障害者雇用優良企業インタビュー (有限会社川田製作所)

障害者雇用優良企業インタビュー (有限会社川田製作所)

かながわ障害者雇用優良企業へのインタビュー記事です

配慮を仕組みに、全員を戦力にする現場


有限会社川田製作所の川田社長に聞きました
代表取締役社長 川田 俊介さん

代表取締役社長 川田 俊介さん


障がい者雇用のきっかけを教えてください

50年程前に、近隣の障害者支援施設の職員の方が当社にお越しになり、「うちの施設の利用者を雇用してもらえませんか」とのお話をいただいたことがきっかけです。その方は、聴覚障がいのある方だったのですが、仕事に対しての熱量が非常に高い方で、作業上も特に大きな問題はありませんでした。働きぶりもよく、先代社長や周りの社員も見る目が変わっていったと聞いています。

以降、恒常的に障がい者雇用を続けており、現在は、4人の障がい者が、当社のスタッフとして一緒に働いています。障がいのある方が当たり前に働いている環境なので、障がいの有無にかかわらず、働いた成果が出るような職場づくりを大切にしています。


障がい者雇用により、社内にはどのような変化がありましたか


障がいがある社員に合わせることで、結果的に他の社員も働きやすい環境が整いました。

知的障がいのある社員が入社したとき、不良品の数を数えて日報に書くという工程で、数が合わないことが続きました。よくよく聞いてみると、その社員は、数を数えることが苦手だということでした。

そこで、それまでは目視でカウントしていた作業を、カウンターを使って数えるようにしました。不良品があったらワンプッシュ、もう一つ見つけたらワンプッシュすることで、最終的に表示された数字を報告することにしたのですが、これが他の社員にも好評で、当社のスタンダードな仕組みになりました。

また、当社では、外国人雇用にも注力しています。併せて、現場で働く女性社員の割合も増えてきました。昔の製造現場は、男性の職場というイメージだったのですが、意図したものも、意図していないものも含めて、多様化が進んでいます。

そのような中で、仕事内容を誰もが分かるようにすることは、非常に重要でした。先ほどのカウンターの話もそうですが、文章だったものを記号化したり、イラスト化したり、そういった工夫は、現場からもどんどん生まれていますし、むしろ、社員側から声が上がって、変わっていくことが多いです。当社には300種類以上の業務がありますが、成果を測定して共有する、その見える化をしっかりやりました。

カウンター


障がい者雇用を進める中で、工夫していることはありますか


業務のマッチングをしっかりと行うことは、非常に重要だと思います。

例えば、数を数えるのが苦手、あいまいな指示を理解することが苦手といったことに、しっかり配慮することと、繰り返しの作業が得意であることや、個性を活かしていくことは大切だと思います。

また、近年は、真面目で一生懸命に勤めている人が、メンタルの不調で働けなくなるといった例もよく聞きます。そういった人も、環境が変わったり、業務に適合したりすれば、活躍できる余地があります。

そこで、当社だけではできることに限界があるため、農福連携の就労継続支援B型事業所「グッドファーム」を立ち上げ、水耕栽培による野菜作りにも取り組みはじめました。ここで働ける自信を取り戻した方が、将来、川田製作所や地域の企業で活躍することを願って事業を運営しています。

いずれにしても、会社の戦力になって貢献してもらうことを第一に、より広い視点でいえば、個々の能力を活かして、活躍の場を広げていきたいと考えています。


障がい者雇用を検討している企業に向けて、メッセージをお願いします


雇用していない企業の方とお話しすると、「障がい者にできる仕事がない」といった結論になりがちです。「そのできないと思っている仕事って何?」「その障がい者は、どのような障がいがあるの?」と深掘りすると、その人なりの障がい者像を描いて、勝手に判断していることがとても多いです。手帳の種類や障がいの程度で、その障がい者のことが、全て分かるわけではありません。一口に知的障がい、精神障がいなどといっても、いろいろな方がいます。視覚障がい者、聴覚障がい者などもそうです。その人を知る努力をする、対話を重ねるということが非常に大切ではないでしょうか。

障がいがあってもなくても、働ける人に活躍してもらうというのは当たり前のことです。更に言えば、障がいがあっても、特定の分野では健常者以上の作業レベルに達するケースもあります。

障がい者が、戦力として会社内で活躍することが、本人にとっても長く続けられることにつながります。ある程度の会社規模になると、法定雇用率があることは理解していますが、それが目的化してしまうことは違うと考えています。

 

記事のポイント!

障がい者雇用を特別な取り組みとしてではなく、現場をより働きやすくする改善の起点として捉えている点が印象的です。数え間違いへの対応からカウンター導入や記号・イラスト化が進み、その工夫が他の社員にも役立つ標準になっていった流れは、多様な人が働く職場づくりの具体例として惹きつけられます。さらに、一人ひとりの特性を見て業務を合わせる姿勢や、「その人を知る努力、対話を重ねることが大切」というメッセージも、音に敏感な方への配慮を考える読者に通じる内容です。

 

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聞こえに不安がある場合は、早めに耳鼻咽喉科への相談をおすすめします。 


原文掲載元はこちら 

 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/z4r/cnt/f532879/r7_interview8.html

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