「漫画 運転免許裁判~盛岡からの手紙~」表紙

盛岡から始まった「運転免許裁判」が漫画単行本化 手話劇の台本も

2026.04.20

「漫画 運転免許裁判~盛岡からの手紙~」表紙

「漫画 運転免許裁判~盛岡からの手紙~」表紙
 
 
 盛岡在住の脚本家・道又力さんが原作の「漫画 運転免許裁判~盛岡からの手紙~」が3月25日、全日本ろうあ連盟から発刊された。

 同作品は、盛岡市在住の聴覚障害者・樋下光夫さん(故人)が「ろう者には運転免許を与えない」という法律と闘うために正式裁判を請求し、1968(昭和43)年~1974(昭和49)年にかけて行われた「運転免許裁判」の実話を基にした物語。当時、耳の聞こえない人は法律によって運転免許が取得できない状況だった。樋下さんは建築関係の仕事で現場を回るためにバイクに乗る必要があり、やむを得ず無免許運転を繰り返し、法律違反で起訴され、法律の当否を問うために国を相手にした裁判を起こした。この裁判をきっかけに、ろうあ者の免許取得に関する運動が全国に広まった。

 2004(平成16)年に岩手で行われた「第52回全国ろうあ者大会」のアトラクションで、同裁判を題材にした手話劇を上演。この手話劇の脚本を道又さんが手がけた。その後、2007(平成19)年に手話劇をベースにした漫画の連載が全日本ろうあ連盟の機関誌「季刊みみ」で始まり、道又さんは漫画の原作も担当。手話劇では登場人物の名前を創作したが、漫画版では実名を使い、裁判の全容を再現することに努め、事実関係を調べ直したという。

 2025年に再び岩手で全国ろうあ者大会が開かれた際、手話劇の映像をアーカイブ上映したことをきっかけに参加者が漫画の存在を知り、単行本化について尋ねたことで発行に至った。単行本には漫画のほか、手話劇の脚本、全国へ広まった運手免許獲得運動の流れ、漫画の連載後に季刊みみで行われた鼎談(ていだん)や樋下さんの寄稿、弁護を担当した松本晶行弁護士へのインタビューなども掲載している。

 

記事のポイント! 

かつて「聞こえない人は運転免許を取得できない」とされていた時代に、その不合理に立ち向かった実在の裁判をもとにした物語です。漫画だけでなく手話劇の脚本や関係者の証言も収録されており、制度が変わるまでの背景や社会の理解の広がりを立体的に知ることができます。歴史として知るだけでなく、「聞こえないこと」と社会との関係を改めて考えるきっかけになる内容です。

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原文掲載元はこちら 

 https://morioka.keizai.biz/headline/4502/

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