踊るあほう、手話で一つに…指文字使い「ヤットサー」のかけ声、デフリンピックをPRも…23日開幕の高円寺阿波おどり

踊るあほう、手話で一つに…指文字使い「ヤットサー」のかけ声、デフリンピックをPRも…23日開幕の高円寺阿波おどり

2025/08/21 05:00

「や」の指文字を作って動きを合わせる猪股さん(前列左)ら(いずれも17日、杉並区で)

「や」の指文字を作って動きを合わせる猪股さん(前列左)ら(いずれも17日、杉並区で)


 東京の夏を彩る「第66回東京高円寺阿波おどり」(NPO法人東京高円寺阿波おどり振興協会など主催、読売新聞東京本社など後援)が23日に開幕する。例年以上に情熱を燃やすのは、聴覚障害を持つ踊り手たち。11月に開催を控えた聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック東京大会」を手話を交えた踊りでアピールしようと、練習に熱を入れている。(石沢達洋)

 「ヤットサー」「ヤットヤット」――。17日夜、杉並区の劇場「座・高円寺」のホールに集まった「たつのおとし子連」のメンバーが、笛や太鼓の音色が響く中、掛け声に合わせて振り付けや隊列の動きを入念に確認していた。

 メンバー75人のうち約2割が聴覚障害を抱えているが、全員が動きを合わせられるよう手話を振り付けの一部に取り入れている。「ヤットサー」と声をかける際は、親指と小指を立てて指文字の「や」を作り、リズムを取る。副連長で聴覚障害を持つ猪股恵さん(55)は「指文字は聞こえる人も聞こえない人も気持ちを一つにするサインです」と話す。

 たつのおとし子連は1981年、区聴覚障害者協会や地元の手話サークルのメンバーで結成された。猪股さんは約25年前、同じく耳が不自由な友人に誘われて参加。補聴器を付けても音を聞き取れないため、太鼓の振動でリズムを感じ取り、体で踊りを覚えていったという。「障害の有無や年齢に関係なく楽しめるのが阿波おどり」と魅力を語る。

 連では毎年、踊りの中で手話を使った歌を披露している。1924年にパリで始まったデフリンピックが国内で開催されるのは今回が初めてだ。メンバーは手話とともに「デフリンピック100周年 手話でつながる世界の輪」と歌いながら、沿道の観客にアピールする予定だ。

 今年初めて参加する古賀夕愛さん(26)は、人工内耳と補聴器で大きな太鼓の音を聞きリズムを取りながら、練習に励んでいる。ボランティアとしてデフリンピック東京大会にも参加する予定といい、「大会が成功してほしいという気持ちを込めて踊ります」と意気込んでいる。

 東京高円寺阿波おどりは23、24両日、JR高円寺駅(杉並区)周辺で行われる。2日間で延べ158連、約9600人が8会場で踊り歩く。

 会場周辺では飲食を楽しめる屋台が並び、公式グッズの販売も行われる。高円寺駅の南北にそれぞれ総合案内所が設けられるほか、高円寺中央公園では読売新聞が出店し、阿波おどりの本場・徳島県のすだちを使ったビールやサワーを販売する。

 会場周辺の道路は午後4時10分~午後8時半に交通規制される。詳細は主催団体のホームページで確認できる。

会場地図


リンク先は讀賣新聞オンラインというサイトの記事になります。


 

Back to blog

Leave a comment