ANA福岡空港では、東京2025デフリンピックを見据えて、地道に継続している取り組みがあります。その名は「手話カフェ」。
この取り組みの企画者であり事務局・講師を務める皆さんに、手話を交えたインタビューでお話を伺いました。
<お話を伺った人>

ANA福岡空港 グランドサービス部
熊川吉隆さん(写真左)、小野麻代さん(写真右)
ANAラインメンテナンステクニクス 福岡整備部業務課
湯浦一恵さん(写真右から2番目)
ANA福岡空港 旅客サービス部
川本朋美さん(写真左から2番目)
Q 手話カフェとはどのような取り組みですか。
小野さん
福岡空港で働くANAグループ社員を対象に2022年度から実施している取り組みです。簡単な手話を学ぶだけでなく、きこえない・きこえにくい人に関する正しい理解促進や東京2025デフリンピックを見据えたANAグループのさらなるユニバーサル化に向けた機運醸成を目指しています!
勤務終了後の自由参加で社員に参加してもらっていますが、これまでのべ120名以上もの方に参加いただきました。
熊川さん
一口に「聴覚障がい」といっても、ろう・難聴・中途失聴者の3パターンがあり、コミュニケーションがそれぞれ異なっています。「補聴器をつけていれば会話ができる」「みんな手話ができる」というのも、実はよくある誤解なんです。手話は、「言語とコミュニケーションの手段」であり、「手話カフェ」では、そういった正しい理解の手助けも目指しています。



チーム対抗のクイズを交えたプログラムで、楽しく取り組めるように工夫されている
Q 取り組みのきっかけを教えてください。
小野さん
私は高校・大学が福祉学科で、以前から手話に興味があって個人的に勉強していました。職場の異なる湯浦さんが、たまたま困りごとに遭遇しているのを見かけて思い切って手話で話しかけてみたことがきっかけで、湯浦さんとの交流がスタート。デフリンピックの存在も、2025年には東京で開催されることを教えてくれたのも、湯浦さんでした。
以来、同じ職場の熊川さんと湯浦さんが私の「手話の先生」となってくれていたのですが、もっと仲間を増やしたいとの思いで、会社の提案制度を活用して「手話カフェ」を企画しました!
熊川さん
実は、同じタイミングで同じような提案を私も提出していました!

手話通訳士の資格取得を目指し仕事・家庭・手話の勉強に奮闘する小野さん(右)
湯浦さん
私も2019年の着任時から、手話を広めたいという思いを持っていました。自分の所属組織だけではなく、福岡で働くANAグループの仲間たちを広く巻き込んでは、との上司のアドバイスもあり、職場を超えたコミュニケーションからスタート。コロナ禍で活動が困難で苦しい時期もありましたが、今では事務局サポーターまで誕生し、嬉しい限りです。
川本さん
その事務局サポーターの川本です!
当初は単なる参加者できこえない・きこえにくい人と手話に関する知識がゼロでした。初回から参加し、本当に少しずつ手話を覚えていき、今ではサポーターとなりました。自分の手話が相手に伝わったときの嬉しさが忘れられません。

Q これからの目標を教えてください。
小野さん
より多くの社員にきこえない・きこえにくい人のことを知ってもらいたいです。
たとえ手話ができなくても身振り手振りもある、タブレット端末もある。自分自身で工夫しながら、相手に寄り添い、イメージを膨らませてコミュニケーションできるような世の中づくりに少しでも貢献したいと思っています。
2025東京デフリンピックは、100年目の記念大会です。「空の窓口」としてANAグループ社員が一丸となって、きこえない・きこえにくい人に対するきちんとした理解のもと、「ようこそ日本・東京へ!頑張れデフリンピック!」の気持ちで、国内外から訪れる多くのデフスポーツ選手をあたたかくお出迎えできればと思っています。「誰ひとり取り残さないユニバーサルな空港」をANAグループから実現するために、まずはここ福岡の私たちから動き出します!
湯浦さん
いつの日か、国際手話の「アイラブユー」をモチーフにしたロゴが、ANAの翼とともに世界中に広がればいいな、と夢を描いています。ANAグループから真のユニバーサルを様々な形で体現できれば素晴らしいし、そのために自分にできることを一生懸命やりたいと思っています。

リンク先はLIVE ANA GROUPというサイトの記事になります。
