NPO法人Silent Voice
目標金額を達成した場合のみ、実行者は集まった支援金を受け取ることができます(All-or-Nothing方式)。支援募集は10月31日(木)午後11:00までです。
プロジェクト本文
離れていても、
ひとりじゃない。
「オンライン支援がなければ、学びの場はなかった」
「こんなに娘が声を出して笑うことは他にはないので、貴重な時間です」
耳が聞こえない・聞こえにくい子どもたちは、子ども1000人に1人*と言われています。その数の少なさゆえに、聞こえる人に囲まれた環境で、孤立しやすい現状があります。
(*参考:難聴児の早期発見・早期療育推進のための基本方針)
障害児の支援制度である「放課後等デイサービス」は、全国に約2万件あるうち聴覚障害向けの事業所は約20件。自宅の周囲に支援がない・遠くて通えないご家庭がたくさんあります。
私たちNPO法人Silent Voiceが運営するオンライン教育事業「サークルオー」では、オンラインで子どもたちと先生をつなぐ支援を行っています。
どこに住んでいても、一人ひとりに合わせたコミュニケーションから「ひとりじゃない」と思える安心を届けたい。そこから生まれる成長を見守りたい。
まだ国の支援制度の中で認められていない、オンライン支援のモデルを作り、政策提言を行うことで国の仕組みとして「離れていても、ひとりじゃない。」を現代の当たり前にしたい。
ご賛同いただける方のご支援・拡散の協力を心よりお願い申し上げます。
NPO法人Silent Voice
そもそも、音声が聞こえないとはどんな感覚なのでしょうか…?
聞こえない・聞こえにくいことは、聞こえる人々には同じ体験をすることや想像が難しい感覚です。目が見えない・耳が聞こえないヘレン・ケラーは、哲学者カントの言葉を用いてこのような言葉を残しました。
「目が見えないことは”モノ”からの孤立、耳が聞こえないことは”人”からの孤立」
子ども1000人に1人と言われる、耳が聞こえない・聞こえにくい子どもたちのほとんどは、聞こえる人たちに囲まれて育ちます。聴覚障害ゆえに声での会話のプロセスに参加することが難しく、結論のみを聞く場面が多くなります。
会話のプロセスには、相手の意見やそれを踏まえて自分の意見を言うこと、そもそも「おにごっこやりたい!」のように自分の願望も含まれています。会話のプロセスに参加できないことによって「納得いかない」ことや「楽しくない」ことが増えるのは想像に難くないのではないでしょうか。
また、結論だけ知ることで「自ら進んでやりたい!」ではなく、「言われたからやる」と無気力になっていくこともよく見られます。
私たちは、会話のプロセスへの参加、楽しい放課後の時間、居場所や成長の場が必要と考え、大阪市に放課後等デイサービス「デフアカデミー」を2017年に設立、これまで運営してきました。
その中には、声を出さず手話で話す子ども、手話を使わず声で話す子ども、生まれ持った聴力はほぼ同じでも、育ってきた環境によって様々なタイプの子どもたちが居ます。
①一人ひとりに合ったコミュニケーション言語や手段があること
②みんなで理解する共通の方法は「見て分かる」こと
「支援」や「配慮」、いろんな言葉がありますが、これらを環境の中で整えていくことは、私たちの場所の中で当たり前の文化となりました。サイレントボイスは聞こえる人・聞こえない人の協働の場でもあります。①②がなければ必要な連携ができないのです。
コミュニケーションが取れることで、人はつながっていきます。次第に利用者の輪が広がっていき、遠方からの利用者も増えていきました。
「遠いのになぜ通うのか…?」理由は明白でした。住んでいる地域にはろう難聴児に向けた支援サービスが「ない」のです。
放課後等デイサービス「デフアカデミー」を設立・運営してきた私たちにはその理由がわかります。子ども1000人に1人といわれるろう難聴児向けの支援施設を作るには、「通える範囲に」十分な利用者数が必要で、人口の少ない地域では運営ができないのです。
人口の少ない地域は同じ理由で、学校や第三の場所(その他支援)についても支援が乏しい傾向があり、下図のような構造で孤立してしまうことがあります。
|サークルオーを利用した生徒の保護者からのコメント
「娘は、サークルオーを始めてから、いろんなことにチャレンジするようになりました。耳の聞こえない、聞こえにくい子たちや大人のつながりができたのも、大きな魅力の一つです。」(鈴木萌愛さん・中学1年生・東京都)
詳しい記事:「サークルオー受講3年目。先生と伴走型授業で、日本語への苦手意識が、いつしか“チャレンジする力”に」
「人との会話が苦手でしたが、日々の生活の中で起きたことや学校のことなどをサークルオーの先生に話そうと楽しみにするようになりました」(臼井俊介さん・高校1年生・三重県)
「進路のことを前向きに考えるようになりました」(前杉陸斗さん・中学3年生・鹿児島県)
「人見知りの恥ずかしがり屋なので、最初は自分から手話をするのを戸惑っていましたが、気づいたら自然にニコニコして、手話で話しててみてて嬉しかったです」
「毎回楽しみにしている様子があり、部屋からも笑い声が聞こえてくる。こんなに娘が声を出して笑うことは他にはないので、貴重な時間です」
「サークルオーの授業を受けるようになり、息子は少しずつ変わってきた気がしてます。手話で話がしたい、色々なことを伝えたり、聞きたいと思ってるようで、有り難い時間です。息子はまだまだ、引っ込み思案ですが、一緒に先生と手話で勉強をしたいと思ってます。」
|ろう当事者・スタッフからのメッセージ
大西 啓人
NPO法人Silent Voice サークルオー事業部
1997年奈良県出身、ろう者。
ギャロデット大学ろう教育研究コース修士課程修了。聴者の家庭に生まれ、デフコミュニティで日本手話を学び、手話を第一言語として育った。いくつもの言語や文化に触れ「選択できること」が、ありのままの自分でいるために必要と考え、本事業に携わる。2023年4月、NHK教育「みんなの手話」出演等
Message
ろう難聴の子どもにとって、ありのままの自分とは何か?を知るためには多くの選択肢が必要です。この事業では、様々な人や価値観と出会う機会を提供しています。
選択肢があることで自分に合わないことに気づくことや、自分に合ったものを根拠をもって選ぶことができるようになります。そんな「ひとりじゃない」ことの価値を新しい時代のろう難聴児に感じて欲しいのです。
今回クラウドファンディングを実施する目的は、授業を続けるためです。今、サークルオーにいる子どもたちのために継続することはもちろん、さらに、ろう難聴児のオンライン支援が国の支援制度となるために活動を継続・発展させていきたいと思っています。
昨年度、こども家庭庁の「NPO等と連携したこどもの居場所づくり支援モデル事業」に採択され、サークルオーで子どもたちがどんな経験ができているのかを国に報告することができました。その時に、サークルオーのような放課後のオンライン支援が、国の支援制度としてもっと多くの子どもたちに届くようになったら…!という希望を持ちました。
私たちが国の制度を変えるというのは夢の話で、なかなか挑戦に踏み切ることができませんでした。
しかし、動きの中でオンライン支援の制度化の可能性があることを知ったこと、何よりも、保護者のみなさまからの嬉しいお声や、子どもたちの笑顔をもっと増やしたいという思いで、「オンライン支援を制度化する」ことを目指す決意をいたしました。
〈支援制度化に向けた活動内容〉
①授業の継続
②先生のスキルアップ研修実施
③大学等専門機関と連携したろう難聴児向け支援プログラム開発
④ろう難聴児のオンライン支援制度化に向けた政策提言活動
⑤クラファン資金がなくなった後も安定的に事業を続けるための、継続寄付者拡大のための広報
まず、政策提言に向けて大切なのは、授業を継続して実施することです。長期的なオンライン支援が子どもたちの成長にどのように役に立っているのかを事実として記録を残していきます。
次に、今、利用してくれている子どもたちが、もっと楽しくて身になる授業を受けられるように先生のスキルアップ研修を実施します。さらに、先生のスキルだけでなく、プログラムも専門性のある方や研究機関と連携して、継続的に授業を改善できる体制を作ります。これは、オンライン支援が制度化した際に、各事業所が一定の質のサービスを提供できるようにノウハウを蓄積していくことでもあります。
最後に、これらのサークルオーの活動成果(どんなオンライン支援をして、子どもたちがどんな成長をしたのか)をまとめ、国に提案する予定です。具体的には、2027年度の放課後等デイサービスの報酬改訂の際に、オンライン支援ができる(利用者が1割負担、国が9割負担となる)ように提言したいと思っています。
|事業責任者からのメッセージ
日下 友乃
NPO法人Silent Voice サークルオー事業部 責任者
1998年広島県広島市出身。
大学で手話サークルに入ったことをきっかけに聴覚障害の世界に興味を持つ。ヒバク三世として平和構築に貢献したいという思いと重なり、2022年10月にNPO法人Silent Voiceに入社。
Message
この4年間で出会った子どもたちが、自分を理解してくれる先生と一緒に「わかった!」「できた!」の経験を詰み重ねることで、「次はOOに挑戦したい!」と夢をイキイキと語る姿をたくさん見てきました。
聴覚障害があるからこれ(大学には行かない、接客業はできない等)と消極的に人生の選択をするのではなく、好きだから・やりたいから、という自分の価値を基準に選択ができる力が身についてきているのだと思います。
子どもたちが社会に出て、自分の好きなことや得意なことを生かして活躍できることは、社会の多様化につながり、全員にとってより良い社会になると思っています。
ここからのサークルオーは、子どもたちと長期的・安定的に関わる中で、より具体的に、どのようなオンラインの出会いや経験が子どもたちにどのような変化をもたらすのか、メソッドの実証期間になります。
そして今後、オンライン支援が公的な福祉サービスとして確立されれば、全国の聴覚障害のある子どもたちが聴覚障害者としてではなく、彼ら彼女らしく生きられる環境を当たり前のものとして享受できるようになります。
ぜひ、一緒にこの世界を目指しませんか?ご支援よろしくお願いいたします!
私たちが最初にオンライン教育事業を始めた頃の、忘れられない経験があります。
オンラインでつながった子どもが話した「世界で耳が聞こえない人は自分だけと思っていた」という言葉。
その両親(聞こえる人)はどこに相談すればいいかわからない。地域に聞こえない人もいない、ろう学校は遠く、近所の学校は難聴児の受け入れが初めてで手探り状態、放課後等デイサービスもない、企業サービスも公的支援も届かないという「孤立」を感じました。
難聴そのものは知的発達を阻害しない。しかし、難聴によって必要な成長環境が得られない。
地域格差に目を向ければ、まだまだ日本の中に課題は大きく存在しています。
これを解決するには、ひとつのNPO内だけでは到底できないことだと気がつきました。
立ち上げから4年間、これまでサークルオーは助成金と利用料を主な資金として運営してきました。しかし、今年度は申請した全ての助成金で不採用となり、ご利用料だけでは苦しい状況にあります。あらゆる費用を節減し、持続していくための検討をしてきました。
「利用料を引き上げること」も、ひとつの方策です。しかし、オンライン支援が支援制度ではない今、支援環境のない利用者ほど100%自己負担でたくさん利用料を支払わないといけないことが不思議でなりません。
社会に訴えていきたいという想いから、11月から1年間の資金をクラウドファンディングで集めることに決めました。今後も、安定して資金を確保できるように、毎月継続して寄付をしてくださる方を増やすための計画も同時に進めています。
ご賛同をいただいた皆様と共に「オンライン支援の制度化」を実現したい。どの地域に生まれても、人とつながり、居場所を持つことができる社会を目指したい。
「離れていても、ひとりじゃない。」
皆様の拡散・ご寄付のご協力を心よりお願い申し上げます。
|代表よりメッセージ
尾中 友哉
NPO法人Silent Voice 代表理事
1989年滋賀県大津市出身。ろう者の両親のもとに生まれた聞こえる子ども(コーダ)として、母語として手話を身につける。平成30年間の家庭内の生活変化の大きさと社会の変化の小ささに疑問を持ちSilent Voiceを創業。2018年人間力大賞 内閣総理大臣奨励賞 受賞。映画『ヒゲの校長』では主人公高橋潔役を演じた。
Message
インターネットの登場で、人とつながるということは大きく変化しました。
対面に比べできないこともありますが、オンラインだからこそ作り出せる出会いの時間があります。
会話に参加できず孤立しがちだった人がオンラインで人と繋がり、できることを積み重ねられる
そこに自分を発見することや、次にやってみたいことを選択する、離れていてもそれをサポートできることが、その人が自分らしく生きることへの支援だと思っています。
オンライン支援が国の支援制度として認められれば、現在の私たちのように寄付型での活動推進ではなく、国からの報酬によって多数の事業所が生まれ、ろう難聴児のセーフティーネットとして社会が変わっていくと考えています。その変革期の中心を担っていくべくチャレンジさせてください。
<本クラウドファンディングの概要>
目標金額:1,000万円
募集形式:通常型/All or Nothing形式
資金使途:
・先生への謝金:210万円
・ろう・難聴児教育専門家アドバイザー料:75万円
・事務局スタッフ人件費:450万円
・その他(手話通訳費含む会議費、旅費交通費):65万円
・クラウドファンディング手数料:200万円
期間:2025年10月までの運営資金に充当する予定です。
✔ 本クラウドファンディングでの支援は税制控除の対象になりませんのでご注意ください。
✔ 本ページに掲載されている写真は、写っている個人またはそのご家族から承諾を得ております。
✔ 支援完了時に「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトのPRのために利用させていただく場合があります。
✔ リターンにつきましては、プロジェクト達成後は、既にご支援いただいたコースから別のコースに変更することはできませんので、ご了承ください。
✔ プロジェクト達成後は、アカウント情報を変更した場合でも、ご支援時に入力したお届け先の宛名と住所は変更されません(個別にご連絡いただかない限り、原則としてご支援時に入力いただいた宛名と住所にリターン品をお送りさせていただくことになります)のでご注意ください。
✔ 本プロジェクトのリターンのうち、【お名前掲載】に関するリターンの条件詳細については、こちらの「命名権、メッセージの掲載その他これに類するリターン」をご確認ください。
✔ ご支援に関するご質問は、こちらをご覧ください。
プロジェクト実行責任者:日下友乃(NPO法人Silent Voice)
プロジェクト実施完了日:2025年10月31日
プロジェクト概要と集めた資金の使途
プロジェクト概要 NPO法人Silent Voiceが運営するろう難聴児対象のオンライン教育事業「サークルオー」の2025年10月までの運営資金に充当する予定です。 資金使途: 先生への謝金:210万円 ろう・難聴児教育専門家アドバイザー料:75万円 事務局スタッフ人件費:450万円 その他(手話通訳費含む会議費、旅費交通費):65万円 クラウドファンディング手数料:200万円
リスク&チャレンジ
プロジェクトに必要な金額と目標金額の差額について
差額は自己資金にて補填を行い実施します。
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プロフィール
NPO法人Silent Voice
私たちのメンバーはろう者・難聴者と聴者(聞こえる人)が半数ずつで構成されています。 「“⾳のない声”を社会のなかで⾒える化したい」 Silent Voiceの社名にはそんな想いが込められています。 「聞こえる聞こえない」という違いに向き合い、 実際に様々な課題を解決してきた私たちにしか提供できない価値を追求することで、 ろう児・難聴児にとって欠かせない教育の選択肢を作っていきます。
リンク先はREADY FORというサイトの記事になります。