新・Watcher 中国テックジャイアント
2025年03月12日
朱 真明 匠新(ジャンシン) - 創新加速事業部 アソシエイトディレクター/アナリスト
齋藤 慶太 匠新(ジャンシン) - 創新加速事業部 マネージャー/アナリスト
説田 莉子 匠新(ジャンシン)創新加速事業部 シニアアソシエイト/アナリスト
中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)は2025年2月20日、「AI手話プラットフォーム」と「双方向手話翻訳機」の最新の成果を発表した。天津理工大学および聴覚障がい者向けのバリアフリーコミュニケーションツールを開発する中国企業の鯨言科技(ジンイェン)と共同開発している。AIによるリアルタイム認識と翻訳技術を活用し、手話を知らない人でも手話を使う人とスムーズに会話できる仕組みを実現している。

百度(バイドゥ)が成果を発表した「双方向手話翻訳機」(画像はバイドゥのニュースリリースから)
中国における手話翻訳の社会的ニーズ
中国で実施された第2回全国障がい者サンプル調査によれば、中国には約2004万人の聴覚障害者が存在し、世界で最も聴覚障害者の多い国である。しかし、オンライン・オフラインを問わず、聴覚障害者を支援するサービスや設備はほとんど整備されていないのが現状だ。
また、中国語の手話通訳を専門職として従事する人口規模は1000人未満で、約97%の聴覚障害者が手話通訳の不足により医療機関での診療で困難を抱えているとされる。
手話は、多くの聴覚障害者にとって第1言語である。しかし、手話は視覚を使って意味を伝える言語であり、健常者が使う音声言語(話し言葉)とは根本的に異なる。この違いにより、聴覚障害者は視覚的な情報を中心に物事を考えることが多く、音声を使って考える健常者とは異なる思考の仕方をする。そのため、聴覚障害者は、音声言語を理解するのが難しい場合が少なくない。
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