制服はまるでサンドペーパー…「感覚過敏研究所」を12歳で立ち上げた加藤路瑛が目指す社会とは

制服はまるでサンドペーパー…「感覚過敏研究所」を12歳で立ち上げた加藤路瑛が目指す社会とは

光、音、におい、肌触りなど、私たちを取り巻くさまざまな“刺激が原因となって引き起こされる「感覚過敏」――。

不登校などの原因のひとつともされ、いま、壮絶な実態が明らかになりつつなるこの「感覚過敏」について、当事者でありながら「感覚過敏研究所」を13歳で創設した“起業家”としても注目される現役高校生・加藤路瑛さんによる『カビンくんとドンマちゃん 感覚過敏と感覚鈍麻の感じ方』(監修/児童精神科医・黒川駿哉 ワニブックス)の一部を抜粋しつつ、その知られざる世界に迫る。前編はこちら。

制服はまるで“サンドペーパー”

2023年8月、感覚過敏の当事者で「感覚過敏研究所」所長を務める加藤路瑛さんが、現役高校生でありながら“世界を変えうる30歳未満にフォーカスする企画”「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」のビジネス部門にて最年少受賞を果たし、話題をよんでいる。

加藤さんは12歳(中学1年生)の時に、子どもでも起業しやすい社会にしたいと起業を目指す。

12歳では法人の代表になれないため、親が代表取締役、子どもが取締役社長になる起業方法を「親子起業」と名づけ、自ら親子起業スタイルで株式会社クリスタルロードを創業。2020年には「感覚過敏研究所」を立ち上げ、触覚過敏を持つ人のためのアパレル商品開発、大学機関との共同研究、企業とセンサリールーム(感覚過敏に優しい音や光を調整した空間)をコラボ企画するなど、感覚過敏の啓発において、今や第一線で活躍中だ。

華々しい活躍を見せる加藤さんだが、決して平坦な道のりではなかった。

幼少期、加藤さんは「靴下が嫌いな子ども」だった。

真冬でも裸足で過ごし、外出時も裸足のままサンダルを履いた。

当然、その足は氷のように冷たい。

親には「見ているだけで寒い」と言われたという。

「今なら、何が不快だったのかを説明できます。一番苦手なのは、靴下のつま先部分の縫い目。そしてその縫い目の左右にあるつなぎ目の小さなコブ。これが小石を踏んだように痛く、また尖った石の砂利道を歩いているような痛みがあって、はいていられません。さらに、つま先から足の裏にかかる生地のツッパリ感や肌へのはりつき感が気持ち悪くて、はいた瞬間に脱いで投げたくなるほど」……。

今では、出かける準備をすべてすませて、出かける瞬間に靴下をはくようにしているが、それでも「今、家を出ないと遅刻するという葛藤の中で本当に泣きそうな気持ちで靴下をはく」のだという。また、加藤さんを苦悩させたのは靴下だけではなかった。

「そもそも、服の生地が痛いんです。ズボンはまるでサンドペーパーのようで、太ももを削られるかのよう。制服のブレザーも、まるで鉛のように重かった。せっかく買ってもらった、けっして安くはない学校指定のポロシャツも、結局“痛み”で着ることができませんでした」

「感覚過敏」が起きるメカニズムとは

リンク先はAERAdot.というサイトの記事になります。

続きはこちら↓↓↓
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