長崎新聞 2025/12/24 [10:17] 公開

【女子1回戦、瓊浦―龍谷富山】第2クオーター8分、瓊浦のガード中村がゴールを狙う=東京体育館

【女子1回戦、瓊浦―龍谷富山】小学時代以来、一緒にコートに立った瓊浦の松尾(左端)と中村(右から2人目)=東京体育館
バスケットボールの第78回全国高校選手権(ウインターカップ)第1日は23日、東京体育館などで男女の1回戦計48試合が行われ、長崎県女子代表の瓊浦は龍谷富山に59-88で敗れた。
瓊浦はスタメンの平均身長が10センチ近く離れた龍谷富山の高さに苦戦。第1クオーターで18-31と先行された。第2クオーターも流れは変わらなかったが、28-52の7分からフォワードの祝迫のミドルシュート、図師のフリースローなどで9点を連取。ガード中村もブザービーターの3点シュートを決めるなど、42-56と点差を詰めて前半を折り返した。瓊浦は後半も粘り続け、センター前畑のゴール下の健闘などで食らいついたが、最後は29点差をつけられた。
第2日は24日、同会場などで男子1回戦8試合と女子の2回戦16試合を実施。男子の瓊浦は午後3時40分から、東京体育館で秋田工と対戦する。
◎エース中村、難聴の友への思い胸に躍動 「最後の18秒間」小学時代以来、一緒にプレー
「一番大切な存在と最後の最後に一緒にできて良かった」
瓊浦女子のゲームキャプテン中村果穂(3年)はこの日、特別な思いを胸に東京体育館のコートに立った。結果は龍谷富山に59-88で敗れたが、エースとして全力でコートを駆け抜け、チームを勇気づけた。特に難聴の親友とプレーした最後の18秒間は、かけがえのない思い出になった。
小学時代からの友人である松尾芽依(3年)は、生まれつき耳が聞こえず、3歳のころに人工内耳(音を電気に変換して直接神経を刺激する装置)の手術を受けている。仲が深まったのは福田小ミニバスケット部で一緒にボールを追い始めてから。以降は私生活でも2人で過ごす時間が増えていった。
卒業後の進路は分かれた。寂しくもあったが、それぞれが大好きなバスケットに打ち込み、中村は純心中で県トップレベルの選手に成長した。福田中に進んだ松尾も聴覚障害者の「デフバスケット」で日本代表(U18育成ランク)入り。戦う土俵は違えど、2人の共通の言語には常に「バスケット」があった。
そんな2人の道が再び高校で交わった。「やっぱり一緒にやりたい」(松尾)。瓊浦進学が決まっていた中村を追って、自らも瓊浦を志望した。県優勝を目指しているチームの練習は厳しかったが、2人一緒だったから乗り越えられた。迎えた10月のウインターカップ県予選。チームは初の全国切符を手にした。
今回は2人で臨める最初で最後の全国大会。中村は「めいめい(松尾)に同じ学校を選んで良かったと思ってもらいたい」と懸命に足を動かした。納得のいくプレーができずに心も折れかけたが、最終盤に菊川仁美監督が動いてくれた。松尾をコートに投入した。わずかな時間だったが、最高の瞬間になった。
エースとして試合に負けた悔しさはもちろんある。でも、親友が涙ながらにしぼり出した言葉に、また、心が震えた。「果穂とできて良かった。一緒に出られたのは小学校以来だったから…」。悔しさの中に、それ以上の喜びが込み上げてきた。
リンク先は長崎新聞というサイトの記事になります。
