「きつ音」への理解を 学園祭で1日限定「注文に時間のかかるカフェ」オープン(島根・浜田市)

「きつ音」への理解を 学園祭で1日限定「注文に時間のかかるカフェ」オープン(島根・浜田市)

浜田市で開かれた学園祭で、1日限定のカフェが開店しました。

その名も「注文に時間がかかるカフェ」。

夢の実現のために、勇気を持ってこのカフェを開いた、学生の思いを取材しました。

浜田市のリハビリテーションカレッジ島根の学園祭。

ここに出店として登場したのが。

担当者:
「注文に時間がかかるカフェのスタッフは全員きつ音者です。対応は人それぞれですが、一般的なものを紹介します。」

「注文に時間がかかるカフェ」です。

カフェのスタッフは、言葉が滑らかに出てこない「きつ音」がある人たちです。

注文に時間がかかるカフェ 主催 竹田千笑さん:
「笑顔が絶えないカフェにして、きつ音を知ってもらうきっかけになったらいいなと思います」

この学校の学生で、カフェを主催した竹田千笑さん、19歳。

一見、滞りなく接客する竹田さんも、小学校からきつ音に悩まされてきました。

注文に時間がかかるカフェ 主催 竹田千笑さん:
「小学校や高校でからかわれたりした。(今は)話すときはずっと頭の中で言いにくい言葉が出そうになったら変換するとか、同じ意味でも言いやすい言葉に変えたりとか、話すタイミングを少しずらして不自然にならないように自分で間を取って、いいやすいようにパッと言うとかしています」

きつ音の症状は大まかに3パターン。

「あ、あ、あした」と、同じ言葉を連続で発してしまう「連発」。

「あーーした」と最初の言葉を伸ばしてしまう「伸発」。

言葉に詰まってなかなか言葉がでない「難発」。

難発と連発の症状がある竹田さんは、トレーニングなどで症状が改善しましたが、今でも間が空いたり、思った発音にならないことがあるといいます。

竹田さんがこの学校に進学したのは、きつ音に悩まされた経験からでした。

山陰で唯一、言語聴覚学科のあるリハビリテーションカレッジ島根。

竹田さんは将来、自分と同じようにきつ音で悩む人をサポートするため、言語聴覚士を目指してこの学校で勉強しています。

その将来の夢への経験として開いたのが今回のカフェ。

クラウドファンディングでお金を集め、事前の準備から当日の設営からまで自分たちだけで行ってきました。

そして迎えた学園祭当日。

注文に時間がかかるカフェ 主催 竹田千笑さん:
「8割くらい楽しいです。2割は緊張してます。まだ」

提供する商品はすべて無料。
接客へのハードルを下げるためです。

早速、お客さんがやってきました。

ゆっくりと言葉を紡ぎ出す竹田さん。

徐々に慣れてきたのか、お客さんと積極的にコミュニケーションを取ります。

来店した人:
「普通の人とほとんど同じなので、接客とかされてるのが、普通の人でも緊張したりするのに、普通に接客をしてもらったので、こっちも普通の人と同じ感じで接せたのでよかったです」

想定を上回る129人が訪れ、カフェは大成功。

注文に時間がかかるカフェ 主催 竹田千笑さん:
「皆さん本当にすごい優しくて、こちらがきつ音が出たりしても、うんうんって聞いてくださって、落ち着いて話すことができました。このカフェにきてくれたお客様に「勇気をもらった」とか、お子さんにきつ音がある人とかが来られて、こういう接し方をしたらいいんだねとか、言ってもらって、世間が正しい理解を得られるように頑張りたいなって改めて思いました」

吃音への正しい理解を。

勇気を出してカフェを開催した竹田さん。

将来の夢に向けて大きな自信になったようです。

リンク先はFNNプライムオンラインというサイトの記事になります。

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