「障害者雇用率」が高い企業ランキング(画像:編集部作成)

「障害者雇用率」が高い企業ランキング! 10位ファーストリテイリング、9位Trailhead Global Holdings、8位しまむら、さらに上位に入ったのは?

公開日時:2026/09/04 05:00
佐々木 浩生
東洋経済『CSR企業総覧』編集部

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相模原市の障害者支援施設「津久井やまゆり園」で19人が犠牲となった事件から、2026年7月に10年を迎えた。障害のある人とどう共に生きるか。事件が社会に残した問いへの答えの一つが、職場で共に働く障害者雇用の取り組みだ。国も後押しを強めており、同月には障害者法定雇用率が従来の2.5%から2.7%に引き上げられ、従業員を37.5人以上雇用するすべての企業が対象になった。この引き上げに伴い、企業は採用面、雇用面でどのように取り組むだろうか。

東洋経済では毎年、障害者雇用率ランキングを発表している。今回も『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2026年版掲載企業1656社のうち、2024年度に障害者を3人以上雇用している企業1100社を対象にランキングを行った。

なお、『CSR企業総覧(ランキング&集計編)』2026年版には同ランキング上位800社まで掲載している。また、電子書籍『東洋経済CSRデータeBook2026 障害者雇用取り組み編』には、障害者雇用率だけでなく、特例子会社の有無、各社の障害者雇用への取り組み情報などを1582社について掲載している。ランキングと詳細情報を併せてご活用いただきたい。


トップ企業の障害者雇用率は14.09%

1位はゼネラルパートナーズ(14.09%、44人)で2年ぶりの首位に。数値は全雇用形態社員(総合職・限定正社員・契約パート社員)がベース。同社は、障害者向けの人材紹介や求人情報サービスを手がけるほか、就労継続支援A型事業所「アスタネ」を運営する。同事業所では、うつ症状や統合失調症のある人を中心に菌床シイタケの生産・販売を行い、33人が従事する。そのほかのほぼ全部門でも障害のある人が活躍し、複数人が管理職を担う。

2位は食品トレーや弁当・総菜容器最大手のエフピコ(12.6%、401人)。同社は、特例子会社エフピコダックスを中心に、回収した使用済み食品トレー・容器の選別工場および折箱タイプ容器や食品トレー等の生産工場など、全国22カ所の事業所で障害者に雇用の機会を提供するとともに、取引先企業の障害者雇用のサポートも行う。

3位は輸送機器メーカーのキトー(7.51%、36人)。同社は、定着を重視し、サポートできる範囲での実習受け入れから採用を進めている。また、障害者雇用の5カ年計画を推進中。障害の種類だけでなく個性を重視した配属を行い、社内だけでなく支援者・家族とも連携して定着に取り組む。さらに、聴覚障害者への情報保障として、手話通訳の派遣や支援機器の導入により働きやすい環境を構築している。

4位は女性中心の下着のネット通販を手がける白鳩(5.26%、7人)。同社は、障害者雇用率の目標を法定雇用率としているが、現行の法定雇用率のほぼ倍の水準を達成している。

5位はNTTドコモビジネス(5.21%、59人)。同社は、柔軟な働き方を強みに積極的に障害者雇用を推進、個々の能力を最大限発揮できるよう職種・環境の希望や適性を考慮している。また、障害のある社員や同僚等を対象に臨床心理士による相談窓口を設置している。営業・エンジニアなど、職種を問わず幅広い分野で障害のある社員が活躍中だという。

以下、6位は水産卸売中堅の横浜魚類(5.13%、5人)、7位は札幌圏中心に道内一円で食品スーパーを展開する北雄ラッキー(5.09%、83人)、8位は低価格の実用・ファッション衣料を仕入れ販売するしまむら(5.03%、857人)、9位は九州地盤で筑豊ラーメン「山小屋」「ばさらか」を展開するTrailhead Global Holdings(旧ワイエスフード)(5.00%、4人)、10位は「ユニクロ」「ジーユー」ブランドを展開するファーストリテイリング(4.91%、1198人)と続く。


雇用人数は宅配便のヤマトHDが最多、ドン・キホーテのPPIHが続く

ランキング100位以内で人数が最多だったのは、宅配便首位で知られる49位のヤマトホールディングス(ヤマトHD)で3113人(障害者雇用率3.35%、以下同)。次は総合ディスカウント店ドン・キホーテを展開する42位のパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)で1480人(3.45%)。3番目は10位のファーストリテイリングで1198人(4.91%)、4番目は8位のしまむらで857人(5.03%)だった。

ヤマトHDの人数はヤマトグループ全体(連結ベース)の数値。同社は2025年度の障害者雇用率3.1%を目標としているがすでに2024年度に達成している。グループ内では特例子会社(スワン)において、スワンカフェ・スワンベーカリー・クリーニング事業のスタッフとして障害者を雇用している。

PPIHは障害者雇用率3.3%以上の維持を目標としている。そして、 今後の法定雇用率の引き上げを見据え、自社グループでは障害者雇用率3.0%以上を最低ラインと位置づけ、継続的に障害者雇用に取り組んでいる。具体的には障害者雇用に対する理解促進(資料作成、社内セミナーの実施など)、職場実習の受け入れ、各部署・店舗の管理者に対しては、障害者への配慮事項の情報共有を行っている。

ファーストリテイリングは、障害の種別(知的・身体・精神)を問わず雇用を推進しており、1店舗1人以上の障害者の雇用を目指している。また、障害者支援の専用窓口を設置し、障害者雇用の専任者が採用関係、職場定着のための対応もしている。店長、エリアマネージャーなどを対象に障害者雇用に関する研修を実施している。

しまむらは、2027年2月までに障害者雇用率5.0%を目指している。トライアル雇用の活用、障害者採用を担当するブロックマネージャーへの「障害者職業生活相談員」取得の推奨(25年2月現在420人取得)、 地域の障害者支援センターや特別支援学校等の団体との協力・連携の体制づくりを進めている。

2024年度の業種別の障害者雇用率を見ると、全体平均は2.32%(2024年度の障害者雇用率を開示している1306社が対象)で、2023年度の2.25%(対象1339社)から微増。詳細は『CSR企業総覧(ランキング&集計編)』2026年版を参照してほしい。


平均雇用率が高い業種は?

対象社数が10社以上で平均雇用率が高い上位10業種は、小売業2.81%(97社)、電気・ガス業2.71%(16社)、パルプ・紙2.65%(11社)、銀行業2.59%(36社)、食料品2.55%(53社)、輸送用機器2.55%(38社)、化学2.52%(108社)、鉄鋼2.47%(18社)、保険業2.47%(12社)、非鉄金属2.46%(18社)。このうち現行の法定雇用率2.5%を上回るのは化学までの上位7業種で、2026年7月以降の同2.7%を上回るのは小売業と電気・ガス業だけだった。

段階的ではあるものの、障害者雇用の法定雇用率は2021年3月の2.3%から2026年7月の2.7%へと、5年余りで0.4ポイントと従来に比べて大きく引き上げられている。企業にとっては法定雇用率の達成が優先課題にはなるだろう。ただ、障害者雇用の促進に取り組む際には、単なる雇用機会の提供という段階から、今回紹介した上位企業の事例に見られるように、障害者の適性に合わせた配属や支援の仕組みを整備して定着を図るという段階へと進み、各社でさまざまな施策が実施されることを期待する。その結果として法定雇用率の水準がクリアできているというのが理想だろう。実際に各社がどう取り組みを進めていくのか、編集部では今後も調査を通じて動向に注目したい。

 

記事のポイント!

障害者雇用は、人数や雇用率を増やすだけでなく、一人ひとりが働き続けられる環境をどう整えるかが重要になっています。記事では障害者雇用率の高い企業とともに、適性に応じた配属や相談体制、職場定着の支援など各社の取り組みを紹介。3位のキトーでは、聴覚障害者への手話通訳派遣や支援機器の導入など、情報保障を通じた働きやすい職場づくりも取り上げられています。

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原文掲載元はこちら

 https://toyokeizai.net/articles/-/956639?display=b

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