「耳鳴りが気になる」「突発性難聴は治らない?」名医が回答!

「耳鳴りが気になる」「突発性難聴は治らない?」名医が回答!

あなたの疑問に専門家が回答! 健康Q&A

東海大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学領域主任教授の和佐野浩一郎先生(後編)
2026/3/30 和佐野 浩一郎、伊藤 和弘

「健康Q&A」では、日経Goodayの連載や特集でおなじみの医師や研究者、アスリート、トレーナーなど、健康・医療のエキスパートの方々が月替わりで登場。あなたの疑問やお悩みに答えます。2026年3月の回答者は「耳の病気」や「難聴」に詳しい東海大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学領域主任教授の和佐野浩一郎先生です。


東海大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学領域主任教授 和佐野浩一郎先生Q&A


前編
Q 1 安全な耳掃除の方法を教えてください 答え
Q 2 イヤホンは骨伝導のほうがベターですか 答え

中編

Q 3 難聴が認知症のリスクになるというのは本当ですか 答え
Q 4 ニュース番組に比べてバラエティ番組の言葉が聞き取りにくいです 答え
Q 5 補聴器を使ったほうがいいタイミングを教えてください 答え
Q 6 補聴器はどこで買うのがいいですか 答え

後編 ←今回

Q 7 耳鳴りが治りません 答え
Q 8 突発性難聴になって左耳がほとんど聞こえなくなりました 答え
Q 9 突発性難聴の最新の治療法はありませんか 答え
Q10 ひどい風邪をひいて以来、右耳が詰まった感じが消えません 答え
編集部:東海大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学領域主任教授の和佐野浩一郎先生にお答えいただく今月の「健康Q&A」。後編最初の質問は「耳鳴り」についてです。


耳鳴りを持っている人は多いが、悩んでいる人は多くはない

Q 7

耳鳴りが治りません。何か対策はありますか?(77歳男性)
編集部:ほかにも「耳鳴りの原因は?」(54歳男性)、「ときどき、きつい耳鳴りがあります」(74歳男性)、「50歳を過ぎたころから耳鳴りが気になりだし、徐々に大きくなっているように感じます」(62歳男性)など、今回「耳鳴り」のお悩みが非常にたくさん寄せられて驚きました。

耳が音を捉えるイメージ(写真はイメージ:Maryna/stock.adobe.com)

(写真はイメージ:Maryna/stock.adobe.com)


和佐野:耳鳴りがある人はとても多くて、日本では2000万~3000万人が持っているとも言われています。加齢性難聴が進むにしたがって耳鳴りの有病率も上がっていくし、突発性難聴など何らかの難聴が起こると耳鳴りを持つ人が増えます。年を取れば白髪が増えるように、耳鳴りも増えるわけです。

編集部:そんなに患者数が多いとは知りませんでした。しかし難聴が進むと、なぜ耳鳴りが増えるのですか?

和佐野:耳は有毛細胞で音の振動を電気信号に変換して脳に伝えます。つまり電気回路なので、壊れてくると難聴になるし、きれいに伝えられなくなると余計な放電が起こります。古くなったマイクやスピーカーがザーッという雑音を出すようなものです。有毛細胞がなくなることで刺激がなくなった神経は、勝手に放電するようになります。

 また、脳は今まで聞こえていた音がなくなっていくと、感度を上げて音を拾おうとしますが、難聴になると感度を上げても音が入ってこない。その結果、雑音である神経興奮を拾うようになって耳鳴りが起こるわけです。耳鳴りがある人が多くいる一方で「耳鳴りで悩んでいる人」はそんなにいません。だいたい50万人くらいと言われていて、全体の2%程度にすぎません。ほとんどの人はあまり気にしていないわけです。

編集部:えっ、どういうことでしょう?

和佐野:悩んでいる人は、なぜ耳鳴りを「うるさい」と感じるのか。仮説としては、「耳鳴りの音が大きい」「耳鳴りの音程が高くて不快」といったことが考えられます。ところが、実はそんなこともありません。聴力検査の機械を使うと、耳鳴りの大きさや音の高さを測ることができます。すると、音の大きさや高さは本人が感じるつらさとまったく関係がないことが分かっています。耳鳴りをつらく感じるのは、不安、うつ、恐怖といったネガティブな情動が関係しているのです。

 耳鳴りを持っている人はたくさんいますが、ほとんどの人は生活への影響は受けていません。生活上のダメージを受けている人の多くは不安やうつを抱えていて、それが耳鳴りを過度に気にさせてしまうわけです。

 耳鳴りを悩んでいる人は、服装もビシッとしていて、性格的にも真面目な人が多いです。これまで多くのことを自分の力で乗り越えて、耳鳴りも消してやりたいと思っている。だけど消えないので気にして、どんどんネガティブになっていく。静かなシーンとした場所に行くと、外からの音はほとんど聞こえなくて「シー……」とかすかな音が聞こえてくる。それで「シーン」というわけですが、実はあれも耳鳴りです。

編集部:そういえば、「静かなときに耳の中で小さな雑音が聞こえますが、異常ですか?」(74歳男性)という質問がありました。全然異常ではないわけですね。

和佐野:はい。そういうかすかな耳鳴りに、あるとき気づいてしまう。年を取るとさらに大きくなります。人によっては、それでますます気になるという悪循環に陥ります。耳鳴り自体は加齢によって誰にでも起こるもので、白髪やしわと一緒で病気ではありません。それによってストレスを受けて、生活に影響が出てくると「耳鳴症(じめいしょう)」という病気として扱われるようになります。


リンク先は日経グッディというサイトの記事になります。


 

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