イヤホンの使い過ぎで「耳疲れ」が増加。耳の負担をおさえる方法を医師がレクチャー

イヤホンの使い過ぎで「耳疲れ」が増加。耳の負担をおさえる方法を医師がレクチャー

リモート会議や移動中のスマホ利用で、イヤホンが手放せなくなっている人が増えている。耳が常に音にさらされている状態は血流にも悪影響があり、もちろん難聴のリスクも。耳を守るための生活のヒントを伝授する。

By Manabi Ito公開日:2026/01/09

話を伺った人...

木村至信医師/耳鼻咽喉科医、医学博士。横浜市内のクリニックを開設。厚生省の難聴遺伝子研究員としてアメリカ留学した耳のスペシャリスト。ミュージシャンとしても活動し、バンドのボーカル、枕やスピーカーの開発なども行っている。著書に『1万人の耳の悩みを解決した医師が教える 耳鳴りと難聴のリセット法』がある


聴こえの悪さは気が付かない間に進行する?

タブレットを操作する女性

Getty Images

「何度も呼んでいたのに……」家族や友達、同僚にこんなことを指摘されたことはないだろうか? 耳の聴こえの低下は、自覚なく進行することが多いと指摘するのは、耳鼻咽喉科医の木村至信医師だ。

「視力の場合は、見えていたものが読めない、見えないという比較的わかりやすい尺度で低下してきたことを実感しやすいのですが、聴力は自覚なく進行していることも少なくありません。聴こえの悪い症状には、突然どちらかの耳の聴こえが悪くなる突発性難聴と、メニエール病などが考えられ、両側であれば加齢に伴う加齢性難聴があります。突発性難聴は、ミュージシャンの方が罹患されてニュースになったりしますが、年齢関係なく発症します」


難聴の原因は複数あり。加齢や耳の使い過ぎも。

耳の拡大写真

Getty Images


「原因は諸説あり、わかっていない部分もありますが、ストレスや睡眠不足、疲労の蓄積やウイルス性の問題など多岐にわたります。もうひとつの加齢性難聴は年齢に伴う感覚機能の衰えのひとつで、60代ぐらいから多くなります。2つの聴こえの悪さの原因は異なりますが、“耳の使い過ぎ”『耳疲れ』が原因になっているケースも多いように感じています」

木村先生は新型コロナウイルス流行以降、耳への影響に変化を感じているという。


イヤホンの長時間使用は耳にとって大きな負担になる

ヘッドホンをする女性の後ろ姿

Getty Images


「オンライン会議でイヤホンを使用することが増えました。通勤中はイヤホンをつけて音楽を聴き、仕事中もつけていることがある。鼓膜が常に大きな音にさらされ、休む状態がないため、疲れ目ではないですが、耳疲れしている状態になっているのです。私は医師の仕事のほかに、ミュージシャンとしても活動しているのですが、長時間イヤホンをつけることはしません。

耳の中にイヤホンを突っ込んで音が常に流れている状態は、耳に大きな負荷をかけ、血流も悪くします。音楽関係で仕事をしている人たちはヘッドホンを使い、1時間使用したら15分休むなどの対策をしています。日常的にイヤホンを使っている人は、意識的に休む時間を作り、ノイズキャンセリング機能のもの、またはヘッドホンなど耳に負荷がかからないものを選ぶことが重要です」

特に更年期世代は、一度耳の機能を検査してみることも重要だという。


更年期世代特有の耳鳴りにも気を付けたい

両こめかみを抑える女性

Getty Images


「私自身も更年期世代ですが、この時期は耳鳴りなどが起こる人もいます。メニエール病が原因のケースや難聴からきていることもあります。また、聴覚は視覚に比べて自覚がない人もいます。聴覚機能が低下し始める時期に、イヤホンを長時間使ったり、大音量でテレビを長時間見ていると、機能低下がより進んでしまう可能性も。まずは、自分の耳の状態を聴覚検査などで把握することをお勧めしたいです。日頃自分でできるケアとしては、耳を休ませること。そして、こめかみには耳につながる太い血管が通っているので、こめかみをクルクルと一日3回ぐらいマッサージしてみるのもいいでしょう。耳の聴こえの悪さは将来、認知症のリスクを高めるというデータもあるので、早めの対処が必要です」

From Harper's BAZAAR November 2025


リンク先はBAZAARというサイトの記事になります。


 

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