NON STYLE石田明に聞く「ローワライ」の魅力「この2人はホントに売れるコンビだと思う」 「ローワライ」雪野朝哉が直撃3

NON STYLE石田明に聞く「ローワライ」の魅力「この2人はホントに売れるコンビだと思う」 「ローワライ」雪野朝哉が直撃3

「ローワライ」雪野朝哉が直撃3

ヤングマガジン編集部
プロフィール
2008年のM-1グランプリ王者であり、今も第一線を走り続ける実力派コンビ・NON STYLEの石田明さん。NSC(吉本総合芸能学院)でも講師を務め、自身のYouTubeチャンネルでお笑い分析トークも鋭く、理論的にお笑いを解析し続けています。Xで20万以上の“いいね”を獲得した漫画『ローワライ』の作者・雪野朝哉さんは、「聾とお笑い」を組み合わせたこの漫画を描くためにお笑いを大研究。石田さんの動画も多く見ていたといいます。

『ローワライ』は聴覚障害者の平里(ひらり)と、聴覚健常者の嶋が大学で出会い、お笑いコンビ「ローワライ」を結成し、漫才の頂点を目指す物語。第92回ちばてつや賞の優秀新人賞を受賞してXに投稿されたところ、大評判となり、2026年1月26日発売号から『ヤングマガジン』本誌で連載がスタート。この号にはXでも話題となった1話と書き下ろしの2話が掲載され、グラビアページには石田さんと雪野さんの対談が掲載されました。

NON STYLE石田明さん(写真左)と「ローワライ」作者の雪野朝哉さん

NON STYLE石田明さん(写真左)と「ローワライ」作者の雪野朝哉さん

漫画の1ページ©雪野朝哉/「ローワライ」/講談社「ヤングマガジン」

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石田明さんは、緻密に計算された漫才で知られており、雪野さんも漫才研究のために動画を何度も観ています。作品のためにお笑いを徹底的に研究した雪野さんと、自著『答え合わせ』(マガジンハウス刊)の帯に「生粋の漫才オタク」と書かれている石田さんが、“笑い”の深淵に迫る対談はとても誌面に収まり切れず、特別にFRaUwebにて構成も変えているロングバージョンを掲載することに! 

書影「石田明自著『答え合わせ』(マガジンハウス刊)」

1回目は石田さんのお笑い分析、2回目はバラエティ番組の背景について具体的に分析。対談最終回は、漫画と「ローワライ」の二人についてより深く掘り下げます。

「「ローワライ」雪野朝哉がNon Style石田明に直撃」 

第1回「NON STYLE石田明に聞く「浜田雅功・ブラマヨ小杉・フットボールアワー後藤」の共通点。絶対真似できないもの」はこちら 

第2回 「NON STYLE石田明に聞くバラエティのお笑い。「麒麟の川島さんがボケに回りたい時、俺突っ込みしていきます」」はこちら


単純に「すごい漫画だ」と思いました


編集:石田さんは1回目で『ローワライ』を面白いと言ってくださいました。その理由をもっと詳しく教えてください。

石田明(以下、石田):ローワライは耳が聞こえず話すこともできない平里が、相方の嶋とともに漫才の頂点を目指す物語です。だから2人の掛け合いは事前に準備したフリップボードで行います。初めて読んだ時に、単純に「すごい漫画だ」と思いました。

実際にフリップを使った漫才って、相当難しいんですよ。なぜなら、文字を読むスピードが、人によって異なるから。笑いに時差が出ちゃうんですよね。しかし、漫画は、お客さん(読者)は一人です。その人のペースで文字を読み、物語を楽しむことができる。だから、漫画というメディアと、フリップを使った漫才は、とてもマッチしています。それにローワライはお笑いとしても面白い。

NON STYLE石田明さん

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雪野:ありがとうございます。ずっと私の中に「漫画という媒体が最適解で出力されるような漫画作品にしたい」という構想がありました。漫画には音がないので、主人公は音が聞こえない聾唖者がいいのではないかと思ったのです。

石田:なるほど。だからフリップが生きる。あと、細いところの描写がリアルなのもいいですね。ローワライの1話には滝音(お笑いコンビ、キングオブコント2020ファイナリスト)が出ていて「お前出てるぞ!」って話しました(笑)

雪野:読み込んでいただき嬉しいです。最初、滝音のおふたりも、背景のよしもと漫才劇場もしっかり描いていました。でも、校了で「権利処理の問題がある」と修正したのです。

石田:いや、どっからどう見ても滝音でしたし、漫才劇場でしたよ(笑)。

漫画の1ページ©雪野朝哉/「ローワライ」/講談社「ヤングマガジン」

©雪野朝哉/「ローワライ」/講談社「ヤングマガジン」


ローワライのふたりが実際立つことはできるか?

編集:劇場は特にリアルですよね。実際、平里と嶋があの舞台に立ち、漫才をするのは、難しいのでしょうか。

石田:まず、読むスピードの個人差が大きな問題になると思います。大喜利を見ていると、お客さんに読ませる前に、演者が答えを言っていることが多いですよね。大勢いるお客さんに理解してもらったり、笑いのタイミングを合わせるのは、やはり音(声)なんです。

雪野: 漫画ではフリップの左側にツッコミのセリフがあるから、ペースを乱さずに読めます。

石田ローワライは、漫画の世界で才能を発揮する漫才師だと思います。

NON STYLE石田明さん(写真左)と「ローワライ」作者の雪野朝哉さん

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雪野:だから描きながら、実写化は無理だろうとも思っていたんです。

石田:でも彼らは動きや表情も面白いじゃないですか。ストレートに笑いを取れると思うんですよ。現実に平里と嶋が、僕のところにネタ見せに来たら、厳しいアドバイスをしますよ。嶋には「相方(平里)がフリップをめくるのを待ってんでしょ? そのこと、気にならへんかな?」って言う。そして、「先めくったりとか奪ったりとかせえへんの?」って。そうしないと、嶋は平里を面白く見せるためのサクラになってしまうので。

漫画の1ページ©雪野朝哉/「ローワライ」/講談社「ヤングマガジン」

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雪野: 嶋は平里がボケるのを待って、ツッコミをしていますね。


僕が前提としている漫才から外れていいんです

石田
:ただこのアドバイスは、僕が前提としている漫才であり、当然、そこから外れていい。前提や常識から外れた部分を磨き、貫き通した人が、その開拓者になり、革命を起こす。例えば、今の漫才の常識は、ボケがレベル5くらいでボケたら、ツッコミはレベル4か6程度がいいとされています。ちょっと上げるか、下げる。もしくは、カックンとレベル1ぐらいまで落とすと当たりやすい。

皆がこの常識の範囲内でやっていましたが、これを全部取り払ったのが、ピン芸人・おいでやす小田さん。彼はレベル1のボケに対しても、レベル10でツッコミます。周りは「ツッコミすぎや!」と思っていたのに、気がつけば皆あれが欲しくなっている。

おいでやす小田さんは、ツッコミつつ「常識への裏切り」というボケをしてるんです。お客さんは「なんでこんなにむきになってツッコミしてんだ?」というボケに笑っている。

雪野:それは、漫才自体に確立されたフォームがあるからできることですよね。

石田タブーとされていることや「普通やったらありえへん」というところに、新しいものができていくんです。

NON STYLE石田明さん
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雪野:ローワライもフリップ漫才をやり続けたら、開拓者になれるでしょうか。

石田:なれますよ。漫才も場数を踏むほど発展していきます。今は事前に用意したフリップですが、やり続けるうちに違う表現の仕方ができるようになるんですよ。

雪野なんだか今後の方向性がちょっと見えてきました。なんか講義を受けてるような感じ。あ〜やった!ちょっとテンションが上がってます。

石田:いけそうですか?

雪野: いけそうですね!

石田もともといけてたでしょ!!(笑)

雪野:今回お話しして、ちょっと展望が見えてきました。とりあえずその時点で出せる全力で描いていきます。

石田:じゃあ次回は、ネタの作りかたを話しましょうか。

全員:聞きたい! ぜひ、よろしくお願いします。

笑いを分析する、石田“教授”とローワライのためにお笑いの研究を続ける雪野さんによる、“生”で生まれるお笑い分析トーク最終回でした。雪野さんのローワライは『ヤングマガジン』で連載中です。この対談が、平里と嶋の成長にどう生きてくるのでしょうか。今後の展開が楽しみです。

NON STYLE石田明さん

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お笑いコンビ・NON STYLE 石田明(ノンスタイル・いしだ あきら)   

1980年大阪府大阪市出身。中学時代に出会った井上裕介と2000年5月にコンビ結成。神戸・三宮でのストリート漫才で人気を博し、オーディションに合格してプロデビュー。2006年「第35回上方お笑い大賞」最優秀新人賞受賞、「第21回NHK新人演芸大賞」演芸部門大賞受賞、2007年、NHK「爆笑オンエアバトル」9 代目チャンピオン、2008年「M-1グランプリ2008」優勝など、数々のタイトルを獲得。2012年、2013年、2年連続で「THE MANZAI」決勝進出。「M-1グランプリ2015」では決勝の審査員を、「M-1グランプリ2023」では敗者復活戦の審査員を務めた。2021年から、NSC(吉本総合芸能学院)の講師を務め、年間1200人以上に授業を行っている。テレビドラマ、舞台でも活躍。 YouTubeチャンネル「NON STYLE石田明のよい~んチャンネル」も人気。著書『答え合わせ』 (マガジンハウス新書)はベストセラーに。

書影「答え合わせ (マガジンハウス新書) 新書 – 2024/10/31 石田明 (著)」


漫画家・雪野朝哉(ゆきのあした)    
  
北海道出身、社会人を経て漫画家へ。2023年に『ひまわり』、2024年に『マイダンス』『残心』を発表。2025年『ローワライ』で、第92回ちばてつや賞 優秀新人賞を受賞しデビュー。好物は羊肉。1月26日発売の「週刊ヤングマガジン」から『ローワライ』連載がスタートした。


「「ローワライ」雪野朝哉がNon Style石田明に直撃」 

第1回「NON STYLE石田明に聞く「浜田雅功・ブラマヨ小杉・フットボールアワー後藤」の共通点。絶対真似できないもの」はこちら 

第2回 「NON STYLE石田明に聞くバラエティのお笑い。「麒麟の川島さんがボケに回りたい時、俺突っ込みしていきます」」はこちら


雪野朝哉さんロングインタビュー  

1)デビュー前からXで20万いいね!「ローワライ」の覆面漫画家・雪野朝哉の「素顔」  
2)20万いいね「ローワライ」漫画家・雪野朝哉に聞く「ろう者とのやり取りが漫才になる」理由  

「ローワライ」1話無料試し読み  

耳が聞こえなくても漫才ができるのか。Xで20万いいね!雪野朝哉「ローワライ」の力


リンク先はFRaUというサイトの記事になります。


 

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