海水浴中に津波警報 避難はどうすれば?

海水浴中に津波警報 避難はどうすれば?

3日にあった台湾東部沖を震源とする地震に伴い、気象庁は沖縄県の沖縄本島地方と宮古島・八重山地方に一時、津波警報を出した。国内で大きな被害はなかったが、3月に海開きが始まる沖縄で海水浴を楽しんでいた観光客らは突然の避難を余儀なくされた。気象庁は今後1週間程度の間、津波を伴う地震が起きる恐れがあるとして注意を呼びかけている。また、本土でも本格的なレジャーシーズンを迎えるのを前に、海水浴中に津波警報や注意報が発令された場合の対応を確認しておきたい。

沖縄本島南部の同県糸満市にある「美々(びび)ビーチいとまん」では、3日朝から十数人の観光客らが海水浴や海辺の散策を楽しんでいた。午前9時前に地震が発生し、最大3メートルの津波が予想されるとして警報が発令されると、ビーチには「避難してください」と呼びかける防災無線や、ライフセーバーによる避難誘導の声が鳴り響いた。

ビーチの指定管理者によると、観光客らは終始落ち着いた様子で、10分以内に全員が近くの10階建てホテルに避難。その後、スタッフも逃げ遅れがないかなどを確認し速やかに退避した。

縄県の「津波避難計画策定指針」では津波の到達時間内に避難することが可能な場合、浸水想定区域外の標高5メートル以上の高台や避難所、ビルなどの建物に逃げることを想定している。ただ、海水浴場での具体的な対応は各ビーチの運営管理者に委ねられている。糸満市のビーチは今回、自前の避難訓練で確認した手順を実践したという。

では、海水浴中に津波警報や注意報が発令されたら、一般的にどうすればいいのか。日本ライフセービング協会の佐藤洋二郎事務局次長は、糸満市のビーチのように「防災無線を確認し、海から上がって急いで高いところに避難することに尽きる」と強調する。

だが、注意も必要だという。多くの海水浴場では緊急を知らせる放送機器が設置されているが、波の音や風向きによって放送がかき消されたり、潜水や耳栓を使った遊泳をしていて聞こえなかったりするケースもよくある。

津波フラッグを掲げて避難を促すライフセーバーの写真

津波フラッグを掲げて避難を促すライフセーバー=日本ライフセービング協会提供

こうした時に有効なのが「津波フラッグ」だ。赤と白の格子模様にデザインされた大きな旗で、警報や注意報が発令された際にライフセーバーらが海に向かって振り、急いで海から離れるよう呼びかける。聴覚障害を持つ遊泳者が危険を察知する手段としても効果がある。

気象庁によると、同庁などが2020年に導入し、海水浴場がある全国の計249市町村(23年6月時点、普及率61%)で使われている。ただ、糸満市のビーチでは今回、実際に津波フラッグが使われたが、意図を理解していない人もいた。緊急時に備え、津波フラッグのことを知っておくと迅速な避難につながりそうだ。

リンク先は毎日新聞というサイトの記事になります。
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