先月とく6徳島で特集した、聴覚に障害のある人とない人とが一緒に阿波踊りを楽しむ「すだち連」(連の紹介は下記のWEB記事をぜひお読みください!)
すだち連の5歳の踊り手・小松 楷(こまつ・かい)くんは、ことし阿波踊り初挑戦。鳴門市阿波おどりでの本番の様子を、羽深未奈乃アナウンサーが取材しました。
動画はこちらから👇
すだち連 5歳の踊り手の初挑戦
鳴門市を中心に活動する「すだち連」
手話での合図や太鼓の音など工夫を重ね、聴覚に障害のある人とない人が共に阿波踊りを楽しんでいます。
すだち連は44年前に結成し、現在は約30人で活動
今年からすだち連に入った、5歳の小松楷くん。
中等の難聴があり、騒がしいところでは聞こえにくさがあります。
楷くん本人の希望で、今年から阿波踊りを始めました。
その理由は・・・
自宅では毎日、母親の名央さんと一緒に阿波踊りの練習を重ねています。
本番前日はお風呂でも!
阿波踊りの練習していた楷くん
今回の阿波踊りへの挑戦は、母・名央さんにも特別な思いがあります。
母・名央さん
(楷くんは)難聴があって難しいって思うことが多いかも。最初のハードルが高いかも。でも頑張ったらちょっとでもできるだろうし。諦めてほしくないかな。なんでもがんばってほしい。
諦めずにできたら、それ以上に楽しいことが待っているよと、阿波踊りを通して分かってくれるかな。
鳴門市阿波おどり当日
8月10日、鳴門市阿波おどり本番当日を迎えました。
はっぴに袖を通し、とっても嬉しそう!
両親も、楷くんの晴れ姿を温かいまなざしで見つめます。
父・宏成さん「楽しんでやってくれたらいい」
楷くん!本番に向けての楷くんの意気込みは・・・?
連長からもらった木製のお守りも首から下げています
本番の会場へ!
鳴門市の大道おどり通りには、大勢のお客さんと連の皆さんであふれ、熱気が高まっていました。
阿波おどり期間は「大道銀天街」が踊りの舞台に。
踊る距離はなんと180m!
楷くんも出番を待ちます。
柱に映る自分の姿を見て、踊りの最終確認!
前を踊る連の鳴り物の大きな音、迫力のある太鼓が会場中に響き渡ると、楷くんの表情にも変化が・・・。
鳴り物をじっとみつめる楷くん
阿波おどり本番!!
さあ!いよいよすだち連の出番です!
楷くん!笑顔!
お母さんが楷くんに声をかけて見守ります。
楷くんも真剣な表情で、前へ前へと進みます。
初回の練習では泣き出すこともあったという楷くん。
自宅での練習を重ねて自信をつけ、すだち連の周りの人の支えもあって、ついに晴れ舞台に立ちました。
そして最後の掛け声!!
「ハァーー!」
楷くん、大道おどり通りの180mの道のりを、踊りきりました!!
名央さんの目からは、涙が。
阿波おどりを終えて
2か所の演舞場で一生懸命に踊った楷くんのもとに、両親が駆け寄ります。
「よかったな!」「がんばったな!」
楷くん!阿波おどりはどうでしたか?
母・名央さんの思いは・・・
名央さん
何事もはじめは泣いたりしていて、最後までやりきれると思わなかったので、うるっときた。新しいことにもたくさん挑戦できるんだなと思えるきっかけになったので、これからいろんなことに挑戦していけたらなと思います。
阿波おどり、また来年もやってみたいですか?
「諦めずにできたら、それ以上に楽しいことが待っているよと阿波踊りを通して分かってくれるかな」と話していた、母・名央さん。
楷くんはその願いの通り最後まで真剣に踊りきり、小松さん親子に、大きな笑顔があふれました。
聞こえる人も聞こえにくい人も踊る喜びを分かち合う、鳴門市「すだち連」。
この夏、楷くんはすだち連から大きく巣立ちました。
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