聴覚障害者で初の薬剤師免許取得 道ひらいたデフ自転車選手の集大成

聴覚障害者で初の薬剤師免許取得 道ひらいたデフ自転車選手の集大成

藤野隆晃2025年11月25日 19時55分

デフリンピック東京大会 自転車女子クロスカントリーオリンピックの決勝を終えて取材に応じる早瀬久美=角野貴之撮影

デフリンピック東京大会 自転車女子クロスカントリーオリンピックの決勝を終えて取材に応じる早瀬久美=角野貴之撮影
写真・図版写真・図版写真・図版写真・図版写真・図版写真・図版


 (デフリンピック東京大会第11日、自転車マウンテンバイク、クロスカントリー・オリンピック)

 過去3大会で計三つのメダルをつかんだ50歳の早瀬久美にとって、この日は厳しい戦いになった。

 2021年の東京五輪とほぼ同じコースで、急傾斜や岩場の攻略が難しかったという。先頭と大差がつくと完走できないというルールにより、7位に終わった。

 それでも、レースを終えて、「悔いはないです」と言い切った。

 道を切り開いてきた。


聞こえないため施設利用NG「ある」 デフリンピックに期待すること


 普段は薬剤師として働くが、かつて聴覚障害者は法律の欠格条項により薬剤師の免許をとることができなかった。

 「(聞こえないのは)私のアイデンティティー。(法改正という)いばらの道を行くことにした」。先頭に立ち、講演などで訴えた。

 その後、200万を超える署名が集まるなど機運が高まり、2001年の法改正へとつながった。

 法律が変わり、聴覚障害者として初めて薬剤師免許を取得した頃、聴覚障害のある医療関係者はわずかだった。早瀬が知っている人ばかりだったが、徐々に数が増え、「今では私も分からないくらい、たくさん働いている」。

 デフスポーツも同じだと考える。

 デフ選手が使う薬について相談に乗っていたことをきっかけに、デフスポーツに興味を持ち、初めてデフリンピックに出場したのは2013年。

 その頃に比べれば、レベルの高いコースが設定されるようになり、次世代の選手も増えた。

 この日のレースでは、31歳の北島湊が4位に入った。

 自身が身を置く世界のことを考えてきた人だから、メダルに届かなくても、「楽しく終えられた」。集大成と位置づけた大会を笑顔で振り返った。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。


この記事を書いた人
藤野隆晃
スポーツ部


デフリンピック東京大会
聴覚に障害のあるアスリートたちの国際スポーツ大会「デフリンピック」が、2025年11月15日~26日に東京などで開かれます。最新ニュースや注目の競技などについてまとめます。[もっと見る]


関連ニュース

【そもそも解説】東京デフリンピック、どんな大会? 見どころも解説
五輪と違うデフリンピックの勢力図 男子100mメダルは欧州と日本
デフアスリートを採用、社員も変わった 大切なのは「道具より意識」
聞こえないため施設利用NG「ある」 デフリンピックに期待すること
デフ陸上に出会い、自分を肯定できた 感じた可能性「誰かに届けば」
デフリンピック招致の舞台裏 「お・も・て・な・し」がきっかけに


リンク先は朝日新聞というサイトの記事になります。


 

Back to blog

Leave a comment