読売新聞7/19(土)17:17

3度目のデフリンピックに挑む狩野拓也 【読売新聞社】
デフリンピック東京大会の男子バレーボール代表に内定した狩野拓也(32)は現役の医師でもある。大会をきっかけに難聴への理解を深めてもらいたいという思いを持っている。
広島県出身。生まれつきの難聴で生後半年で補聴器をつけた。小学生の頃から「誰かの助けを借りて生活しているが、借りっ放しは性分に合わない。人の役に立つ仕事に就きたい」と考え、中学時代、ひじを骨折したことをきっかけに医者の道に進むことを決意した。
中高の部活でバレーボールに打ち込みながら、高知大医学部に進学。大学時代に知人の紹介でデフバレーと出会い、研修医時代に2017年サムスン(トルコ)大会の代表に決まった。放射線科を目指すつもりでいたが、ある日、難聴の子を持つ親が訪ねてきた。デフリンピックに挑む自分を特集したテレビ番組を見たといい、「未来が明るくなった」と思わぬ感謝を受けた。自らの影響力を知り、「聞こえない人と関わる仕事をしよう」と耳鼻咽喉科の医師となった。現在、「十全総合病院」(愛媛県新居浜市)に勤務している。
主将として2度出場したデフリンピックはサムスン大会で7位、22年カシアスドスル(ブラジル)大会は新型コロナウイルス感染拡大で日本選手団が途中棄権しチームは8位だった。東京大会では「2強と言われるトルコとウクライナを倒すのが目標」と力を込める。
一方、医師としては「加齢性難聴も年のせいだから仕方ないと受診せずに放置している人は多い。デフリンピックを機に自分の難聴や周囲の人の聞こえない困難さに向き合ってほしい」と訴える。(荒井秀一)
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