「動きを大きくするより、ひとつひとつに思いを込めて」。先輩の指導で動きがくっきりとしていった=2026年7月17日、秋田市南ケ丘1丁目、魚住ゆかり撮影

「秋田県民歌」手話で高らかに 聴覚支援校生、総文祭に向け表現磨く

2026年7月25日 10時00分
魚住ゆかり

「動きを大きくするより、ひとつひとつに思いを込めて」。先輩の指導で動きがくっきりとしていった=2026年7月17日、秋田市南ケ丘1丁目、魚住ゆかり撮影

「動きを大きくするより、ひとつひとつに思いを込めて」。先輩の指導で動きがくっきりとしていった=2026年7月17日、秋田市南ケ丘1丁目、魚住ゆかり撮影


 秋田の魅力を詰め込んだ「秋田県民歌」に乗せて、全国から訪れる高校生に、ふるさとの魅力を伝えたい――。26日に秋田県で開幕する全国高校総合文化祭(あきた総文2026)で、県立聴覚支援学校高等部の生徒たちが、手話による「県民歌」を披露する。

 「『秀麗無比なる鳥海山』の雄大さを表現するには、どうしたらいい? 『狂瀾(きょうらん)吼(ほ)え立つ男鹿半島』のところは、もっと強く波がぶつかる表現があってもいいよね」

 総文祭開幕まで10日を切った17日、同校の卒業生でダンサーの鹿子沢(かのこざわ)拳さんを迎えた練習があった。先輩の助言で、高等部生7人の表情や動きが、どんどん豊かになっていく。

 1930年に誕生した「秋田県民歌」には、九十余年もの間、手話がなかった。2023年、同校が「全国高校生手話パフォーマンス甲子園」に初出場することになった際、秋田の魅力をPRするパフォーマンスがしたいと考えた生徒たちは「県民歌」の手話をつくることにした。

 格調高い文語調の歌詞を手話でどう表現するか。話し合いながら、一つひとつ「翻訳」していった。

 「秀麗無比」には「美しい」「最高の」という意味の手話をあてた。「鳥海山」は愛称「出羽富士」にちなんで秋田と富士山を表す手話を組み合わせた。「男鹿半島」は、海岸線にそびえる「ゴジラ岩」にちなんだオリジナルの表現をつくった。

 「県民がこよなく愛し、心の支えにしている歌を、耳が聞こえにくい人も一緒に歌えるようになってくれれば」。同校の三国谷明子教諭はそんな願いを込め、生徒たちと「翻訳」に当たった。

 完成した手話の「県民歌」は、後輩たちへと歌い継がれ、最近ではスポーツイベントなどで観客とともに歌う機会も増えた。

 生徒たちにとっても、大切な歌になりつつある。松山琉唯(りゅうい)さん(2年)は、中学生の頃に歌詞を覚えたが「ただ歌うだけだった」と言う。聴覚支援学校高等部で「県民歌」の手話に出会って「言葉の意味が深くわかるようになって、愛着が湧きました」と笑う。

 

記事のポイント! 

90年以上手話がなかった「秋田県民歌」を、生徒たちが歌詞の意味や秋田の風景を話し合いながら一つひとつ手話に翻訳し、先輩の助言も受けて表情や動きに磨きをかけ、全国高校総合文化祭でふるさとの魅力を伝えます。

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原文掲載元はこちら 

 https://www.asahi.com/articles/ASV7S4JSQV7SOXIE03NM.html

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