2025年5月5日(月) 20:22
国内
5月5日はこどもの日です。ニューズナウでは、シリーズで「がんばる子どもたち」を紹介しています。今回は、手話に魅せられ、手話を学べるアプリまで作った、小学6年生です。

音楽にあわせて手を動かす小学生。ダンスではなく、歌詞にあわせた手話です。
鹿児島市の広木小学校6年生・富田純白さん。手話のほかにも、得意なことがもうひとつあります。

(純白さん)「文字をクリックすると、上に文字と指文字が出てくるようになっている」
小学3年生から学んでいるプログラミングです。50音や数字を表す手の形など、手軽に手話が学べるアプリをおよそ4か月かけて作りました。

(純白さん)「手話は難しいものじゃなくて、楽しいものだって思ってもらいたかったからアプリを作った」
自分の名前を入力すると、それを表す手の形=指文字が表示されるほか、日常でよく使う手話を映像で学べる機能もあります。
(純白さん)「(プログラミングは)思い通りにいかないし難しいけれど、できた時は達成感があって楽しい」

今年3月。全国から1284組がエントリーした小学生のプログラミング大会で、準グランプリに次ぐ賞を受賞しました。
(家族のやりとり)
(弟・龍さん)「パパ叫んでたよね、家の中で」
(父・勇矢さん)「思っていた以上に良いところにいったのでびっくり」
(母・貴子さん)「すごい自慢してるよね、学校で」
(弟・龍さん)「うん」

純白さんが手話と出会ったのは、小学3年生のころ。きっかけは、母・貴子さんが聴覚障害の友人・甲斐文花さんと、手話を使ってコミュニケーションをとる姿でした。
(母・貴子さん)「はじめて会った時に手話を見て、何をしているの?みたいな感じだった」

(純白さん)「なぜ話してないのに言葉が通じるんだろうと思って、(手話で)コミュニケーションをとってみたくなった」
鹿児島市の放課後デイサービスで働く甲斐さんは、生まれつき耳が聞こえず、手話や、相手の口の動きから言葉を推測してコミュニケーションをとっています。


純白さんは手話で会話ができるようになりたいと勉強を始め、おととし、手話技能検定にも合格しました。
(純白さん)「悲しいという手話をしながら、笑っていると伝わらない。手話をするだけではなく、口の動きや表情も変えないと伝わらないのが難しかった」

(純白さん)「(手話が)出来ないころより楽しくなった」
(甲斐文花さん)「ありがとう、うれしい」
純白さんが開発した手話アプリには、文花さんも感動したといいます。

(甲斐文花さん)「例えば自分の名前をいれてみたら、『かいあやか』と表示されて、すごーい!」「手話を分からない人たちにも、すごく分かりやすいと思った」

(甲斐文花さん)「ろうあ者(聴覚障害者)の表現がよく出来ているよ」
(純白さん)「やった~」

手話の楽しさを伝えたい。開発したアプリを学校の友だちにも体験してもらいました。
(体験した児童)「文字を打つと手話の形が出てきて分かりやすかった」
(体験した児童)「指を3本立ててこうするのが『鹿児島』。手話ってもっと難しいものだと思っていたけど、意外と簡単で覚えやすかった」
コロナ禍を経てマスクの着用が広がり、相手の口もとを見て言葉を理解することが難しくなった今。手話が広がり、身近になることは、聴覚障害者にとって救いになるといいます。

(甲斐文花さん)「マスクすると分からない。(買い物で)レジに行ったときに(店員から)マスクで話されて分からない。それこそアプリを使って指文字だけでも表してくれたら分かる」

(純白さん)「このアプリでもっと多くの人たちが手話に興味を持ってくれたらうれしい」
(甲斐文花さん・純白さん)「頑張ろう」「頑張る」

純白さんの、将来の夢は…
(純白さん)「漫画家とトリマー(ペット美容師)。パソコンを使って絵を描けるようになりたいし、トリマーになったら聴覚障害者の方が来ても話せるように手話をもっと覚えたい」
手話で広がる世界。純白さんのチャレンジは続きます。
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