誰もが等しく楽しめる「バリアフリー演劇」 山陰初公演 出演者自らが衣装や舞台の説明も

誰もが等しく楽しめる「バリアフリー演劇」 山陰初公演 出演者自らが衣装や舞台の説明も

BSSニュース | BSS山陰放送
2025年6月24日(火) 06:44
島根

バリアフリー演劇の様子

視覚や聴覚など障がいのある人も楽しめる「バリアフリー演劇」をご存じですか?
22日、山陰で初めて東京の劇団による公演が島根県出雲市で行われました。
「ヘレン・ケラー」を題材にしたこの舞台。
一体、どんな公演だったんでしょうか?

公演開始前にステージに立つ出演者。
話し始めたのは。

ヘレン・ケラー役 水流かなこ さん
「5歳の女なので、オレンジ色をしたエプロンドレスです」

自分が演じる役の衣装、そして。

※足踏みする音
音を出し、どんな靴を履いているのかなどひとりひとりが説明していきます。

視覚や聴覚など障がいのある人も楽しめるよう様々な配慮、演出がされている演劇、それが「バリアフリー演劇」です。

公演を行ったのは、「東京演劇集団 風」。
この劇団は6年前から「バリアフリー演劇」を全国各地で行っていて、
今回、山陰地方では初めての上演となりました。

出雲の精神保健と精神障がい者の福祉を支援する会ふあっと 冨岡大樹さん
「普段、生活している中ではなかなか感じることのできない目に見えない障がいの部分があると思うが、そういってことをこの演劇を通して感じてもらいたい」

演目は視覚、聴覚、言語の三重苦の障がいを乗り越えたヘレンケラーの物語。

劇中では、シーンや役者の動きを説明する音声ガイドや、台詞に合わせた字幕も。

さらに、舞台には手話通訳者が。
これは、「舞台手話役者」と呼ばれ、台詞を手話で伝えるだけでなく、流れる音楽に合わせて楽器を演奏する動きをしたり、時に、芝居の中に入る場面も。

東京演劇集団 風 
アニー・サリバン役 高階ひかり さん
「舞台と客席というだけでもバリアがあるので、そこの壁というのも取っ払いながら、お客さんと一緒にひとつの作品に向かうということを常に意識している」

そう出演者が話すように、こんな取り組みも。
公演の前後や幕の合い間に観客がステージに上がり、舞台や舞台裏の見学も出来るんです。
しかも、出演者自らが説明します。

観客
「セットとかの雰囲気とか、あまりイメージとか分からないけど、実際に上がって、(舞台の)構成とかがしっかり分かるので、いいなと思う」

上演時間は2時間を超える見ごたえ十分の舞台。
そして、シーンはクライマックスへ。
ヘレン・ケラーとサリバン先生が、遂に心を通い合わせるシーンに。

障がいがある人に向け、様々な配慮がなされた「バリアフリー演劇」。
しかし、それは、障がい者のための演劇ではなく、誰もが等しく楽しめ、心動かされる舞台となっていました。

観客
「手話に興味があって初めて観たけど、皆さんとっても、演劇も素晴らしくてびっくりした」

観客
「多くの方に見ていただきたい劇だと思った」

東京演劇集団 風 ヘレン・ケラー役 水流かなこ さん
「バリアフリーという言葉は使っているが、障がいがあってもなくても、それぞれの感じ方で、見えない聞こえない見えづらいとか、そういうことではなくて、一緒にこの空間を誰もが楽しめる」
「私たちもそういう演技がしたいと思ってこのような取り組みをしている」


リンク先はBSS山陰放送というサイトの記事になります。


 

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