2025/11/18 11:08
荒井秀一
聴覚障害者による国際スポーツ大会「デフリンピック東京大会」(読売新聞社協賛)は第3日の17日、柔道で男女各4階級が行われ、男子は81キロ級の深沢優斗(SUBARU)、90キロ級の 水掫もんどり 瑞紀(東海大)、100キロ級の高橋朋希(ジール)が初出場でそろって銅メダルを獲得した。女子も初出場の70キロ級、衣川暁(日本ろう福音協会)が3位に入った。
大学同期の高橋・深沢、喜び分かち合う
男子100キロ級の3位決定戦でウクライナの選手(上)を破って銅メダルの高橋朋希
日本勢の最後に登場した100キロ級の高橋が3位決定戦で銅メダルを決めると、81キロ級で先に銅を獲得した深沢が「おめでとう!」と祝福したという。28歳の2人は同じ関東学園大柔道部の出身。初挑戦のデフリンピックでともに結果を残し、喜びを分かち合った。

男子81キロ級で銅メダルを獲得した深沢優斗(左)
2人は、大学時代の監督だった竹沢稔裕・日本代表コーチ(現順大監督)に誘われ、デフ柔道を始めた。竹沢コーチはデフの仕事に携わることになった際、教え子に難聴の選手が2人いたことを思い出し、「輝ける場所を作ってあげたい」と、まず高橋に声をかけた。高橋は昨年の世界ろう者選手権で3位に入り、すぐに頭角を現す。深沢も高橋の後を追うようにデフ柔道をスタート。本格的に柔道に打ち込むのは久しぶりだったが、大会に向け、急ピッチで仕上げた。
高橋は「準決勝で負けてしまったけど、3位決定戦があると切り替えた」。深沢も「何とかメダルを持ち帰りたいという気持ちだった」とホッとした表情を浮かべた。竹沢コーチは「まだ、銀と金が残っている。これからもやってくれると思う」。2人の教え子が日本のデフ柔道の軸としてさらに輝くことを期待した。(荒井秀一)
水掫瑞紀 「準決勝で負けてしまったのはとても悔しいけれど、無事に3位をとることができて今はうれしい気持ちでいっぱい」
衣川暁 「今までで一番うれしい。気持ちで負けないことを大切にして戦えたことが、今日の結果につながった」
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