公開日:2025/07/25 06:00 更新日:2025/07/25 06:00

写真はイメージ
近年、補聴器の小型化が進みました。違和感なくつけられるのはいいのですが、一方で、紛失してしまう人が増えました。補聴器は比較的高額ということもあって、買い直さず、結局は耳の聞こえない前の生活に戻ってしまう人が少なからずいます。
紛失しやすくする要因として、主に2つのことが挙げられます。
まずは、人と会う時やテレビを見るときだけつけるなど、一日の間に何度も補聴器をつけたり外したりすること。そのうち外したものをどこに置いたか忘れてしまい、結局はなくしてしまいます。そもそも補聴器は朝起きてから寝るまでの間、一日中つけておく方がよく、それにより耳に入る音が一定し、脳が混乱することがないため聞こえが安定します。
次に、補聴器が耳にしっかりフィットしていないこと。
私が接したお客さまで、補聴器からピーピーとハウリング音がして周りの人に迷惑がかかるから補聴器を外して欲しいと言われ、補聴器を外した生活を送っている間になくしてしまったというケースがありました。
ハウリングは耳に入れるイヤモールドなどの耳栓部分が合っていないことが原因で起こるものです。イヤモールドはその人の耳の形に合わせて作るのですが、この人の場合は加齢や体重の変化により、耳の穴の形が変わり耳の穴とイヤモールドの間に隙間ができ、ハウリングしてしまっていたのでした。耳型をとり、新しいイヤモールドを作製すると、ハウリングはなくなりよく聞こえるようになりました。そのほかにも、フィットしてない耳栓で補聴器をつけていると外れやすくなり、紛失の危険性が高まります。
いずれのケースも、自分の耳に合った補聴器を購入することで避けられます。数百種類ある補聴器から自分で選び出すのは困難ですので、ぜひ認定補聴器技能者を頼ってください。聴力・手の器用さ・生活・耳の状態などに合わせ、「紛失しにくさ」も考慮し、ベストの補聴器を提案してくれるはずです。
紛失に関してもう一点、伝えたいことがあります。今年に入り、日本でも大きなシェアを持つ世界のトップメーカー2社が紛失補償を充実させたのです。
これまでは100万円を超すような補聴器に対してだけだったのが、一番下のクラス(10万円台)の器種にも紛失補償がつくようになりました。気になる方は購入するときのメーカー選びの目安にしてはいかがでしょうか。=つづく
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