【倉敷市】毎週木曜日開催!きこえる人もきこえない人も、手話を学習し交流する「手話サークルにしあち」

【倉敷市】毎週木曜日開催!きこえる人もきこえない人も、手話を学習し交流する「手話サークルにしあち」

高石真梨子
聴覚障がいのある地域おこし協力隊ライター(倉敷市)
7/11(金) 12:01

「手話サークルにしあち」の学習


「手話」を知っていますか?

手や指・顔の動きを使って表現する視覚言語で、耳がきこえなかったりきこえにくかったりする聴覚障がい者や、音声を発するのに困難を伴う言語障がい者などのコミュニケーションツールのひとつです。

倉敷市では、市民一人ひとりが、手話についての理解を深め、障がいの有無にかかわらず、全ての市民が共に暮らし、共に支え合い、共に輝くことのできる共生社会を実現することを目指して、令和3年(2021年)12月に「倉敷市手話言語条例」が制定されました。

しかし、身近に手話を使う人がいなければ、なかなか手話を覚えるのは難しいですよね。

「手話を学んでみたい人」や「手話でのコミュニケーションを楽しみたい人」が集う場所のひとつに、手話サークルがあります。

西阿知公民館で毎週木曜日に活動している「手話サークルにしあち」の学習に参加してきました。


手話学習初心者も、大歓迎


学習会会場の西阿知公民館大会議室

学習会会場の西阿知公民館大会議室に入ると、会議のように机を「口の字型」に並べて参加者が座っています。
手話は、手の動きはもちろんのこと相手の口の形表情を見る必要のある言語なので、参加者全員の顔が見えるように配慮した座りかたが必要です。

「色」の手話表現

活動の最初は、単語などの学習から始まるので、手話初心者も安心。

私が参加した日は「色」の手話表現を学習していました。


手話にも方言がある?!


日本語に「方言」や「若者言葉」があるように、手話も人によって表現が異なります。

参加者のなかには、自身も聴覚障がい者で普段の生活で手話を使う人も参加するので、年代や手話を覚えた地域によって異なるさまざまな手話表現を学ぶことも可能。

かくいう私も、東北生まれで関東の特別支援学校で手話を使った学習指導をしてきた30代。岡山県をはじめとする中国地方出身の手話話者から、地域特有の手話表現を教えてもらえる絶好のチャンスの場です。

この日も、「紫」との表現が岡山県と関東地方では異なることに気付いて、会場が盛り上がりました。

岡山県で使われている「紫」の表現

岡山県で使われている「紫」の表現

東北や関東で使われ、辞書にも記載されている「紫」の表現

東北や関東で使われ、辞書にも記載されている「紫」の表現


手話学習初心者も、普段から手話を使う人も、ともに学び合えるサークル

取材した日は

  • 手話学習初心者 ・手話通訳者として、実際に活動している人
  • 手話学習歴20年以上のベテラン
  • 手話を生活言語とする手話話者

と、さまざまな立場の人が20人近くも参加。

単語の学習の後には、その日に学習した単語を使った短文を発表したり休憩時間に手話を使ってお喋りをしたりと、その日の学習単語以外にもさまざまな手話表現を目にしたり、表現したりする時間が設けられています。

普段から手話を使う人やベテランの手話学習者も「毎回学びがあって楽しい!」と足繁く通っているとのこと。

参加者たち


イベントの予定もたくさんありますよ

私が取材に行った日は学習日だったので、公民館の会議室での学びの時間でしたが、イベントの予定もあります。手話を使いながら、レクリエーションも楽しめるのは、良いですね。

現在予定されているイベントは以下のとおりです。

8月28日(木)スポーツ企画

9月25日(木)お月見企画

11月13日(木)遠足企画(倉敷美観地区)

上記以外は学習日ですが、毎月第一木曜日は会議などが入るそうなので初回は二週目以降の活動日に足を運ぶのがおススメです。


おわりに


きこえる手話学習者だけでなく、手話を普段から生活言語として使う手話話者も参加していることで、休憩時間も含めてサークルの時間内はみんなが手話を使っている姿が印象的でした。

もちろん、手話学習初心者に対しては音声でのフォローもあるので安心して参加してください。和気あいあいとしたなか、きこえる・きこえない、手話ができる・学習中……みんなが「話を理解しているか?」をていねいに確認しながら活動が進行していましたよ。

毎週木曜日10時から2時間ずつ。手話をはじめてみたい、手話で話す時間がほしいときの選択肢のひとつに、手話サークルにしあちを検討してみてはいかがでしょうか。


詳細情報


手話サークルにしあち

開催日時:毎週木曜日 午前10時~正午

開催場所:西阿知公民館

住所:岡山県倉敷市西阿知町1122-2

 

高石真梨子

聴覚障がいのある地域おこし協力隊ライター(倉敷市)
東北→九州→近畿→関東を経て、2023年12月に倉敷市地域おこし協力隊になりました。聴覚障がいのある補聴器ユーザーで、手話と日本語のバイリンガルです。障がいの有無にかかわらず、倉敷を旅して倉敷に住み続けたくなるような情報を発信していきます。


リンク先はYAHOO!JAPANニュースというサイトの記事になります。


 

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