誰もが認め合える社会の実現へ「インクルマルシェ」

誰もが認め合える社会の実現へ「インクルマルシェ」

誰もが認め合える社会の実現へ「インクルマルシェ」


2025/02/19 (水) 16:30

記者
「こちらのショッピングモールではアクセサリーや弁当の販売などさまざまな事業者が出店するマルシェが行われています」

2月8日、福岡市西区のイオンマリナタウン店で開かれた「インクルマルシェ」。この店舗で販売する商品は障害のある人たちの手作りです。

来店客
「購買意欲が止まらなくなります。お店に売っているものはどこでも買えるけど、1点ものというかここでしか買えないものがあります」

今回、接客に挑戦する人もいます。会場には障害がある人とコミュニケーションするブースも設けられました。こちらの男性は目が見えず、耳も聞こえません。相手が手話をする手を触って言葉を読み取っています。

私が「ありがとうございます」という手話をすると…男性から「ありがとう」の手話が返ってきました。障害者との交流を目的に企画された今回のマルシェ。障害のある人たちは商品の販売だけでなく買い物も体験します。

事業者に「合理的配慮の提供」が義務化されたものの現場では状況ごとに柔軟に対応していくことが求められています。マルシェの主催者は現場にいまどんな工夫が必要か考える機会にしてもらいたいと考えています。

イベントの主催者 トゥギャザーランド 田中美佳さん
「障害のある人たちに会ったことがない、一緒に何かしたことがないのでどうやっていいかわからない、という声をアンケートなどで聞いてマルシェっていろんな人が日常的に行き交うから、マルシェの中で出会ってもらったらいいなと思います」

誰もが認め合える社会の実現が障害者差別解消法の改正の目的となるなか、今回私たちはマルシェに初めて出店した1人の女性に出会いました。

上野智子さん
「鈴を振ってってなんか鳴らないなと思って。カツカツって聞こえる。娘がそんなに振ったらうるさいよって言って鳴ってたんだと気付きました」

福岡市に住む上野智子さん。10年ほど前から耳が聞こえづらくなりました。原因は不明。補聴器と人工内耳をつけたことで会話ができるようになりましたが、静かな場所でないとスムーズな会話ができません。

上野智子さん
「外に出ると人に迷惑をかけそうで皆さん誘ってママ友とランチに行ったりしていたが、聞こえないともう申し訳なくて。だんだんこもっていきました」

心が塞ぎがちになっていた時、偶然出会ったのが「レジン」です。レジンとは「樹脂」のことで光で固めてアート作品などを制作することができます。

上野智子さん
「この透明感がすごく好きなのといろいろ中に入れたり、結構自由がきくんだなと思いました」

レジンを使った作品の制作にのめりこんだ上野さん。2024年、オンライン販売を始めたところ…。

上野智子さん
「最初に1個売れたんですよ。その人が一生大切にしますってメッセージくれて
もう泣きそうにうれしかったです」

また2024年の夏にはアクセサリーも販売。1年間で200個程売れました。そんな時、マルシェの主催者に出店の依頼を受けて対面販売に挑戦しようと決意しました。

上野智子さん
「今まで諦めてたのかな。なんとなく考えないようにしていたけど本来好きな対面(販売)をいろんな工夫をしながらマルシェ全体で盛り上がる感じをすごく感じました」

いよいよ販売の日がやってきました。

上野智子さん
「この空間がちょっと聞きづらくて広くて上が突き抜けいるね」

会話が困難になり家に引きこもる時期もありましたが、上野さんの娘のサポートもあり今回初めて対面販売に挑戦します。

上野智子さん
「楽しみでワクワク。ドキドキもあります。初めてなので」

いよいよオープン。必死に耳を近づけて客の声を聞き取ります。オンライン販売にはない客の笑顔を見て上野さんも思わず笑顔です。

上野智子さん
「お話がちょっとでもできたら普通のやり取りなんだけどそれも楽しい。もしまた機会があれば徐々に慣れていきたいです」

ちょっとした工夫があれば障害者もそうでない人も一緒に楽しめる。そんなことを教えてくれる空間が広がっていました。


リンク先はテレQというサイトの記事になります。


 

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