TOP>ニュース>佳子さまの「強い目力」! 緊張した子どもらに、コクンとうなずき励まし続けた「手話スピーチ大会」でのお姉さんらしさ
佳子さま 2024/08/25/ 09:00
永井貴子
「全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」で、手話であいさつする秋篠宮家の次女佳子さま。佳子さまの手話は、はっきりとした型でわかりやすいと専門家=2024年8月18日、東京都千代田区
秋篠宮家の次女佳子さまは8月18日、都内で開かれた「全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席した。全日本ろうあ連盟で非常勤の嘱託職員として勤務している佳子さまは、動きが滑らかで美しく、何より表情豊かな手話を披露し、参加者を激励。そして、出場者に対する佳子さまの優しさが伝わる場面もあった。
壇上の佳子さまは眉を寄せ、すこし厳しい表情をみせた。
おことばの中盤で、被災時における手話の大切さを訴えたときだ。能登半島地震で被災した耳が不自由な人が、手話による情報提供や会話で安心できたエピソードを紹介し、
「手話を含むさまざまな言語、聞こえないこと、聞こえにくいこと、自分とは異なる背景や状況に対する理解が深まることを願っています」
と伝えた。
佳子さまの公務で印象的なのは、会う人びとを励まし、その場の空気を前向きにする明るさだ。
この日も、おことばを手話で述べながら、会場に座るコンテスト出場者の高校生たちに何度も視線を送り、
「高校生のみなさまは、自分の経験や思いを振り返り、考えをまとめ、伝えることに悩み、工夫をしながら準備をしたと思います。練習の成果を存分に発揮できるよう、応援しています」
と、この日のためにかけた努力を思いやりながら、励ました。
応援するように、コクン
コンテストが始まると、佳子さまをはじめ審査員は、会場の席から出場者の手話スピーチを見守る。佳子さまはこの日も、出場者が手話スピーチを終えると誰よりも早く両手を高く上げて、手首を回す手話の拍手を笑顔で送っていた。
佳子さまの優しさが伝わる場面があった。壇上に立った出場者のひとりが、緊張のあまり、手話スピーチが止まってしまったのだ。
その生徒は内容を思い出しながら、ゆっくりと手話と言葉を再開する。佳子さまはその様子をじっと見つめ、ひと言出るたびに「いいよ、がんばって」と応援するようにコクン、コクンと大きくうなずき、大きな目で見守っていた。
会場の来場者は、そのときの様子をこう振り返る。
「まるで姉のように、佳子さまは子どもたちの挑戦を見守ってくださっていた。彼らを励ますときの目力の強さが印象的でした」
鳥取県で開催された「第2回全国高校生手話パフォーマンス甲子園」。佳子さまはこのとき、初めて手話をまじえたあいさつをした=2015年9月、鳥取県
雰囲気を手話に乗せる
佳子さまは、手話関連の公務のキャリアも長い。
2014年には、母の紀子さまと聴覚障害者教育福祉協会が主催する「聴覚障害児を育てたお母さんをたたえる会」に出席。この時期には手話の勉強を始めている。
その後、高校生が手話の表現力を競う「全国高校生手話パフォーマンス甲子園」、聴覚障害のある選手の陸上競技大会「日本デフ陸上競技選手権大会」などにも出席。現在は、全日本ろうあ連盟で非常勤嘱託職員として勤務している。
23年に南米ペルーを、今年5月にギリシャを訪問した際には、聴覚障害の子どもらと手話で交流をしている。
「佳子さまの手話ははっきりと、わかりやすい。それは、伸ばすものは伸ばす、指を曲げるものは曲げるなど、基本的な手の形がはっきりしているうえに力強さがあるため、動作が滑らかで相手に伝わりやすいのです」
そう話すのは、佳子さまと長年にわたって面識のある、聴覚障害団体の関係者だ。
そして佳子さまの手話のもうひとつのポイントは、表情の豊さだという。
「手話は、手だけで表現するものだと誤解されがちですが、表情豊かに顔や身体を使い、話の場面や空気感を伝えることも、とても大切なのです。佳子さまは、楽しいとき、柔らかいとき、厳しいときと、それぞれの雰囲気を手と表情に乗せることができるのです」
濃淡をつけて手話で話を盛り上げるのも上手い。それが、佳子さまの手話の滑らかさや動きの美しさにもつながっているのだという。
この日、佳子さまがコンテスト会場に入る際、外にいた人たちに向かって車の中から手話であいさつをするような仕草を見せた動画が、SNSに投稿されていた。佳子さまのライフワークとしての思いの強さが伝わってくるようだ。
(AERA dot.編集部・永井貴子)
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