1歳で“聴覚障害”と診断 野球から陸上に転向後も「最初は楽しくなかった…」デフリンピックの出場・活躍に期待 注目の短距離ランナー坂田翔悟選手(25)

1歳で“聴覚障害”と診断 野球から陸上に転向後も「最初は楽しくなかった…」デフリンピックの出場・活躍に期待 注目の短距離ランナー坂田翔悟選手(25)

2025年4月26日(土) 07:32
スポーツ

坂田翔悟選手


「デフリンピック」をご存じでしょうか?
【Deaf:デフ】とは、耳が聞こえないという意味の英語で、デフ、聴覚障害のある方の国際総合スポーツ大会は、パラリンピックのカテゴリーではなく「デフリンピック」として開催されているんです。

そのデフリンピックが今年の11月に東京で開催されますが、注目選手が愛知県刈谷市出身の坂田翔悟選手(25)です。

坂田翔吾選手は、去年台湾で行われたデフ陸上世界選手権男子4×100mリレーで日本代表の第一走者として出場。見事大会新記録に加え、デフ陸上世界新記録で金メダルに輝きました。ことし11月に東京で開催されるデフリンピックへの出場、活躍が期待される注目の単距離ランナーです。

(坂田翔吾選手)
「デフリンピックではメダルを取ることはもちろん目標だが、競技をやって終わりではなく、耳が聞こえない子どもたちに、自分もデフリンピックに出たいとか、希望や夢を与えられるように盛り上げていきたい」

こどもと一緒に記念撮影


「仕方なく入部した陸上部」その転機となったのが…


1歳の時に、聴覚障害があると診断を受けた坂田選手。

(母・いずみさん)
「補聴器を使ってもあまり音が聞こえないので、人工内耳にすることになった。言葉の面は苦労はしましたけど、他はそんなに」

坂田選手は小学5年生から中学校卒業まで、一般の公立学校に転入してまで野球にのめりこんでいましたが、大学に行くことを考え、ろう学校の高等部へ進学します。しかし、そこには野球部はありませんでした。

1歳の頃の写真
少年野球の頃の写真


(坂田選手)
「高校1年で仕方なく入部した陸上部は、楽しくなかった。毎日走るだけ」

そんな坂田選手の転機となったのは、その年、メンバーに入れず応援に行った全国大会のリレー種目で3年生の先輩が全国優勝を成し遂げた姿でした。

(坂田選手)
「自分も仲間と一緒にメダルを取りたい、バトンを一緒に受け渡して、繰り返し練習をしてみたいという思いが強くなった」

高校時代、陸上に取り組む

そこから真剣に陸上へ取り組んだ結果、大学4年の時には100mの自己ベストを10秒9へ更新。これをきっかけに日本代表にも選ばれ、おととしのアジア選手権、そして去年の世界選手権のリレーメンバーとして金メダルを獲得。日本を代表するデフアスリートとして注目される存在になりました。


交際相手が大きな支えに


現在は東京にあるイベント制作会社、セレスポに所属している坂田選手。その人柄で職場の皆さんから慕われています。

(会社の上司・佐々木悠子さん)
「実家から出てきたみたいな素朴な青年というあのまんま。みんなかわいがっています」

東京にあるイベント制作会社


そして、生活面では2年前から一緒に暮らしている、同じ愛知県出身で同い年の交際相手、堀田雪乃さん(25)が大きな支えとなっています。

(雪乃さん)「一番気を付けているのは食事」
(坂田選手)「卵焼きがおいしいと思う」

同じ愛知県出身で同い年の交際相手、堀田雪乃さん(25)と一緒に

Q.雪乃さんの料理は上手?
(坂田選手)「上手です」
(雪乃さん)「料理教室とか行ったことなくて、ひたすらSNSや料理本とか見て作ってみる」
(坂田選手)「本当に助かっています」

雪乃さんがそばにいる事で、離れて暮らす両親も心配はないようです。

(母・いずみさん)
「雪乃ちゃんのおかげだよね、ほんとに」

母・いずみさんと父・修久さん


それぞれの思いを背に…始まる挑戦

3月に出場した宮崎での記録会。追い風ではありましたが、今年最初のレースで10秒96とまずまずの結果を残した坂田選手。

(坂田選手)
「ことしのシーズン始めとしては、いいスタートを切れた」

3月に出場した宮崎での記録会

今週末と来月上旬に、デフリンピックの選考レースを控える坂田選手に周囲の期待も日に日に高まっています。

(会社上司・佐々木さん)「メラメラと闘争心が沸いているようには、一瞬見えないが、本気でやってくれるのではと思っている」


(母・いずみさん)「またさらに世界記録を更新して、金メダルを取ってほしい」

(父・修久さん)「試合とか見に行けていないので、頑張ってデフリンピックに出てもらって、家族みんなで見に行きたい」

(交際相手・雪乃さん)「一番はやっぱりけがをせず、走り切ってくれるということを応援しています」

スタート直前の坂田選手それぞれの思いを背に、坂田選手の挑戦が始まります。

(坂田選手)
「まずは、けがをせず4月5月の選考会に臨む。その後でデフリンピック(11月開催)に向けて改めて進めていきたい」


リンク先はCBC newsXというサイトの記事になります。


 

Back to blog

Leave a comment