2026/01/13 10:10

手話などを通じて接客する玉木さん夫婦(愛知県犬山市で)
働く意欲がある障害者が人手が足りない農業分野で働く「農福連携」に取り組んでいる愛知県犬山市の企業「ココトモファーム」は、同市内の「ココトモカフェ フロイデ店」を手話カフェとして改修し、オープンさせた。手話を公用語にする街づくりを進める「ダイアログまちだ」(東京都)との共同プロジェクトで、手話を広めて障害者の居場所作りに努めている。
犬山市の市民交流センター「フロイデ」内のココトモカフェに昨年11月12日にオープンした手話カフェは、障害者も健常者も一緒に集えるようにと、スタッフ全員が手話での接客を行う。来店者もジェスチャーや簡単な手話でコミュニケーションを体験できる。
ココトモファームは、同県西尾市出身で、自身も発達障害を抱えながらIT企業の社長を務め、農福連携事業を展開している斎藤秀一さん(55)が6年前に設立。斎藤さんは弟が統合失調症だったこともあり、IT企業を設立した後に放課後デイサービスの事業を手始めに、福祉の事業に取り組みだした。
ただ、放課後デイサービスに通う子どもたちの就職先が少ないことに気づき、農業を通じて収穫した米を使ったバウムクーヘンなどを製造して販売することを始めた。障害者らを中心に1次産業の米作りと2次産業としての米粉のバウムクーヘンの製造、そして店舗での販売業を加えた農業の6次産業化を進めている。
現在は水田などの農地は12ヘクタール、正社員40人を含めた約200人が働いており、製造拠点5か所、小売店、カフェなどの販売店20店舗を展開している。障害者に農作業の場を提供して自立を支援している。
3歳の時にストレプトマイシンの影響で耳が聞こえなくなった玉木浩人さん(61)と妻の千夏さん(59)も、手話や字幕表示システムなどを使って接客にあたる。
千夏さんはカフェで接客やレジを打つことが夢だったといい、「これまでは、障害でその夢はかなわなかったが、カフェに立つことが実現できてうれしい」と手話で表現した。浩人さんも「お客さんや仲間が一緒に集える場所にしたい」と伝えた。
同社は、豊山町の県営名古屋空港に隣接するショッピングモール・エアポートウォーク名古屋内で、聴覚障害者が中心に働く「サイニングストア」も運営。斎藤さんは「今後も障害者の居場所作りに取り組んでいきたい」と夢を膨らませていた。
フロイデ店は月曜休業。詳細は同社ホームページ( https://www.cocotomo-farm.jp/ )。
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