2025/11/25 05:10
岡花拓也
聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック東京大会」(読売新聞社協賛)は第10日の24日、陸上男子の400メートルリレー、1600メートルリレーで日本がそろって金メダルに輝いた。男子円盤投げは湯上剛輝(トヨタ自動車)が優勝。空手の個人組手は女子61キロ級で小倉涼(坂戸ろう学園教)が2連覇し、男子60キロ級の森健司(立命大)は銅。テニスの女子ダブルス決勝で 菰方こもかた 里菜(島津製作所)、鈴木梨子(NTT都市開発)組が優勝した。競泳男子100メートルバタフライの茨隆太郎(SMBC日興証券)は銀、女子200メートル平泳ぎの串田咲歩(県岐阜商高)は銅だった。卓球は女子団体で日本が銀を獲得した。

女子ダブルスで金メダルの菰方里菜(左)、鈴木梨子組=稲垣政則撮影
テニスは日本勢同士の対戦となった女子ダブルス決勝で菰方、鈴木組が6―1、6―2のストレートで宮川百合亜(日大)、杉本千明(京都外大西高)組を下して優勝した。テニスで日本勢がメダルを獲得するのは、2009年の台北大会以来。
女子ダブルス決勝は、初めてペアを組んでから約6年の菰方、鈴木組が日本勢対決に圧勝した。「今までにないメダルの重さ。応援に結果で恩返しできた」と23歳の菰方が喜べば、試合前は緊張したという22歳の鈴木も「コートでは全てぶつけられた」とうなずいた。
同学年の2人は立ち上がりから正確なショットと巧みな連係プレーで次々とポイントを重ねた。「コート外でのコミュニケーションを大事にして、あうんの呼吸でプレーできるようにしてきた」(鈴木)。得点の度にハイタッチをかわし、危なげなく試合を進めた。
決勝まで勝ち進んだ宮川は2人より1学年下の21歳、杉本はさらに年下の17歳だ。2023年世界選手権のシングルスは優勝した菰方、2位・宮川、3位・鈴木と表彰台を独占するなど、近年、日本女子は若手の層の厚さが際立ち、今大会でもそれを示した。菰方、鈴木、宮川はそれぞれ大学の部活動などで健常者に交じって練習することで力をつけた。
今大会、日本女子はシングルスでは決勝に進めなかったが、この日、表彰台に4人が上がった。宮川は「いつもよりペアワークはよかった。リベンジしたい」とレベルアップを誓い、菰方は「(大会を通じて)子どもたちがスポーツを始めるきっかけになってほしい」と普及への思いもにじませた。それぞれが歩みを止めず、自分の道を前へと進む。(岡花拓也)
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