wpmaster 2026年4月27日
《本紙特約リポーター:片岡 幸壱》

NPO法人兵庫県防災士会(溝田弘美・理事長)は、兵庫県内各エリア(阪神・神戸・東播・中播・西播・北播・淡路・丹波・但馬)において、防災士一人ひとりが継続的に学び、互いにつながり、地域に根ざした実践的な防災活動を展開している。同会の溝田弘美・理事長は、自身が社会福祉士として西日本豪雨や能登半島地震の支援に携わった経験から、特に福祉目線の防災、そして女性目線の視点も取り入れることに力を入れていく方針を打ち出す。
その兵庫県防災士会主催「2025年度 福祉部会 第2回研修会」が去る3月28日、神戸市青少年会館 多目的ルーム(兵庫県神戸市)で開催され、防災士20名が参加した。発災時や避難所において、コミュニケーションの取り方が難しい聴覚障がい者が孤立しないよう、聴覚障がいについての理解と、適切な支援・配慮等について当事者から学び、 防災士としての今後の活動に役立てることが目的だ。
■ 片岡講演「その人に合ったサポート」を訴求
本稿リポーター・片岡幸壱(防災士)は、聴覚障がいの当事者として「聴覚障害について、当事者から学ぶ!!」をテーマに自ら講演し、「聴覚障がいの特徴、サポート、阪神・淡路大震災、学生・生徒の取組み紹介」などについて、次のように熱く語った。
「聴覚障がいの聴力レベルは各個人違うので、口話・手話・ジェスチャー・UDトーク(スマホで音声認識技術を使って会話を文字化する無料アプリ)・筆談など、その人に合ったサポートで情報を伝えてほしいと思います」と訴えた。また「暗い所では見えないので、懐中電灯・スマホの明かりなどを照らす、マスクをしながらの会話では口の動きが見えるように外すなどの工夫が必要です」と締めくくった。

本紙リポーター・片岡幸壱 防災士の講演(写真撮影・提供:兵庫県防災士会)
学生・生徒の取組み紹介では「障がい者用ゼッケンとコミュニケーションボードの要素を組み合わせた『ゆびナビウェア』の商品考案内容」(甲南大学)、「聴覚障がい者向けの緊急時コミュニケーション支援カード『SOSカード』の内容」(関西大学北陽高等学校)を紹介。「UDトーク、筆談、口パク、ジェスチャー」のサポートを参加者全員が体験した。

質疑応答に答える片岡幸壱 防災士(左)と司会を務めた榊原道眞氏(右)(写真撮影・提供:兵庫県防災士会)
■ 聴覚障がいの理解・体験の重要性
参加者から体験について「口だけで読み取るのは難しいが、ジェスチャーを加えると理解しやすくなると分かった。口パク、ジェスチャーは日頃から練習しないとできないと思った」、学生・生徒の取組みについては「聴覚障がい者にとって必要不可欠で、健常者はこれらの活用で聴覚障がい者の状況をより理解できる。絵ならすぐ伝わる、瞬時に判断できる。必要な時に追加・削除ができてタイムリーなサポートができる。実際に使ってみたい。さらに広く知ってもらえるといい」などの感想があった。
講演した片岡自身も、「サポートを実際に体験することで理解もより深まると思う。平常時・災害時の状況を想定して課題などの気付きを得ていただけたらなおうれしい」と、今回の研修会の重要性を確認した。
聴覚障がいの特徴を理解したうえで、実際にサポート体験を平時から実施することは、災害時の様々な場面での必要な支援・適切な配慮の提供につながる。今後、こうした機会を着実に増やすことで1人でも多くの人が互いに助け合える関係を築くことを期待したい。

「UDトーク、筆談、口パク、ジェスチャー」の体験模様(写真撮影・提供:兵庫県防災士会)
記事のポイント!
聴覚障がいは一人ひとりで聞こえ方が異なるため、支援方法も一律ではなく、その人に合った対応が重要であることが強調されています。講演では、手話や筆談だけでなく、音声認識アプリやジェスチャーなど多様な手段が紹介され、実際に体験することで理解が深まる点が印象的です。特に災害時は、暗さやマスク着用などで情報が伝わりにくくなるため、日常からの備えと工夫が欠かせません。平時の理解と練習が、緊急時の適切な支援につながることを伝える内容です。
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原文掲載元はこちら
https://www.bosaijoho.net/2026/04/27/hyogobousaishikai-welfare/
