三女ちゃんは小さな手話の先生(提供:くりた家さん)

難聴のお姉ちゃんに5歳の妹が手話通訳 互いに支え合う家族の日常に反響「妹ちゃん、頼もしい」「かわいい通訳さん」

五ヶ瀬 あお

難聴のお姉ちゃんに手話で通訳する妹ちゃんの動画が話題に(提供:くりた家さん)

難聴のお姉ちゃんに手話で通訳する妹ちゃんの動画が話題に(提供:くりた家さん)


「手話通訳する妹」と題した、きょうだいの何気ない日常を捉えた動画がInstagramで話題になりました。5歳の女の子が、難聴のお姉ちゃんと手話で自然にコミュニケーションをとる姿に、「妹ちゃん、えらい!頼もしい」「かわいい通訳さんですね」と反響が寄せられています。

リビングで折り紙で遊んでいる6歳の次男くんと5歳の三女ちゃん。ふたりのそばで見守っているのは、15歳の次女さんです。難聴のため、補聴器をつけています。

次男くんが、折り紙を折りながら「牛乳ください」と一言。次男くんの口の動きに気づいた次女さんは、三女ちゃんに「なんて言ってる?」と手話で尋ねます。

三女ちゃんに「なんて言ってる?」(提供:くりた家さん)

三女ちゃんに「なんて言ってる?」(提供:くりた家さん)


すると三女ちゃんは、「お兄ちゃんが牛乳飲みたいって言ってる」と手話で通訳して伝えます。お姉ちゃんの目をまっすぐと見ながら、真剣に伝える三女ちゃん。

次男くんの言葉を手話で伝える三女ちゃん(提供:くりた家さん)

次男くんの言葉を手話で伝える三女ちゃん(提供:くりた家さん)


次男くんの言葉が伝わったお姉ちゃんは、牛乳が入ったコップを次男くんの前に置きました。すると次男くんも、「ありがとう」と手話でお礼を伝えます。手話を交えたほほ笑ましい、きょうだいのワンシーンでした。

次男くんも「ありがとう」と手話でお礼を伝えます(提供:くりた家さん)

次男くんも「ありがとう」と手話でお礼を伝えます(提供:くりた家さん)


動画を投稿したのは、『くりた家』として発信をしている栗田さん(@kurita_ke)。栗田家には5人のお子さんがおり、長女さん、次女さんに聴覚障害があります。現在は、特定非営利活動法人『茨城デフキッズ応援団』を設立し、当事者の立場から、難聴の子どもたちや家族を支える活動を行っているくりた家さんに話を聞きました。

 

――三女ちゃんは、手話を自然に習得されていったそうですね。

「三女は、家族が手話で会話をしている姿を見て育ったこともあり、日々の生活の中で自然と手話に興味をもつようになりました。最初は意味も分からず、手話や指文字をまねすることから始まりましたが、少しずつ『手話は“ことば”なんだ』と理解するようになり、絵本を見ながら、自分から覚えようとする姿も見られるようになりました。

まだ使える手話は多くありませんが、『大好きなお姉ちゃんたちと会話をしたい』という思いから、一生懸命に手話を覚えようとしてくれています。その姿を見ていると、とても頼もしく感じます」

三女ちゃんは小さな手話の先生(提供:くりた家さん)

三女ちゃんは小さな手話の先生(提供:くりた家さん)


――日々の家族の関わり方について教えてください。

「家族の中では、『きこえる・きこえない』という違いを特別なものとして意識するのではなく、お互いに支え合うことが自然な日常になっています。

私自身も、子どもたちから学ぶことがたくさんあります。長女や次女は聞こえにくいため、配慮が必要な場面もありますが、思いやりは誰かに教えられて身に付くものではなく、日々の暮らしや家族との関わりの中で、自然と育まれていくものなのだと感じています」

 

――難聴のある長女さん、次女さんは、他のきょうだいにとって、どのような存在だと感じますか?

「長女と次女は、次男と三女にとって大好きなお姉ちゃんたちです。ふたりは下の子たちと年齢が離れていることもあり、赤ちゃんのころからたくさんお世話をしてくれて、とても優しく接してくれます。

下の子たちも、成長するにつれて『お姉ちゃんは聞こえない』ということを理解するようになりましたが、障害があるから特別に接するのではなく、1人の姉として自然に関わっているように感じます。

栗田家では、『きこえないから手話を使う』というよりも、手話が家族のコミュニケーションの一つとして当たり前に存在しています。こうした環境で育つことで、相手に伝わるよう工夫することや、相手の立場に立って考えることが、自然に身についていってくれたらうれしいと思っています」

大好きなお姉ちゃんに手話で内緒話♡(提供:くりた家さん)

大好きなお姉ちゃんに手話で内緒話♡(提供:くりた家さん)


――『茨城デフキッズ応援団』設立の思いについて教えてください。

「設立した一番の理由は、聴覚障害のある子どもたちとその家族が、安心してつながり続けられる場を継続的に作りたいという思いからです。

これまで任意団体『いばらキッズのWA』として活動を続けてきましたが、その活動を将来にわたって継続していくためには、助成金や寄付を受けられる基盤づくりが必要だと考え、法人化を決意しました。

法人化そのものが目的ではありません。子どもたちや家族を支える活動を、未来へつないでいくための手段だと考えています。私たちの活動を通して、手話やデフスポーツがもっと身近なものとなり、『きこえる・きこえない』に関わらず、自然に支え合える社会が広がっていくことを願っています」

 

記事のポイント! 

難聴の姉と会話したいという思いから、家族との暮らしの中で自然に手話を覚えていった5歳の妹。聞こえる・聞こえないという違いを特別視せず、手話を家族の「ことば」の一つとして使う姿から、相手に伝える工夫や思いやりが日常の中で育まれていく様子が伝わります。

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気になる症状がある場合は 

聞こえに不安がある場合は、早めに耳鼻咽喉科への相談をおすすめします。 


原文掲載元はこちら 

 https://maidonanews.jp/article/16765056

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