賢い子の親はこうしている! 言葉を引き出し〈考える力〉を育てる「読み聞かせ」4つの工夫

賢い子の親はこうしている! 言葉を引き出し〈考える力〉を育てる「読み聞かせ」4つの工夫

教室の様子

2025.04.17

小泉 敏男
東京いずみ幼稚園園長

プロフィール
「絵本の読み聞かせこそ、子育ての基本」……記事前編で東京いずみ幼稚園の小泉敏男園長はそう述べました。後編では、教育熱心な園の保護者が実際に行ったことを含む、すぐできる簡単な「読み聞かせの工夫」を新刊『最高の育て方事典』より紹介します。

前編記事『5000人を育てた幼児教育のプロが見つけた…IQ120の賢い子が育つ「絵本の読み聞かせ」2つのポイント』より続く。

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工夫次第でもっと面白くなる「読み聞かせ」

読み聞かせの時間をとっても、大人が棒読みするだけでは楽しさは半減です。また、子どもは好みの絵本を何度も何度も「読んで」とねだってくることがよくありますが、以前読んだ本をまた子どもに読んで聞かせるとき、前と同じように反復するだけでは、いかにも芸がありません。

せっかくなら、次に挙げるような工夫をしてみましょう。

子どもが反応すると、読んでいる大人も嬉(うれ)しい気持ちになるはずです。

そうやって読み聞かせを「大人にとっても楽しい時間」にしていきましょう。


●声色を変えてみる

登場人物ごとに声の高さや抑揚を変えて読んでみましょう。たとえば『桃太郎』を読み聞かせるとき、おばあさんのセリフはお年寄りらしく、鬼のセリフはいかにも鬼らしく読むのです。

いつも母親が読んでいた本を別の人(父親、あるいはおじいちゃん、おばあちゃんなど)が読み聞かせるだけでも、物語の味わいは変わるでしょう。

読み方にバリエーションをつけて読み聞かせをするお父さんのイラスト


読み方にバリエーションをつけるだけで、子どもは、

・「いろいろな読み方がある」とわかる

・ストーリーの雰囲気が変わる

・文字の読み方や新しい言葉の存在を知る

こういったことに気づき、新しい学びを得られます。

ぜひ、俳優や声優になったつもりでトライしてみてください。


●メリハリをつけて読む

次のシーンを聞きたくなるように、あるいはクライマックスが盛り上がるように、工夫して読んでみましょう。

子どもの期待を煽(あお)るのは簡単です。感嘆詞や擬音語、擬態語などを交ぜながら読むだけでも、だいぶ反応が変わるのではないでしょうか。

たとえば『はらぺこあおむし』という絵本は、主人公の青虫が美しい蝶(ちょう)になって終わります。このエンディングをさらさらっと読み流しては、何の面白みもありません。

たとえば最後のページをわざとゆっくり開きながら、

「じゃーん! チョウチョになりました!!」

と感激を込めて読んではどうでしょう。親が楽しそうにすれば、子どももワクワクしてくるものです。そのシナジー(相乗効果)によって、読み聞かせはいっそう面白く知的になります。


●クイズを出してみる

絵本のストーリーをもとに、子どもといろいろ空想してみましょう。

たとえば『3びきのこぶた』を読んだあと、

「子豚が4匹だったら、4匹目はどんな家を建てただろうね?」

と子どもに問いかけて、親子で一緒に考えてみてください。さらに、

「その4匹目の子豚が建てた家に、狼(おおかみ)が来たらどうすると思う?」

「狼をどうやってやっつけようか?」

と問いかけていきます。

『おおきなかぶ』なら、

「おじいさんの畑には、ほかにどんな野菜が植えられていたと思う?」

「○○ちゃんなら、どんな野菜を植えるかな?」

とか、最後に大きなパンケーキをみんなで食べて終わる『ぐりとぐら』の話なら、

「パンケーキにのせるトッピングは、何がいいと思う?」

といった問いかけも面白いと思います。親も自分の考えを子どもに話してあげましょう。

子どもの口から予想もしなかった答えが飛び出したり、オリジナルのお話が始まったり、親子で盛り上がること請け合いです。


それとなく子どもを試すのもあり

ここまでに挙げたのは、すぐできる演出の一例に過ぎません。ほかにもたとえば、「子どもに音読してもらう」という楽しみ方もあります。

子ども、とくに3歳前ぐらいまでの小さな子は、耳で聞いたことを何でも覚える聴覚優位の特性があり、何度も読み聞かせた本を丸暗記してしまう子はザラにいます。

子どものなかでは、文字と言葉の意味はまだ結び付いていませんが、ともかくも発声すれば、意味の理解は促されます。何度も何度も読んだ絵本については、親が「読んでごらん」と促して音読する機会をつくると、言葉の発達を後押しできるかもしれません。

屋外で本を読む女性Photo by gettyimages


ある保護者は、「絵本をわざと間違えて読む」という、ちょっと変わった「アレンジ」をときどきしていました。

いずみ幼稚園では漢字かな交じりに直した絵本を使っていますが、家での読み聞かせで、その保護者はわざと漢字を間違えて読むようにしたそうです。

何度も読み聞かせてもらった絵本なので子どもはすぐ間違いに気づき、

「それ、○○と読むんじゃない?」

と指摘しますが、指摘できるのは言葉が定着している証(あかし)でしょう。

もしかしたら保護者は、うっかり間違えた照れ隠しで「わざと」だと言ったのかもしれませんが、少し手をかければ、こんなふうに読み聞かせで言葉を身に付ける手助けができるのです。

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後編記事『平仮名・カタカナは後がいい! 幼児教育のプロが子どもにまず「漢字」から教える深い理由』へ続く。


リンク先は講談社というサイトの記事になります。


 

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