
先天性難聴は早期発見し、補聴器などを使用して適切な療育を受ければ、言語の発達などが期待できる。生後直後に産院で、赤ちゃんが寝ている時などに音を聞かせ、脳や耳の反応を確認する新生児聴覚スクリーニング検査が実施されている。
チームは、2009~19年に長野県で生まれた15万6038人のうち、同検査を受けた15万3913人を対象に、先天性難聴の割合と原因を調べた。精密な聴力検査を経て、普通の声の大きさの会話が聞き取りにくい「中等度以上」の先天性難聴と診断されたのは249人(1000人あたり1・62人)だった。
遺伝子や画像、難聴を引き起こすウイルスの検査で原因を調べると、両耳が難聴の130人(同0・84人)では56%が遺伝性だった。片耳が難聴の119人(同0・77人)では、40%が聴神経の形成不全だった。
新生児聴覚スクリーニング検査は厚生労働省が公費での実施を自治体に求めている。こども家庭庁の22年度の調査では、全国で95・2%が受けた。
吉村 豪兼ひでかね ・信州大医学部講師は「原因が分かれば最適な時期に適切な治療ができる。全国で原因を調べてもらいたい」と話す。
守本倫子・国立成育医療研究センター耳鼻咽喉科診療部長の話
「先天性難聴の割合と原因が実測値で示されたことで子どもの状況を家族に説明しやすくなる」
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