耳鼻科医が考案した『耳鳴り・難聴を自分で改善する方法』 耳の老化を遅らせることも可能

耳鼻科医が考案した『耳鳴り・難聴を自分で改善する方法』 耳の老化を遅らせることも可能

「歳を取れば耳は遠くなるもの」「治らない」とあきらめている人は多い。

しかし耳鼻咽喉科・木村至信(きむら・しのぶ)さんは「耳の老化は自分で遅らせることができます」と話す。

木村さんが20年以上の診療経験から生み出した耳のセルフケア『耳鳴り&難聴のリセット法』は、クリニックの多くの患者に効果があったそうだ。

木村さんの著書『1万人の耳の悩みを解決した医師が教える 耳鳴りと難聴のリセット法』(アスコム刊)から、耳鳴りと難聴のリセット法を紹介する。

*  *  *

耳鳴り・難聴を改善する4つのセルフケア

【4つの耳のセルフケア】
  1. あくび耳抜き法
  2. アオアオ発声法
  3. 餃子耳法
  4. 耳マッサージ法
4つのセルフケアの方法はどれも難聴、耳鳴りの改善に効果があります。

でも、だからといって、どれかひとつしかやらない、というのは効果が出にくいです。

筋トレをする場合、いろいろなアプローチで筋肉を鍛えたほうが効果があるように、基本的にこの方法も4つすべてやったほうが、効果がより上がります。

(1)あくび耳抜き法

『あくび耳抜き法』の目的は鼓膜を正常な位置に戻すこと。

耳鼻科の「通気治療」「鼓膜マッサージ」と同じ効果を得られる手軽な方法です。

【あくび耳抜き法のやり方】
  1. 顎が外れないぎりぎりまで口をかなり大きく開けて、開けっぱなしにしてください。すると、数秒後に絶対にあくびが出てきます。
  2. あくびで口に空気がいっぱいたまったら、その息を吐く前に口を閉じて鼻をつまんでください。ゴクッとしてはいけません。
  3. 口は閉じたままで、耳から空気が抜けるように、息を鼻に集めます。耳に空気が抜けたら、手を離します。
  4. 口を開けて残りの空気を逃がします。
※朝、昼、寝る前、1日3回

あくび耳抜き法は無理に強くやると鼓膜を痛めます。下記、注意をしてください。

  • 耳抜きの前に必ず「あくび」をする
  • 痛みを感じたら口を開けて空気を出す
  • 1日に3回までにする

(2)アオアオ発声法

「アオアオ発声法」の目的は、「耳管」を広げること。

顎を動かすことで耳管を動かし、耳管開口部を柔らかくすることができます。

【アオアオ発声法のやり方】

「ア(ン)」「オ(ン)」をそれぞれ2秒間に1回ぐらいの、ゆっくりした速度で25回声に出す

※1日1回

ポイントは、「ア」と言ったら1回閉じて「ン」、次に「オ」を言って、また1回閉じて「ン」と言うこと。

「ン」で口を閉じたときに、鼻からフッと息が出てくればOKです。

朝よりも夜にするのが効果的。

筋肉が柔らかくなっている時にするのが効果的で、特にお風呂でするのがおすすめです。

(3)餃子耳法

「餃子耳法」の目的は鼓膜を動かしやすくすること。

耳全体を内側に折り曲げると、外からの圧がなくなります。

そこから耳を開放すると、外気が一気に入ってくるので、鼓膜が刺激されます。

血流も一気に加速するので、鼓膜が動きやすくなります。

餃子耳法は、耳鼻科の「鼓膜マッサージ」とほぼ同じ効果を得られる手軽な方法です。

【餃子耳法のやり方】

手で耳全体を顔側に折り曲げて、耳を塞ぎます。

この状態が「餃子耳」です。

餃子耳のままで、1分続けます。1分たったら耳から手を離してください。

温かい手でやれば、それだけで血行促進になります。

※1日1回

(4)耳マッサージ法

「耳マッサージ法」の目的は「血流改善」と「自律神経の安定」です。

耳のマッサージは、血流をよくして、「聞こえの神経」に栄養を届けます。

また、自律神経のひとつで身体をリラックスさせる 「副交感神経」の働きが優位になるため、ストレスのたまった気持ちを和らげてイライラや不安を抑えます。

自律神経のバランスが整うと、耳鳴り、難聴、ともによい効果があります。

耳には大きな「ツボ」がたくさんあります。

ツボは東洋医学の考え方で、神経節(神経のターミナル)を意味していますが、約360個あるとされる全身のツボのうち100個以上が耳にあります。

耳鳴りや難聴の予防や改善に有効であるだけでなく、ダイエットや免疫力を上げるのにも役立ちます。

【耳マッサージ法のやり方】
  1. 耳全体をぐるぐる動かす
  2. 耳をひっぱる
  3. 耳たぶを押す
  4. 耳を前に向かって倒す
(1) 耳全体を手で抑え、ぐるぐる動かします。右まわりでも左まわりでもやりやすいほうでやってください。だいたいひとまわり1秒で5回まわしてください。
(2) 耳の皮膚を指でつまみながら、上・下・斜め上・斜め下・横、それぞれの方向に3秒ずつ軽く引っ張ります。これを3回繰り返します。
(3) 耳たぶを親指と人さし指ではさみ、3秒ほど軽く押して刺激を与えます。
(4) 耳を前(鼻の方向)に向かって倒すようにします。

※4つのマッサージを各5回する。1日3回以上

「テレビの音量」で聴力をチェックする方法

難聴が改善したかどうかは実感しにくいものです。

そこで、耳鳴り&難聴リセット法で実際に聴力が改善したかどうかを、「テレビの音量」でチェックしましょう。

【「テレビの音量」で聴力をチェック】
  1. 毎回、同じ番組を見る
  2. 見るときのテレビは同じもので
  3. 聞く位置は、毎回同じ場所で
  4. 「聞こえやすいボリューム」の数字を書く
まず耳鳴り&難聴リセット法を始める前に音量をチェックして、ボリュームの数字を書き留めます。

それを毎日、同じ番組を見ながら、聞こえにくければボリュームを上げ、よく聞こえていたら下げ、聞きやすい最低のボリュームをチェックします。

番組はなんでもよいのですが、ニュース番組が最適です。滑舌のよいアナウンサーが話しているので、音を聞き取りやすいからです。

耳鳴り&難聴リセット法を始めて1カ月たったとき、きっとその数値が下がっていることに気づくでしょう。

リンク先はAERAdot.というサイトの記事になります。
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