はてなマークと困った顔の男性

高次脳機能障害 支援法施行…治療はリハビリが中心

2026年7月15日

 高次脳機能障害は、病気やけがで脳が傷ついて起こります。記憶障害などが出て、日常生活に大きな支障が出ます。周囲の理解が重要で、患者を支援する法律が今春、施行されました。(鈴木恵介)

 高次脳機能障害は、脳出血や脳 梗塞こうそく 、くも膜下出血といった脳卒中で脳が傷ついたり、交通事故で頭部を損傷したりした後遺症として表れます。低酸素脳症や脳炎、脳腫瘍などが原因となることもあります。

 

様々な症状

 症状は、記憶障害や注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害、失語などです。具体的には、新しいことを覚えられない▽二つのことを同時にできない▽約束の時間に間に合わない▽自己中心的になる▽言いたい言葉が出ない――といったことが起こります。

 感情を制御する前頭葉、言葉をつかさどる側頭葉など、脳は部位ごとに働きが異なります。症状は傷ついた部位や程度によって変わり、脳内の神経ネットワークが傷むと、複数の機能がダメージを受けることもあります。

 外見上、こうした症状はわかりにくく、「見えない障害」とも呼ばれます。社会的行動障害の影響で、「性格が変わってしまった」と当惑する家族は少なくありません。患者が職場に居づらくなり、仕事を辞めるケースもあります。

 厚生労働省の2022年のまとめでは、国内の患者は約23万人と推計されています。

 診断では、頭部のMRI(磁気共鳴画像)検査やCT(コンピューター断層撮影法)検査で、脳の病変を詳しく調べます。

 治療はリハビリが中心です。医師だけでなく、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、公認心理師、社会福祉士らが関わってサポートします。

 急性期や回復期に入院して取り組み、必要な場合は退院後も外来で続けます。大阪急性期・総合医療センター(大阪市)リハビリテーション科副部長で医師の山中緑さんは「発症から1年半ほどはリハビリの効果が出やすく、緩やかに回復します。機能を補う手段を取り入れることや環境を整えることが大切です」と指摘します。

 

周囲の配慮大切

 具体的には、記憶障害の場合、ノートやスマートフォンにメモを取る習慣をつけます。注意障害では、作業を短く区切り、気が散りにくい環境を作ります。患者が理解しやすいようにゆっくりと話しかけたり、仕事量を調節したりするなど、周囲の配慮も大切です。

 全国どこでも、患者が切れ目なくサポートを受けられるようにするための法律「高次脳機能障害者支援法」が昨年12月に国会で成立し、今年4月に施行されました。

 同法は超党派の議員連盟が提出。患者の支援を国や自治体の責務と明記し、リハビリから社会復帰までを後押しするものです。地域での生活や教育、就労の支援、相談体制の整備などが今後進む見通しです。

 山中さんは「症状が出てから10年以上たって初めて受診する人もいます。思い当たる症状や生活での困りごとがあれば、まず近くの障害者相談支援センターに問い合わせましょう」と話します。

 

記事のポイント! 

高次脳機能障害は、脳卒中や交通事故などをきっかけに、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、失語などが現れる「見えない障害」です。記事では、MRIやCTによる診断、医師や言語聴覚士など多職種が関わるリハビリ、メモの活用や作業環境の調整といった具体的な対処法に加え、2026年4月に施行された高次脳機能障害者支援法による生活・教育・就労支援の広がりを紹介しています。

関連ページ  

聞こえが気になる方は、以下のページも参考にしてください。

今の聞こえの状態を簡単に確認したい方へ
▶ 聞こえづらいと感じたときのセルフチェック

難聴の原因や種類を整理したい方へ
▶ 難聴とは?(原因・症状・種類)

まず何をすればよいか知りたい方へ
▶ 聞こえづらいと感じたときの対処法

補聴器の基本を知りたい方へ
▶ 補聴器の種類と選び方

 

気になる症状がある場合は  

聞こえに不安がある場合は、早めに耳鼻咽喉科への相談をおすすめします。 


原文掲載元はこちら 

 https://www.yomiuri.co.jp/yomidr/article/20260629-GYTET00011/

Back to blog

Leave a comment