

自身が使用している補聴器を手にする「補聴器の公的補助を求める会」の粟倉さん
自身が使用している補聴器を手にする「補聴器の公的補助を求める会」の粟倉さん(京都市左京区)

 補聴器は片耳分で10万円以上する製品が多いとされる。身体障害者は国の制度で利用者負担が1割に軽減されるが、障害認定に至らない中程度の難聴者は対象外で、経済的負担が課題とされる。

 近年、加齢に伴う難聴が認知症の危険因子と知られるようになり、補聴器の購入費の公的助成も広がりを見せている。自治体の支援状況を調べる全日本年金者組合大阪府本部によると、今年5月末時点で全国286市区町村が実施し、2022年末(123自治体)から倍増した。新潟県は全30市町村が実施しているという。

 京都では昨年度以降、京丹後市、京田辺市、精華町が聴力の低下した65歳以上を対象に上限2万円の助成を始めた。京丹後市は「耳の悩みを抱える高齢者から要望が多かった」とする。滋賀は長浜市や甲賀市、豊郷町、甲良町などが最大2~4万円を助成している。

 一方、助成制度がない自治体は多い。京都市は「必要性は認識しているが、全国共通の問題で国が対応すべき」との認識を示す。

 左京区の市民団体「補聴器の公的補助を求める会」は5月、京都府と助成制度がない市町村に独自の支援策を求める署名活動を始めた。今秋に提出する予定といい、事務局長の粟倉恵子さん(77)は「補聴器が買えずに困っている高齢者もいる。京都でも助成を広げてほしい」と訴える。


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