2025-09-29

9月12日、株式会社資生堂の本社で“手話キャリア交流会”が開催されました。資生堂インタラクティブビューティー株式会社(以下「SIB」)、スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社(以下「スターバックス」)、ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)の3社から、手話による接客に取り組むスタッフ・クルーが参加し、取り組みの紹介や接客のデモンストレーション、ディスカッションを行いました。
手話接客の取り組みを実演し、お互いの課題を共有
SIB・スターバックス・ソフトバンクによる手話接客の知見共有を目的とした “手話キャリア交流会” が初開催されました。
ダイバーシティ推進に力を入れている3社が連携し、手話や指さしなどの視覚的なコミュニケーションを活用した接客について、スタッフ同士が工夫や経験を共有。デモンストレーションやディスカッションを通じて、すぐに役立つ接客のコツやキャリア形成につながるヒントを学ぶ機会となりました。

始めに、3社の代表者が手話接客のデモンストレーションを披露しました。
ソフトバンクからは、渋谷手話カウンターで手話接客に取り組むクルーが登壇し、長年使用していた端末からの買い替え相談への応対を実演。最新機種や容量の違いを比較し、利用状況や予算に応じて最適な機種を提案するとともに、一括・分割などの支払い方法についても分かりやすく説明しました。



このような接客デモに加え、日頃の業務内容についても紹介。各地のソフトバンクショップとソフトバンク渋谷の手話カウンターをビデオチャットでつなぎ、店頭での接客を手話で補助する取り組みを実施しています。電話連絡が難しいお客さまに向けては、メールやFAXでの予約・問い合わせ対応も行っており、月に約360件とソフトバンクの手話対応の中心となっています。
“自分の言葉” で相談できる安心を。聴覚に障がいのある方に寄り添うソフトバンクショップの手話サポート
SIBは、手話によるオンラインカウンセリングのデモンストレーションを実施。お客さまが希望するコミュニケーション手段や配慮事項をうかがい、手話やチャットなど最適なスタイルでカウンセリングするそうです。今回のデモでは、そうした実際の接客の様子が紹介されました。カウンセリング中は視覚情報を多く取り入れる工夫をしており、画面上での動きは前後ではなく左右に、色分けや図表、イラストで示すといった方法を紹介しました。


スターバックスは、神宮前6丁目店で働く手話を第一言語とするパートナー(従業員)が、店頭での接客を実演。あわせて国内唯一のサイニングストアであるスターバックス コーヒー nonowa国立店で実践されている工夫についても紹介。店内には振動で通知を伝えるウォッチや多数の筆談ボードが備えられているほか、手話が見やすいよう照明を明るめに設定し、会話の視認性を高める円卓配置を採用するなど、コミュニケーションに配慮した設計であることを紹介しました。


第二部のディスカッションでは、少人数の班に分かれて業務上の悩みを共有しました。各社のデモンストレーションを振り返りながら、明日から実践したい取り組みを具体的に意見交換。笑いが起こる場面もあり、参加者同士の距離が縮まり、会場は和やかな雰囲気に包まれていました。



最後に、ソフトバンク 渋谷の手話カウンターを担当する栗原美幸が交流会を振り返り、感想を共有しました。
「ディスカッションでは悩みを共有し合い、皆が同じ課題をかかえていると分かったことが大きな収穫でした。私は日頃の接客で手話の敬語表現を意識しています。手話は手の形自体は同じでも、目線や首・肩の動きで敬語の丁寧さを表すんです。日常会話では敬語の手話を使う機会が少ないため、業務で困らないよう意識的に練習しています。また、ソフトバンク渋谷では月に一度、店舗研修の中で手話の技術を磨く講習を実施しています。継続的に取り組んでいるおかげで、丁寧に説明する方法を忘れず、日々の接客に生かせていると感じています」
(掲載日:2025年9月26日)
文:ソフトバンクニュース編集部
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