記事のポイント!
3歳で重度難聴になった藤田典人さんは、補聴器では聞き取れる音域が限られるなか、ピアノの低音や振動を頼りに演奏を続けてきました。2026年には6本のマイクで高音・低音を集め、音量や音質を調整する独自システムを完成させ、より幅広い音を聞き取れるようになりました。難聴者を招いた実証実験では、楽器ごとの音の聞こえ方に課題も見つかりました。聴覚障害のある人が、それぞれの聞こえ方に応じて音楽を楽しむ可能性を広げる取り組みです。
2026年10月16日 18:35
すべての人に音楽を…重度難聴のピアニスト 独自システムで届ける音楽
すべての人に音楽を楽しんでもらいたい。そんな思いでピアノを奏でるのは、三重県東員町に住む重度難聴の藤田典人さん(65)。年間25回以上リサイタルを行うアマチュアのピアニストです。

あります。マイクは、藤田さんが演奏するために欠かせないものです。
藤田典人さん:
「こちらが高音を拾うマイク、奥にあるのが低音を拾うマイク。補聴器だと会話専用なので、音を拾う幅が狭いです」
藤田さんは3歳のとき、中耳炎の薬の副作用で重度難聴になりました。補聴器をつけていても、聞こえる音は限られていて、会話をするときは、相手の口の動きを見たり、音声認識アプリを使っています。
2つ上の姉の影響で、9歳のときに始めたピアノ。

藤田典人さん:
「高い音が聞こえなかったので、諦めてしまうところでした」
しかし…。
藤田典人さん:
「左手が低音へ移動して弾いてみたら、振動とともにピアノの音なんだなと感動を覚えた」

当時から、かすかに聞こえるのは、低い音だけです。それでも“いつか舞台で演奏したい”と、就職を機にさまざまな機材を購入し、聞こえ方の改善に取り組み始めました。
33歳で、ひとりで演奏会を開くまでになり、その後も改良を重ねました。
今年完成したのが、6本のマイクを使い、音を集め、聞こえやすい音量と音質に調整するシステム。より幅広い音が聞こえるようになりました。

この日、藤田さんは、演奏会のため四日市市へ。
合流したのは、障がい者に向けた演奏会を数多く行ってきた、新日本フィルハーモニー交響楽団のメンバー。実は、他の楽器と一緒にピアノを弾くのは初めてです。
さらに今回は、演奏をただ聴いてもらうだけでなく、難聴者を招き藤田さんが考案したシステムで音楽を楽しんでほしいと、実証実験を行うことになったのです。

システムを体験した藤田さんの友人:
「気持ちいい音が聞こえました。ただし弦楽器にピアノの音が負けちゃうので、一番聞きたかったピアノの音が消えちゃう」
障がいによって聞こえ方はさまざまなため、どう個人に合わせていくかが今後の課題です。
関連ページ
聞こえが気になる方は、以下のページも参考にしてください。
今の聞こえの状態を簡単に確認したい方へ
▶ 聞こえづらいと感じたときのセルフチェック
難聴の原因や種類を整理したい方へ
▶ 難聴とは?(原因・症状・種類)
まず何をすればよいか知りたい方へ
▶ 聞こえづらいと感じたときの対処法
補聴器の基本を知りたい方へ
▶ 補聴器の種類と選び方
気になる症状がある場合は
聞こえに不安がある場合は、早めに耳鼻咽喉科への相談をおすすめします。
原文掲載元はこちら
https://news.ntv.co.jp/n/ctv/category/society/ct1f56d0af67424f43b60928e7f85e7189

