著:うささ『耳がきこえないママときこえるムスメのおはなし。』(コドモエCOMICS)

【漫画】耳が聞こえない人への配慮←「大声なら伝わる」は間違い! 難聴のリアルな聞こえ方を可視化すると?

記事のポイント! 

難聴の人に大声で話せば伝わるとは限りません。漫画家・うさささんのエッセイ漫画『きこえかた』では、伝音難聴と感音難聴の聞こえ方の違いを視覚的に表現し、音が聞こえても言葉として理解できない感覚を伝えています。補聴器を装用していても十分に聞き取れるとは限らず、聴覚障害のある人への配慮には、一人ひとりの聞こえ方への理解が欠かせません。筆談や読唇、ジェスチャーなど、相手が希望する方法に合わせることの大切さを考えさせられる記事です。


2026.10.13 キジカク

生まれつき音が聞こえないうさささん。普段は筆談や読唇を用いてコミュニケーションをとっていました。気を遣って大きい声で話してくれる人もいるのですが、実は逆効果になっていて……。作者のうさささんにお話を伺いました。

 

「どう伝えるか」を共に考える

相手の声が聞こえないうさささん 筆談をお願いしたのに……。(うさささん提供)

相手の声が聞こえないうさささん 筆談をお願いしたのに……。(うさささん提供)


 音が歪んで聞こえる感音性難聴の主人公。普段は、読唇や筆談などを用いてコミュニケーションを取っています。とある店舗でのこと、早口で喋る店員さんの言葉が分からなかったため、「ゆっくり話すか、筆談をお願いします」と頼みました。すると、なぜか店員が近づいてきて……。

【マンガ本編】耳が聞こえない人へどう対応すべき? 「大声」だけは間違いだった「伝わり方」の違い

 うさささん(@usasa21)によるエッセイマンガ『きこえかた』がX(旧:Twitter)上で公開されました。読者からは「聞こえかただけでもこんなに個人差があるなんて知りませんでした」「相手の立場を考えて行動するのって難しいですね…。対応してくれた人も悪気はないはずなんだけど…」「こうして発信してくれることで、周りの意識も少しずつ変わっていくといいなぁ」などの声があがっています。

 作者のうさささんにお話を聞きました。

 

ーー聞こえない・聞こえにくい状況やその場の空気感を「視覚的」に伝えるために、表現上工夫したポイントを教えてください。

 耳が聞こえないと「耳元で大声で話せば伝わる」「補聴器をつけているから聞こえる」と考える方は多くいらっしゃいます。

 しかし実際はそうではなく、難聴にはさまざまな種類があり、聞こえ方も人によって大きく異なります。そのため、最初に正常な聞こえ方、伝音性難聴の聞こえ方、感音性難聴の聞こえ方を比較しやすいように描きました。

 また、私自身の感音性難聴が「音は聞こえているけれど、言葉として意味にならない」感覚が伝わるよう、文字の表現にも工夫をしています。聞こえ方を可視化することだけでなく、その先にある『どうすれば伝わるか』まで考えてもらえるマンガを目指しました。

 

ーー「相手の善意」と「実際の伝わりにくさ」のギャップに直面したとき、普段どのように対応されたり、気持ちを切り替えたりしていますか?

 そうですね、一生懸命伝えようとしてくださる気持ちは本当にうれしいです。

 私は普段、相手の口の動きを読む読唇で会話をすることが多いのですが、それが難しいと感じたときは、筆談やスマホの音声認識アプリに向かって話しかけていただくようお願いしています(マンガ内ではまだ音声認識アプリが普及する前でした)。

 一方で、マスクをしたまま早口で話し続けるなど、こちらが伝わりやすい方法をお伝えしても変わらないと、やはり悲しい気持ちになることもあります。

 だからこそ、「伝わらなかった」で終わらせるのではなく、マンガを通じて、聴覚障害への理解や、私たちにとって伝わりやすいコミュニケーション方法を知っていただくきっかけになればうれしいと思っています。

著:うささ『耳がきこえないママときこえるムスメのおはなし。』(コドモエCOMICS)

著:うささ『耳がきこえないママときこえるムスメのおはなし。』(コドモエCOMICS)


ーーお店や日常生活の場で「こういう筆談や配慮をしてもらえると、1番スムーズでありがたい」と感じる理想的なコミュニケーションの形があれば教えてください。

 手話を知らなくても大丈夫。コミュニケーション方法は、筆談だけでなく、指差しやジェスチャーなどでも十分伝わります。

 私から伝わりやすい方法をお伝えした際に、その方法に合わせていただけるだけで、とてもありがたく思います。「伝えよう」と思うその気持ちが何よりうれしいです。

 

ーーSNSにて反響が多数寄せられています。特に印象に残った読者の声について教えて下さい。

 まず、私と同じ聴覚障害のある方から多くの共感の声をいただきました。

 なかでも「これまで自分ではうまく説明できなかったけれど、このマンガを同僚に見せようと思います」というコメントが1番印象に残っています。

 また、聴者の方から「聞こえ方にもいろいろあるんですね」「知らなかったことを知ることができて、本当にありがたいです」といったうれしい声をいただきました。

 このマンガが、聴覚障害への理解を深めて、お互いに伝わりやすいコミュニケーション方法を考えるきっかけになれたのであれば、とてもうれしく思います。

●うさささん 過去のインタビュー

(キジカク)

 

関連ページ  

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気になる症状がある場合は  

聞こえに不安がある場合は、早めに耳鼻咽喉科への相談をおすすめします。


原文掲載元はこちら

 https://magmix.jp/post/378971

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