一生懸命な手話は俺のため?…難聴の学生と俳優の学生が急接近する様子に「たまらん」「最高」の声【漫画】

一生懸命な手話は俺のため?…難聴の学生と俳優の学生が急接近する様子に「たまらん」「最高」の声【漫画】

2025/06/18 18:40

『カメレオンはてのひらに恋をする。』より『その一生懸命な手話は 俺のため?』の一コマ

『カメレオンはてのひらに恋をする。』が話題(c)Rinteku/SQUARE ENIX


コミックの映像化や、小説のコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、マンガUP!にて連載されている、厘てくさんが描くBL漫画『カメレオンはてのひらに恋をする。』より『その一生懸命な手話は 俺のため?』をピックアップ。

厘てくさんが4月22日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、5,000件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、厘てくさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。


想いが加速する夏休みの1日

『カメレオンはてのひらに恋をする。』より『その一生懸命な手話は 俺のため?』の一コマ

『カメレオンはてのひらに恋をする。』(9/37)(c)Rinteku/SQUARE ENIX


大学生で俳優の藤永と、同じ大学の後輩で先天性難聴のケイトは、夏休みに表参道のカフェに来ていた。

待ち合わせ時にマスクをしていた藤永は、ケイトは口元が隠れてしまうと何を言っているかわからないんだ、と改めて確認。それに対し、ケイトは男であれば喉仏があるから“何か言っているんだ”ということはわかると言い、藤永の喉仏に触れる。ケイトにふいに触れられドキドキしてしまう藤永。

カフェを出た二人はケイトの希望で図書館へ。ケイトが読み聞かせ用の絵本を選んでいると、藤永が自身の手話の上達具合について聞いてくる。会話をしていく中で、ケイトが藤永の口元が見えずに何を言っているかわからなかったとしても、彼は諦めずに何度も「伝わる」まで話してくれる、と思うケイト。そして

「その一生懸命な手話は俺のため?」

と思うのだった。

表参道からの帰路、電車の中で「恋人がいるか」「ろう者との恋愛をどう考えるか」などを話す二人。

「ケイトなら構わないよ」

と手話で言った藤永に驚き、持っていたスマホを落とすケイト。その時突然、ゲリラ豪雨が原因で電車が停電に。暗闇の中、難聴のケイトは不安になっていたが、スマホに「大丈夫か?」と表示した藤永が目の前にしゃがんできて…。

作品を読んだ読者からは、「一生懸命伝え合うふたりが可愛くて大好き」「伝えるって相手の言葉を受け取るってこういうことだよな」など、反響の声が多く寄せられている。


作者・厘てくさん「ようやく「恋愛」として輪郭が整う内容…」

『カメレオンはてのひらに恋をする。』より『その一生懸命な手話は 俺のため?』の一コマ

『カメレオンはてのひらに恋をする。』(37/37)(c)Rinteku/SQUARE ENIX

――『カメレオンはてのひらに恋をする。』は、難聴の大学生・ケイトと俳優の大学生・藤永との物語ですが、キャラクターはどのように生み出されたのかお教えください。

ケイトは初期から見た目や性格が決まっていました。

外見や生い立ちにまったく共通点がなかろうとも、主人公2人の持ち合わせる悩みやマイノリティがどこかで紐付き、「この人を探していた」と言えるほどの説得力のある関係が理想でした。

最終的に藤永が俳優になったのは、担当さんの発案もありつつ…「それだ!」と決まったような気がします。

――ハンディキャップを持つキャラクターを描く上で、大切にしていることや苦労した点などがあればお教えください。

藤永は、ケイトの聴力について彼が生まれつき「持っていない•欠けている性質」として着目していません。

なぜならば、ケイトは聴こえないことで聴力に代わる多くの性質や能力を持ち合わせており、藤永はそちらに着目しているからです。聴こえる自分にとっては逆立ちしても真似することのできない、目覚ましい能力だと感じています。

今作を読んだ方がどのように感じるかは人それぞれかもしれませんが、「ハンディキャップものなのに暗い話じゃなかった」とおっしゃる読者さんが多いのは「ハンディキャップを持っているキャラクターを、心の底から尊敬しているキャラクターがいる」からかもしれません。

なので、この質問に限定したかぎりでは藤永を大切に描いています。

――X(旧Twitter)に投稿された『その一生懸命な手話は 俺のため?』のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

出会ってから互いに芽生え始めた「この人はなんだか他の人と違うぞ」くらいの感情が、このお話の中でようやく「恋愛」として輪郭が整う内容です。

その象徴(?)として初のキスシーンがあるので、描いていて「きたきた」と思うくらいにはテンションが上がりました。

――厘てくさんは普段作品を描かれる際、ストーリーや展開はどのようなところから着想を得ているのでしょうか。

漫画を描くうえで私が一番楽しくて、尚且つ一番悩むのが人の心の機微なので、漫画、小説、映像作品、もちろん現実世界においても自分がまだ知らない「他人やキャラクターの感情」を浴び続けよう!と意識はしています。人間の細やかな感情のほとんどに私は出会っていないなぁと日頃感じるので…。

そういった他人への興味から創作の着想につながっていくのかもしれません。

――『カメレオンはてのひらに恋をする。』のコミックス第3巻が、2025年4月に発売されましたが、ずばり見どころをお教えください。

第3巻では、3の質問でお答えした「恋愛の輪郭」みたいなものをケイトと藤永が慎重に、そして大切に育み始めます。大切にするがゆえに噛み合わなかったりする、彼ららしい恋愛が見どころです。

また、お互いを知ることによって、2人を取り巻くキャラクターたちがぐっと増えて物語を盛り上げてくれると思っているので(実際に盛り上げるのは私なんですが)ぜひそちらにも注目してみてください。

――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

こんにちは、厘てくと申します。『カメレオンは手のひらに恋をする。』を楽しみにしてくださってどうもありがとうございます!

そしてこちらの記事を読んでくださってありがとうございました。

ケイトのお話と藤永のお話に加えて、優しく混ざり始めたふたりのお話が始まりました。どうぞこの先もカメ恋をよろしくお願いします!


リンク先はWEBザテレビジョンというサイトの記事になります。


 

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