2026年9月23日

公明新聞 26/9/22
■ 公明が施策後押し
「人工内耳による言語獲得には、難聴児の早期発見と療育体制の整備が不可欠だ」
本紙は前回の連載(2017年) の後、静岡県立総合病院の高木明医師が指摘する課題を公明党の国会議員につなげた。調査活動を踏まえ、19年に当時の大口善徳厚生労働副大臣(公明党) と浮島智子文部科学副大臣(同) を共同議長とする厚労、文科両省の合同プロジェクトが発足。22年に「難聴児の早期発見・早期療育推進のための基本方針」が策定された。
国は同方針に基づき、各都道府県などで聴覚障害児支援中核機能強化事業などの支援策を実施。言語聴覚士らをコーディネーターに配置し、保健・医療・福祉・教育の連携強化や家族支援を後押ししている。
■ 95%が普通高校に
国を挙げた体制整備が進む中、高木医師がその先に見据えているのが、オーストラリアの難聴支援プログラムだ。新生児の99%が聴覚検査を受診し、難聴児を早期発見。治療後も専門の支援センターで定期的なチェックが行われ、聴力を最大限に生かした療育を受けられる。プログラム対象者の95%が普通の高校に入学し、77%が有給雇用に就くなど成果を上げているという。
この事例を参考に、静岡県立総合病院では昨年9月から、オーストラリアの手法を全国で初めて取り入れた療育プログラムを開始した。現在は国の補助金を活用した3年間の試験的な先行事業として、県とオーストラリアの療育機関「シェパードセンター」の支援を受けて実施。0~3歳を重点的に13~14人程度の未就学児を受け入れている。聴覚を伸ばし言語を獲得することで、健聴児と同じ学校への入学をめざす。
■ 64項目のチェック
同プログラムでは、シェパードセンターの専門員から、同病院の言語聴覚士や当事者家族が難聴児との接し方を学ぶ。人工内耳の調整も行い、得ている音の情報そのものの質を改善させる。
2カ月に1回程度行う聞こえのチェックでは「大きい音を聞いてびっくりする」「人の声を聴いて誰の声か分かる」など64項目にわたる「機能評価」を用いて、健聴児と比べた言語獲得の状況を可視化している。
今後は、県乳幼児聴覚支援センターが県内3カ所程度で実施している親子教室との連携も進めていく考えだ。
記事のポイント!
難聴児の早期支援を、家族と専門職が一緒に進める取り組みです。静岡県立総合病院では、オーストラリアの手法を取り入れ、言語聴覚士らが子どもとの接し方を学びながら、人工内耳の調整や聞こえの確認を行っています。64項目の評価を通じて言語の発達を見える形にし、一人ひとりの成長に合わせた療育につなげています。
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原文掲載元はこちら
https://www.komei.or.jp/km/takatsuki-yoshida-akihiro/2026/09/23/
