2025年11月21日
日本で初めて開催されている聴覚障害者の国際大会、東京デフリンピックをきっかけに、レガシーをどう残すのかも注目されています。
会場では、デフスポーツや聴覚障害者への理解を深めてもらうため、コミュニケーションに役立つアプリの導入や子どもたちの大会参加の取り組みが進んでいます。
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技術の普及をレガシーに

東京デフリンピックのレガシーとして期待されていることの1つが、新たなコミュニケーション技術の普及です。
これまでもスマートフォンやタブレットで利用できる音声認識アプリが開発されてきましたが、大会の運営に活用することでさらなる普及につなげようとしています。
競技会場では、受付などに音声をリアルタイムに認識して文字起こしができるアプリが入ったタブレットが配備され、ボランティアの人たちが聴覚障害者や外国人を案内する際に活用しています。
ボランティアの女性
”しゃべった言葉が即座に文字起こしされるので、ろう者の方を案内するのに大変便利です。”
システムを開発したメーカー 保坂龍彦さん
「システムを使ってもらって、大会を機に聴覚障害者にどうやって配慮していこうかと考えるきっかけにしてほしい」
理解促進をレガシーに

一方、大会のレガシーとして若い人たちの聴覚障害者への理解につなげようと、子どもたちの大会参加の取り組みも行われています。
世田谷区の駒沢オリンピック公園総合運動場の体育館では、バレーボール男子の日本対アメリカの試合前に、都立大塚ろう学校の児童28人が選手とともに入場する「エスコートキッズ」としてコートに登場し、ハイタッチで両チームの選手たちを激励しました。
このあと、試合を観戦し、「がんばれ」や「メダルをつかめ」などといった応援メッセージを書いた手作りのカードを掲げたほか、聞こえない選手に対して応援を届けるために作られた見える形の応援、サインエールで試合を盛り上げました。

エスコートキッズを務めた ろう学校の6年生の女子児童
「すごく緊張しました。よい1日になったと思うし、初めてスポーツ観戦をした日なのでよかったです」
小学4年 男子児童
「デフの選手に届けという思いでサインエールを送りました。世界には耳が聞こえない人がたくさんいることを知って、耳が聞こえない人にも優しくできるようになりたい」
大会での交流は
東京都は大会期間中に、ろう学校などを含む都内の小中学校と高校あわせて440校、およそ5万人の児童・生徒を競技の観戦やイベントに招待する計画です。

東京都スポーツ推進本部 酒井祐太郎担当課長
「実際に会場でデフアスリートのすごさや会場の熱気を思い出に残してもらって、今後社会の中でいろんな人たちが生きているんだということを理解してもらえたら」
大会の準備運営本部によりますと東京デフリンピックの観戦に訪れた人の数は、大会5日目の19日までに期間中の目標だった10万人をすでに超えていて、大会への高い関心がレガシーにつながるか注目されています。
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