国内
福岡を拠点に活動するご当地ヒーローがいます。地域の祭りやごみひろい、子ども食堂にまで。出没する場所は選びません。
そして、出会った子どもたちに見せる赤いカードがあります。この赤いカードこそ、ヒーローが活動する理由です。
キレのある動き華麗なアクション
今年7月、福岡市内で開催された地域の夏祭り。
ステージでキレのある動きに華麗なアクションを披露したのは、福岡県を拠点に活動する「応援ヒーローガンバ李α(リー)」です。
決めぜりふは「応援ヒーローガンバ李!」。
「ガンバ李!」という名前は、博多弁で「頑張って」を意味する励ましの言葉「頑張りい」と、尊敬するブルース・リーを掛け合わせてうまれました。
応援ヒーローガンバ李α「皆さんが笑顔になってもらったり、喜怒哀楽じゃないですけど、感動してもらえたりとか声出してキャーキャー騒いでもらえると、やっているかいがあるなと思いますね」
子どもたちに大人気
応援ヒーローガンバ李αは、毎週金曜日、福岡県粕屋町のJRの駅周辺にも姿をあらわします。30分ほどごみ拾いを行うためです。
福岡市の商店街で定期的に開催している子供食堂では、呼び込みをすることも。
応援ヒーローガンバ李α「よかったら子供食堂やってますんで。中涼しいですよ」
子供たちから声をかけられたり、一緒に写真を撮ったりと「応援ヒーロー」はここでも大人気です。
ヒーローが見せる赤いカード
「応援ヒーローガンバ李α」が、出会った子供たちに見せているものがあります。
十字とハートが描かれた赤いカード「ヘルプマーク」です。
ヘルプマークは、義足や人工関節、難病、難聴など、外見から分からない障害のある人が持つことで、援助や配慮が必要なことを周囲に知らせることができるものです。
応援ヒーローガンバ李α「皆さんがヘルプマークの意味を知って、ヘルプマークを持っている方を何かしらお手伝いをしたりとか見守ったりするのが当たり前の社会になったらいいかなと思っています」
難聴の次男 障害ある人が生きやすい世の中にしたい
応援ヒーローガンバ李αを演じているのは、スーツアクター歴およそ40年の吉田和宏さん(54)です。
福岡県粕屋町で妻の理恵さん、3人の息子と5人で暮らす吉田さん。
小学3年生の次男・守李(しゅり)くんは、生まれつき難聴で、補聴器をつけて生活しています。
吉田さんは、守李くんのように障害のある人が生活しやすい社会を作りたいという思いからキャリアをいかし、3年前に「応援ヒーロー」の活動を始めました。
応援ヒーローガンバ李α 吉田和宏さん「障害があって耳が聞こえないことで、勉強についていけないのかなとか、いろいろと問題とか悩みとか今から出てくるかも知れないなと思って。自分の息子を応援できるというコンセプトで、応援ヒーローをはじめました」
父親の姿を守李くんも誇らしく思っているようです。
吉田守李くん「かっこいいと思う。」
応援ヒーローガンバ李α 吉田和宏さん「息子にそう言ってもらえると、嬉しいですよね」
最近はSNSでも発信するなど活躍の場を広げています。
応援ヒーローガンバ李α 吉田和宏さん「僕がやっていることで、『僕が』というよりもやっていることがみなさんに伝わって、それが自然に普通に人助けにつながって、優しい気持ちだったりが生まれればいいかなと思っています」
いつの時代も、ヒーローは子どもたちの憧れ。スーツの下に秘めた思いが伝わり、困っている人を助け合える社会になることを願っています。
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