柔道で群馬出身2人が銅メダル…高橋朋希「挑戦すれば夢はかなう」、深沢優斗「こんなに応援してもらえるとは」

柔道で群馬出身2人が銅メダル…高橋朋希「挑戦すれば夢はかなう」、深沢優斗「こんなに応援してもらえるとは」

2025/11/19 13:45

 聴覚障害者による国際スポーツ大会「デフリンピック東京大会」(読売新聞社協賛)で男子柔道に群馬県関係の2人が出場し、いずれも銅メダルに輝いた。伊勢崎市出身で100キロ級の高橋朋希選手(28)(ジール)と前橋市出身で81キロ級の深沢 優斗まさと 選手(28)(SUBARU)は、東京武道館(東京都足立区)で満員の観客の後押しを受けて戦い抜いた。


鮮やか一本背負い


 12人が出場した100キロ級。高橋選手は準決勝で敗れた。金メダルの夢は消えたが、「負けたことを考えるとまた負ける」と気持ちを切り替えて3位決定戦に臨むと、鮮やかな一本背負いでウクライナの選手を投げ、銅メダルを決めた。

銅メダルを手に笑顔を見せる深沢選手(左)と高橋選手(右)。中央は、2人をデフリンピック出場に誘った竹沢稔裕コーチ(17日、東京都足立区の東京武道館で)=長野浩一撮影

銅メダルを手に笑顔を見せる深沢選手(左)と高橋選手(右)。中央は、2人をデフリンピック出場に誘った竹沢稔裕コーチ(17日、東京都足立区の東京武道館で)=長野浩一撮影


 生まれつきの難聴で、日常生活では補聴器をつける。小学1年の時にクラスで一人だけ補聴器をしていることに気が付くと、「なんで自分は補聴器がないと聞こえないんだろう」と思うようになった。

 小3で柔道を始め、持ち前のパワーで試合に勝てるようになると、「聞こえないのは関係ない。自分にもできることがある」と自信がついた。競技から離れた時もあったが、大学時代の恩師に誘われ、今大会に向けて練習を再開した。

 大会では「挑戦すれば夢はかなう」ことを、メダルを取ることで、自分と同じような障害がある子どもたちに証明するつもりだった。3位決定戦では自分より大きな選手を投げ、「耳が聞こえなくてもできることはたくさんある。小さな目標を少しずつ達成していってほしいと伝えられたと思う」と爽やかな笑顔を見せた。


得意の内股で勝利


 17人が出場した81キロ級で、深沢選手は1、2回戦は順当に勝ち進んだが、カザフスタンの選手と約8分の激闘を繰り広げた準決勝で惜しくも敗れた。「メダルを取ることが大事」と言い聞かせて臨んだ3位決定戦は得意の内股で勝利した。

 就学前に感音性難聴と診断されたが、補聴器をつければ日常会話にほとんど支障はない。それでも就職後は、「距離が近ければ聞こえるでしょ。録音したのを聞いていいよ」と言われるなど、難聴のことはあまり知られていないと痛感した。

 この日は小学生など多くの観客が訪れ、「こんなに応援してもらえるとは思わなかった。今日をきっかけに、聴覚障害にも様々な聞こえにくさがあることを知ってもらえたらうれしい」と語った。


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