スポニチアネックス取材班
[ 2025年11月2日 03:00 ]

楽天・山田遥楓
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楽天の山田遥楓内野手(29)が今季限りでの現役引退を決断したことが1日、分かった。スポニチ本紙の取材に対し「野球めちゃくちゃ楽しかったです。西武、日本ハム、楽天の球団関係者、全てのファンの皆様に感謝です」と清々しく話した。
山田は佐賀工から14年ドラフト5位で西武に入団。10年ぶりのリーグ優勝を果たした18年9月19日の日本ハム戦に「8番・三塁」でプロ初先発出場。4回に堀からプロ初安打初本塁打となる2ランを放つと、自主トレで師事し、尊敬する松田宣浩(元ソフトバンク)の「熱男」をアレンジした「獅子男」を披露して球場を盛り上げた。23年にトレードで日本ハムに移籍。昨年育成選手として楽天に加入し、開幕前に支配下登録された。強肩が武器で高い守備力を誇り、内野の全ポジションを守れるユーティリティプレーヤーとして25試合に出場したが、今季は1軍出場がなかった。
ハンディを抱えながらもプロ11年間を駆け抜けた。先天性難聴で右耳が全く聞こえないが練習、試合を問わず、誰よりも声を張り上げるムードメーカーだった。引退の決断を下した29歳は「小さい時から野球を教えてくれた父親、朝早くからご飯を作ってくれたり、ユニホームを洗ってくれた母親。本当に両親の支えなしにここまでこられませんでした」と感謝。「プロに入ってからも辛いことがほとんどでしたが、家族全員が支えてくれました。耳が聞こえない事が分かった時はかなり不安だったと思います。その中でもここまで強く育ててくれました」と続けた。
西武時代の22年には試合前、当時の辻監督の紹介の際、ビジョンに指揮官とともに登場し、小道具などで盛り上げる「劇団獅子」が話題となるなど、プレー以外でもファンを沸かせた。今後については未定だが、球団を離れる意向。既にトークショーや野球教室の依頼が殺到しているという。通算252試合で64安打、1本塁打、31打点、打率・196。記録よりも記憶に残る元気印が、第二の人生も熱く駆け抜ける。
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