難病の情報を共有しませんか 「前庭水管拡大症」を患う女児の母が6月8日に催し 「治療法も薬もない現状を変えたい」

難病の情報を共有しませんか 「前庭水管拡大症」を患う女児の母が6月8日に催し 「治療法も薬もない現状を変えたい」

 難病の情報を分かりやすくかみ砕き、広く伝えたい-。そんな思いから神奈川県藤沢市出身で、現在は東京都大田区在住のフリーカメラマン、大島美和さん(45)が患者家族会「ZENPE(ゼンペ)」を立ち上げた。難聴の長女が患う「前庭水管拡大症」や「ペンドレッド症候群」の周知や指定難病化などを目指し、来月に東京都内でイベントを開く。(篠ケ瀬祐司)

娘と遊ぶ大島美和さん(右)=本人提供

娘と遊ぶ大島美和さん(右)=本人提供


◆ネットで検索しても

 大島さんは藤沢市で生まれ育ち、結婚を機に6年前、都内に移り住んだ。2022年3月に生まれた娘は新生児聴覚スクリーニング検査で片耳難聴と判明したが、診断された病名の前庭水管拡大症をインターネットで検索しても、出てくるのは医師向けの論文ばかり。同じ病気の知り合いは周囲におらず、初めての子育てということもあって大きな不安を感じたと振り返る。

 「情報が少なく、治療法も治療薬もない現状を変えたい」。そう決意し、ネットのチャットやオンライン会議機能で当事者や家族らとの交流を始めた。情報交換を続ける中、仲間の輪には研究者も加わった。今回、会の発足に当たっては、東京医療センターの松永達雄医師や北里大医学部の藤岡正人教授、東邦大大森病院の瀬戸由記子医師が顧問を引き受けてくれた。



◆「未来の当事者も救いたい」


 6月8日午後1時から、東京都千代田区麴町のレンタルスペース「ライフルテーブル」で、ZENPEとして初の対面イベントを開く。顧問の医師らが質問に答えたり、当事者が体験談を語ったりする予定。オンラインでも参加できる。

 大島さんは「医療機関と連携して、患者のデータベースをつくり治療と研究に役立てたい。私たちが動くことで、未来の当事者や家族を救いたい」と意気込む。イベントの参加申し込みや寄付はZENPEホームページから。寄付は、病気への理解を進めるための教師向けパンフレットや紙芝居作成費などに充てる計画だ。

前庭水管拡大症 ZENPEによると、先天性の内耳奇形の一つ。人によって症状に差があるが、進行性の難聴やめまい、聴力の変動などがみられる。前庭水管拡大症を含むペンドレッド症候群は、10歳ごろから甲状腺腫がみられる場合が多いという。国内では1万~2万人の患者がいるとされる。


リンク先はmsnというサイトの記事になります。


 

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