日本で初開催のデフリンピック、日程・競技会場・注目選手を紹介…世界王者やメダル常連選手も

日本で初開催のデフリンピック、日程・競技会場・注目選手を紹介…世界王者やメダル常連選手も

2025/02/13 15:32
#デフリンピック

 聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック」(読売新聞社協賛)が11月、日本で初めて開催される。障害者スポーツの中でも、最も歴史のある国際大会だ。日程や競技会場、活躍が期待される注目選手など、大会の情報を伝える。(デジタル編集部)

東京など17会場で21競技

デフリンピック東京大会の日程


 大会の会期は2025年の11月15日から26日まで。東京、福島、静岡の1都2県の17会場で21競技が行われる。開幕に先立って14日から福島・Jヴィレッジでサッカーが始まる。開会式は15日で、その翌日からバレーボールやテニス、陸上、柔道など多くの競技がスタートする。

 開・閉会式の会場は、2021年東京五輪・パラリンピックの競技会場だった東京体育館で、開会式は15日午後4時半~7時、閉会式は26日午後4時半~6時に実施される予定だ。開会式では、彩の国さいたま芸術劇場芸術監督の近藤良平氏と耳の不自由な俳優・プロデューサーの大橋弘枝氏が式典の演出家を務める。

 大会を支えるボランティアの公募は1月末で締め切られており、観戦チケットなどの詳細については今後発表になる。


パラリンピックとの違いは?


ボールを追う青いユニホームのデフ男子日本代表たち

ボールを追う青いユニホームのデフ男子日本代表たち


 デフリンピックは、英語で「耳が聞こえない」を意味する「デフ(deaf)」とオリンピックを組み合わせた造語だ。国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)が主催し、夏季・冬季大会がそれぞれ原則4年に1度、実施されている。

 1924年にパリで初めて開催され、選手たちは手話でコミュニケーションを取るほか、陸上競技ではランプの光でスタートを知らせたり、サッカーでは笛と旗で審判が合図したりする。

 一方、現在はオリンピックと同じ年に開かれているパラリンピックは、国際パラリンピック委員会(IPC)が主催。戦後のイギリスで開かれた車いすアーチェリーの競技会を起源に、1960年に第1回大会がローマで行われた。76年の夏季大会から義手・義足使用者や視覚障害者ら身体障害者全般の大会に広がったが、デフリンピックとは統一されなかった。

 デフリンピックに参加できるのは、〈1〉補聴器などを外した状態で、聞こえる最も小さな音が55デシベルを超えている、〈2〉各国の「ろう者スポーツ協会」に登録された上で一定記録や出場条件を満たしている――という選手だ。試合で補聴器をつけることは禁止されている。今大会には、70~80か国・地域から選手約3000人が参加する見込みだ。


世界王者として臨む柔道・佐藤正樹、メダル常連の卓球・亀沢理穂


目の前のランプの色の変化でスタートを切る聴覚障害の選手たち(2022年10月のデフ陸上日本選手権)

目の前のランプの色の変化でスタートを切る聴覚障害の選手たち(2022年10月のデフ陸上日本選手権)


 開幕を前に、メダル獲得が有望視されている選手たちの調整が進む。

 前回の2022年カシアスドスル(ブラジル)大会は5位だった柔道・佐藤正樹選手(ケイアイスター不動産)は、世界ろう者選手権の24年カザフスタン大会男子66キロ級を制覇し、デフリンピック東京大会は世界王者として臨む。

 卓球には前回大会まで4大会連続出場し、メダル8個を手にしている亀沢理穂選手(住友電設)が出場。テニスでは、23年世界選手権の女子シングルスで日本勢が表彰台を独占しており、同大会で優勝した菰方(こもかた)里菜選手(同大)、2位の宮川百合亜選手(日大)、3位の鈴木梨子選手(専大)が代表に名を連ねている。

 3月以降、バドミントンやオリエンテーリング、陸上などでも選考会となる競技会が予定されており、日本代表が続々と決まる見通しだ。


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