4月の上映会で舞台あいさつに立った鴻上監督(左)と松元選手

福岡・宇美町出身デフサッカーの松元選手 「情報保障」のある社会を ドキュメンタリーで伝える

2026/6/18 6:00
波多野 澪

4月の上映会で舞台あいさつに立った鴻上監督(左)と松元選手

4月の上映会で舞台あいさつに立った鴻上監督(左)と松元選手

 

 RKB毎日放送の鴻上佳彦さんが監督したドキュメンタリー映画「共に、世界一へ」は、聴覚障害のある人がプレーするデフサッカーの男子日本代表、松元卓巳選手(36)=福岡県宇美町=の活躍と日常を描いている。鴻上さんは「デフスポーツの知名度はまだ低い。次の世代を担う子どもたちにぜひ見てほしい」と語る。

 映画は、昨年11月に開催された聴覚障害アスリートの国際大会「東京デフリンピック」で銀メダルを獲得するまでの約2年間を記録。試合で痛めた右肩の手術や半年のリハビリを乗り越え、主将としてチームを引っ張る松元選手を捉えた。日常生活では、騒がしい店で店員の声を聞き取れず、曖昧な返事をする姿も。見た目では分かりづらい障害の苦労も伝えた。

 今年4月に福岡市で開かれた上映会で、初めて作品を見た松元選手は「大会当日の裏側から監督とのふざけあいまで、ありのままが伝わった。忘れていた当時の情景がよみがえった」と感慨にふけった。

 聞こえない人も楽しめるよう全編、手話通訳付き。ただ予算の都合で字幕は付けられなかった。手話を使わない聴覚障害者もいるため、鴻上さんは「もっと工夫できたかもしれない」と振り返る。松元選手は「理想は、どこに行っても『情報保障』のある社会。『聞こえない人が来るから通訳や字幕を付ける』ではなく『あるのが当たり前』になったらいい」と語った。

 映画は19日まで動画サービス「U-NEXT」で有料配信。8月以降、各種動画サービスで順次配信される予定という。松元選手の地元の宇美町でも、学校などでの上映を検討している。

 (波多野澪)

 

記事のポイント! 

聴覚障害のある人がプレーするデフサッカー日本代表・松元卓巳選手の日常と競技生活を描いたドキュメンタリー映画が紹介されています。けがやリハビリを乗り越えて主将としてチームを支える姿に加え、騒がしい場所で聞き取りにくさを感じる場面など、見た目では分かりにくい聴覚障害の困りごとも伝えています。手話通訳や字幕などの情報保障が特別な配慮ではなく、当たり前にある社会への思いが込められた記事です。

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原文掲載元はこちら 

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